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玉砕戦2691  作者: 小池すんた
閑話集~都宮兵士の戦い~
24/34

撃墜王の子孫

涼はしばしお休み。

F-28インパクトは、往年のアメリカ戦闘機企業のロッキード・マーチン社と日空戦機が共同で開発した対地攻撃機だ。全長16.25メートル、特異な設計の前進翼等は驚くべき安定性を持っており、配備されるや否や名機となるという噂が立っている。

…で、F-0隼5式は軍の中にとどまらず世論でもネーミングについては真剣に議論されており、F-0の0は大昔の日本の名機、零式艦上戦闘機(零戦)に由来してる筈なのに、愛称が「隼5式」とは何事だ?と。ちなみに隼もかの太平洋戦争時に開発された戦闘機である。

でも、性能はとても良く常に風防(車で言うフロントガラス)にHUDの表示が出され、抜群の旋回能力、とても長い射程など、世界の最新技術をかき集めた機体である。

ちなみに開発はボーイング社と三菱戦工。


僕がF-0を初めて操縦したのは、8月2日の福井攻め。敵のエース部隊、吉野隊の殲滅である。その時の交戦記録をここに記しておこう。


陸上移動空母「松」からテイクオフしたのは午前10時頃。都宮空戦連アルゴ隊は、全機がF-0になって、合計15機。鶴翼の陣みたいな感じの配置で飛行していると、10㎞先ほどに吉野隊が見えてきた。

『全機、気ィ引き締めて行けよォ』

『OK隊長。一発目に落とされるなよ』

『東京の枝川からサーペンス8へ。任務中は隊長と呼ばずサーペンス1で通して下さい』

戦闘開始。

敵の吉野隊はロシアの次世代戦闘機、Su-07ヴァローナ(スホーイ社)だった。

『結構強い制空ステルス機だな。レーダーに映りにくい』

それなりの強さを持った空戦用の戦闘機同士が音速を超えて戦うとなると、地上の建造物は窓ガラスが割れるなどの被害が出る。なるほど西条軍の陣地だから良いのか。

実際福井の西条軍基地は必死の抵抗をしているが都宮軍の中に残された部隊は降伏をし始めていた。

ここは西条側の絶対防衛領域だから、苦肉の策として吉野隊が出たのだろう。

一気に速度をマッハ1.3まであげる。

「高機動ミサイルを搭載してるぞ。皆さん注意してください」

『よし、1機落した。高機動ミサイルだって?言われる前に知ってたぞ』

『こちらも撃墜。吉野隊の調子が上がってないようだがどうかし…』

背後から爆音が聞こえた。おそらく隊長機だろう。

僕がすぐ怒ったのは言うまでもない。

マッハ2に届きそうな速度のまま旋回。さっき隊長を落とした奴にミサイルを一発。着弾、爆発。

『おい、隊長機が落されたぞ!』

敵の通信を傍受。

『おい、サーペンス4。お前が囮になってどうする。寄って来たぞ』

どうやら吉野隊隊長が乗ってたらしい。いろいろまずい。

僕は機体を地面と垂直にしてどんどん昇って行った。8000mくらいか。

そしてやって来た敵に機銃を発射しながら突っ込んだ。だが。

敵機は機首を急激に上げて減速した。プガチョフ・コブラだ。当然機銃は外れ、ただ通り過ぎるだけとなった。

だが、そこに一発のミサイル。仲間のだ。

『いくら腕がいいと言っても独りじゃ無理だろ。俺らにも参戦させろ』

『じゃ、もう一度、気ィ引き締めて行けよォ』

僕たちの隊は吉野隊を圧倒して20分の間に倒してしまった。


その帰路。

「一人で行ってしまってスミマセン」

『まぁ気にすんな。俺も以前あったから』

『でも生きて帰って来られたなんて凄いな… おい、サーペンス4!後ろからミサイル!』

僕は反応する余裕がなかった。機体腹部に着弾、炎上、そして爆発。

視界が消えた。


8月7日の日刊都宮軍朝刊。そこには陸軍の私を驚愕させる記事が載っていた。

[撃墜王の子孫、落される][空戦連アルゴ隊の服部天牙]

私を驚きを隠せなかったが、乗り込んでいたヘリは既に離陸していた。

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