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100/171

100話

祝100話!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

もうすぐ一章が幕を閉じます。

引き続きよろしくお願いします。






「行儀良く待ってるわけないでしょ!」


 悪魔はまた一瞬で移動し、後頭部に蹴りを叩き込んだ。


 直撃。


 蹴りの風圧で、砂煙が舞い上がる。


 しかし、ジークは微動だにしない。


 そして赤子に触れるように脛を掴むと、そのまま握りつぶした。


 悪魔の脛が、爆散する。


「がああああ!」


 悪魔はたまらず、瞬間的に距離を取った。


 だが、まるで予知していたかのように――悪魔が動いた次の瞬間には、ジークの蹴りが顎を跳ね上げていた。


「うえげ!」


 巨漢が上空へと弾き飛ばされるが、ジークはそれを許さない。


 頭部を殴りつけ、地面へと叩き伏せる。


 そこからはまさに、鬼のごとき連打だった。


 悪魔は地面を背にした状態で、なすすべなく打たれ続ける。


 地面は圧倒的な圧力に耐えきれず、みるみる陥没していく。


 悪魔の肉体は、加速度的に削り取られていく。


 そして、攻撃の最中――悪魔が、またそこから消えた。




 この悪魔のユニーク属性。空間属性。


 それは俗にいう、瞬間移動を可能にする力だった。


 悪魔は、一秒の百分の一にも満たないわずかな間に――数十メートル上空へと転移した。


「はあ、っは、っは、はあ、化け物め!」


 悪魔は勝利を諦め、逃走に方針を転換せざるをえなかった。


 すでに肉体は、頭部を含めた一部分しか残っていない。


 しかし、まだ、修復が可能だ。


 こいつらさえ撒けば、どうにでもなる。悪魔はそう考えた。


 瞬間移動にも制約がある。あの攻撃から、まずは逃れなければならない。


 そして逃れた今、転移を繰り返し――奴らが追ってこられない場所まで、即座に移動しようと試みた、その時。


 天が、()()()()で覆われた。


 次の瞬間。


 計り知れない圧力。


 そう感じた時には、すでに遅かった。


 ――耐えきれない圧力に、わずかに残っていた肉体が、プチッという乾いた音を立てて塵となり、消し飛んだ。



 ◆



 エルブレッドが、大剣を()()()()()に戻す。


「これで、死んだんですか?」


 ジークが身体強化を解除すると、鱗に覆われていた肌が、まるで逆再生するかのように元へと戻っていく。


「いや。厳密には、悪魔の殺し方はまだ見つかっておらんのじゃ」


「え? では、まだ……」


「いや、あれだけやれば、この場での復帰は不可能じゃろうな。だが、またどこかで復活するかもしれん。詳しいことはわしにもわからんのじゃ。悪魔退治に特化した集団がおると聞くが、そいつらなら、何か知っておるのかもしれんがな」


 エルブレッドは、ひとまずの決着に胸をなでおろした。



 悪魔との戦闘の跡。


 昨日まで、ここには一面の草原が広がっていたはずだった。


 今はその面影もなく、巨大な池ができ、地面は至るところが抉れて深く陥没している。


 まるで天上の神々が、この地で争い合ったかのような光景だった。



「……いててて。全く、相変わらずの化け物っぷりだね」


 土まみれになったジーンが、腰をさすりながら歩いてきた。


「おお! クソババア! 生きておったか! 結構結構!」


「気づいておったくせに! 危うく巻き込まれるところだったじゃないか! クソジジイ!」


 軽口を叩き合うのが、二人のいつものやり取りらしい。


「エルブレッド、知っておるじゃろう。こいつはジーン・ファンバイクじゃ」


「っな! 万象の魔女の? お知り合いだったんですか!?」


「ただの腐れ縁じゃよ」


「っさ、早くエル坊のところに行くよ。まだ戦いは終わってないんだ」


 ジークとエルブレッドは、顔を見合わせて頷いた。


 三人は、瓦礫と化した戦場跡に背を向け――エルたちのもとへと、急いだ。





いつもお読みいただきありがとうございます。


「続きが気になるな」と少しでも思っていただけましたら、


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― 新着の感想 ―
ついに百話目!!!このままの勢いで更新待ってます!!!!!
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