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玉砕戦2691  作者: 小池すんた
閑話集~都宮兵士の戦い~
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見えない爆音

私の狙撃手(ティラール)人生の中でも、今回の任務は一番やる気が出ている。

今の日本では都宮軍と西条軍が権力争いのため戦っているが、どちらにも属さない地域、戦闘が以前起きた町などでは指揮系統がはっきりしないため、親に死なれた子供たちがドラッグや人殺し、盗みはもちろん、盗ってきた武器などを手に何人かが集まって武装集団を作る。

この集団は一般的には「悪魔の子(ダーク)」などと呼ばれることが多いが、彼らは自分たちの事を「自由の使徒(ホープ)」と呼ぶ。主に建設中の建物や捨てられた工場などにアジトを持つ。


今回は金沢に行ってこれを叩くのが目的だが、何故やる気が出るって言ったら、金沢には日本一人数の多いダークがあるからだ。


さて、こちら側の兵力を説明しよう。今私が乗っているヘリはUH-1Vイロコイ・ロアスト汎用ヘリで、これが1機。まず私がボスを射殺する。

後ろを飛行しているのがAH-65Sシャイアン・サジタリウス攻撃ヘリで3機。混乱している所に弾丸やら爆弾やら焼夷の魔導やらの雨を浴びせる。このヘリが搭載できる兵装の中では最強の対地ミサイルが、射程10キロながら半径50メートルが吹っ飛ぶ魔導ミサイル、「エンドヘル」だ。

私がボスを射殺した後、好きにやってもらう。

この4機で作戦を遂行する。


この元食品工場の跡地で、ダークのボスⅩ(氏名不詳)は朝の点呼を行っていた。瞬間。

彼は頭を撃ち抜かれて死んだ。いや、左半分の頭を抉り取られて、の方が正しい。

5㎞先の攻撃ヘリには殺害を完了したとティラールの方から連絡があり、工場を囲むようにして展開した。攻撃開始。

工場にある3つの門へミサイルを発射。逃げようとしていた者はことごとく死んで全滅。

こちらに飛んでくる地対空ミサイルも、やはり素人。

上手く発射出来ずにその場で炸裂して20人位死んでいるところもあれば、発射できても後方への噴射炎で火にもがく者もいた。

まぁ、発射できてもとはいえ全然当たる気配が無いのだが。


『俺らの方から見えるのはあと10人くらいだ。そっちはどうだ?』

『もういないみたいだ。でも隠れてるかもだから、例のあれ使う』

「オッケイ。じゃ、3,2,1,発射」

3機から一斉に出たのは、ここまでとって置いたエンドヘルミサイル。

しかもポッドに格納しておいた36発全部。

ミサイルはうまいこと工場内部に入り込んで着弾、炸裂。

轟音と共にヘリの方にもとんでもない衝撃が伝わる。

ついさっきまで食品工場の跡地があった場所には、何も残っていなかった。


今、都宮軍海兵隊戦闘車両操縦士の間で流行っているのが、日刊都宮軍デジタル版を朝刊夕刊どちらも取る事だ。流行ってるとは言い方が変だが、そうなのだ。

2689年8月7日の夕刊。1面には巨大なクレーターの写真が載っていた。

[金沢の食品工場、消える][エンドヘルの実力]と書いてあった。

いつも通り過ぎてつまらない。

まぁ、今この状況はいつも通りではないが。

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