第七話
未来に来て一か月後、涼に健康診断がやってきます。
4月5日から、講習だけの感じの生活が一か月続いた。
読者の皆さんはつまらないだろうから、一か月先へ行こう。
NOW LOADIG…
なんやかんやで今は5月4日の午後十時半。明日は健康診断と、武器についての講習だ。
「やったね。明日からやっと軍隊らしくなるぞ」
「おめでとうございます、御主人様」
この一か月の間にMokaはすっかり俺のことを「ご主人様」から「御主人様」と呼ぶようになった。
まぁ、AIなんだから、戦闘時は「りょーちゃん」なるんだろうな。従順じゃなくて寂しい。
Mokaがこんな感じになったのには、俺の働きが地味に関与している。4月26日のこと。
NOW LOADIG…
「なぁMoka、昨日な定額だけど初の給料もらったんだ」
「そりゃそうですよね」
「でもな、使い道がないんだ。だいたいは銀行口座に貯金するけど、生活費がほら、かからないじゃないか。ここは政府が支給(賃貸料なし)してる施設なんだからさ」
「えっとそれ、調べたんですけど、AIにかけるお金が貯金以外のお金の大半ですよ」
「マジ?」
「手帳見てくださいよ」
手帳の[給料]の欄を見る。
[給料は持っていても意味がないので、親への仕送り又は貯金以外の使い方としてこちら側からは各自AIへの投資を勧める]とある。
「でしょう?」
「で、何だよ?」
「つーまーり、あたしのことにもっとお金使ってくださいっ!」
この時俺は頭の中で電球が「ピカ」と光ったのを覚えている。物理的な意味じゃないよ。勿論。
「OK。いっぱい使ってやろうか。…まずこれだな。」
最初に俺が購入したのは、「執務室・中」で900円。
ここまではいい。ここまではまだ良かった。
「フフフ… 次はこれだね。やっぱり」
俺はこの段階で、Sな自分がいることを自覚していた。Mokaに「ご主人様」と呼ばれることに、とんでもない優越感と圧倒的な支配感を覚えていたのだ。
だが、俺は自分の暴走を止められなかった。
「おお、あった。『メイド服・控えめ』。1000円か。よし購入」
「え?どういうことです?」
「だから、お前にこのメイド服を着せるんだよ」
「は、はい。御主人様…」
それからというもの、Mokaは俺が風呂から帰ってくると、
「おかえりなさいませ、御主人様」
と言うようになったのだ。
NOW LOADING…
「で、明日は健診なんだな」
「…え?ああはい」
「なんで一瞬止まった?」
「いや、なんでもないです」
「なんか変なこと考えてないよな?」
「ちなうんですちなうんです」
「ならいいや。おやすみ」
「はい…」
来る5月5日、こどもの日…ではなく健康診断だ。研修室にて。
つつがなく進み、いよいよ最後の測定に入る。題して「スキルサーチ」である。
医師曰く、CTスキャンみたいなので体からの「特性波動」を読み取るそうだ。
俺の結果を見た医師は椅子から転げ落ちた。
「き、君はチートどころじゃないな」
「なんでですか?」
「君には、神運Lv.Xと無限弾倉、夜行性、アスリートが備わってる。こんなにすごいのは国内では2例目だよ。全世界でも5人だけだ。このレベルは」
「マジか!」
おお、なんだか俺って特別な存在なんじゃね?未来に来て良かった。
健康診断の全過程が終了した。上官からひと言あるらしい。
「明日から、武器を使って練習だと言いたいところだが、残念。明日からは、この敷地内にある『特性発動訓練所』でスキルを発動させられるように訓練だ。ああ、ノースキルの奴はさっそく武器訓練だぞ」
いいな。ノースキル。…まあ、それはさておき、地獄の訓練はまだ続くのだった。
スキルがチート以上ある涼。彼はこの後、どんな訓練を受けるのでしょう。作者も楽しみです。ではまたっ。




