第83話:新懸賞金75万ゴールドの『エレファントな犬人』!?〜クルー全員に【覇権】の極意を授けたら、運200の悪戯で『象王の島』に辿り着きました〜
起源の航路の荒れ狂う海の上に朝日が昇り、魔導海賊弩級戦艦の巨大な黒い帆を黄金色に染め上げた。
深淵エンジンは低回転で静かに唸りを上げ、昨日の地獄のような激戦が嘘であるかのように、巨大な船体を滑らかに前進させていた。
鈍い軋み音を立てて、重厚なオーク材の扉が開いた。
レオンが船長室から姿を現す。
身長2.5メートルを超える筋肉と威圧感の塊である海賊王は、肩を落として歩いていた。その黄金の瞳には生気がなく、空虚で、深い隈に囲まれている。
朝の空気は澄んで冷たかったが、彼はそれを感じていないようだった。黒い木の手すりに重々しくもたれかかり、果てしない水平線へと虚ろな視線を向ける。
8体のクルーを失った喪失感と昨夜の失敗が、巨石のように彼の胸にのしかかっていた。
その朝の静寂は、突如として甲高く騒々しい口笛によって打ち破られた。
小さな革の制服に身を包んだハヤブサの郵便配達員が、メインマストをかすめるように急降下してきたのだ。
「特別号外だよ! 世界中が完全にクソみたいな大混乱だ! 大虐殺、大脱獄、そして目玉が飛び出るような懸賞金の嵐だぜ!」
猛禽類はレオンからわずか数歩離れた手すりに重々しく着地し、金切り声を上げた。
「いつもの銀貨2枚だ、犬っころ! さっさと払いな!」
レオンはピクリとも動かなかった。
しかめっ面をすることも、挑発に言い返すこともしない。ただ虚空を見つめたまま、鳥の存在を完全に無視していた。
ハヤブサが癇癪を起こす前に、甲板にカチャリという金属音が響いた。
サイラスが船倉のハッチから足を引きずりながら現れ、そのサイバネティック・アイを計算高い精度で回転させた。魔導機関のフクロウは、リーダーと配達員の間に割って入った。
サイラスは生身の手を伸ばし、ずっしりと膨れ上がった革袋をジャラジャラと鳴らしてハヤブサへと投げ渡した。アーサーのガレオン船から奪った純金のあまりの重さに、キャッチした鳥は危うく後ろへひっくり返りそうになった。
「新聞やゴシップ記事は大衆にくれてやれ」
サイラスは冷たい権威を帯びた金属音混じりの声で言った。
「この金貨で、俺は『上層部の囁き』を買う。玉座の島の手前にある最後の海域で、今何が起きているのか真実を話せ」
ハヤブサの配達員は金貨の重みを確かめ、小さな黒い目を純粋な強欲で輝かせた。
周囲をキョロキョロと窺った後、彼は身を乗り出し、黒い封蝋で閉じられた羊皮紙の巻物を差し出しながら、しゃがれた囁き声へとトーンを落とした。
「あんたたち、とんでもない窮地に立たされてるぞ」ハヤブサは声を潜めた。「海軍はアイギス要塞で計り知れない損害を被った。もはや連中には、外海を単独で防衛する戦力が残っちゃいない。そこで世界政府は、『境界の男爵』たちと秘密の契約を結んだんだ」
レオンは振り返ることもせず、疲労の仮面を張りつかせたまま無言で聞いていた。
「奴らは孤高のバケモノどもだ」ハヤブサは緊張に唾を飲み込みながら続けた。「あまりにも強大で狂っているせいで、海軍ですら捕縛を諦め、それぞれの島で暴君として君臨するのを放置していた海賊たちさ。だが今……政府は奴らに天文学的な富を支払い、完全な免責特権を保証した。条件はただ一つ、『玉座の島』の番犬として働くことだ。何人たりとも、あの境界線の先へは通さないつもりだぜ」
サイラスは目を細めた。「そいつらは何者だ? その男爵とやらは正確に何人いる?」
ハヤブサは恐怖に羽をバタつかせ、首を横に振った。「これ以上は何も言えねえよ。正確な数も名前も、大将軍たち以外は誰も知らないんだ。俺が知ってるのはこれで全部だ!」
もう一秒も待たず、猛禽類は空へと飛び立ち、雲の中へと急速に姿を消した。
サイラスはレオンの方へと向き直り、羊皮紙の黒い封蝋を割った。「最後の壁として戦略的に配置された、極限レベルの傭兵たちか。興味深く、そして致死的だな」
レオンはゆっくりと重い息を吐いた。彼はようやく巨大な頭を巡らせ、グループの頭脳であるフクロウを見た。
「もう一つあるんだ、サイラス。盤面全体を覆すような事実がな」
サイラスは首を傾げた。「レオン。あの下で正確に何が起きたんだ?」
「アーサーが持っていたのは『厄災』のステータスだけじゃなかった」レオンは黒い木が軋むほど強く手すりを握りしめ、明かした。「あいつはすでに8人目の人間を見つけ出し、殺していたんだ。二つ目の異常、『絶対生命吸収』を持ってやがった。だが奴は、システムがそれを俺に引き渡すのを拒絶した。自分の手で心臓を握り潰して自決したんだ。二つの異常ステータスが、虚無へと粉砕された」
サイラスは固まった。その途方もないデータを処理する中、彼の機械の半身の内部で歯車が文字通り音を立てて回転した。
「二つの異常が……システムから完全に消去されただと」
「モノリスの偽りのルールは打ち砕かれたが、俺たちの計画も同じように砕け散った」レオンは傷だらけの自分の手を見下ろし、苦々しく言った。「俺たちの目標は、8人の転生した魂全員を集め、人類を絶滅させてこんなサディスティックな殺し合いを仕組んだ黒幕を全員でぶっ壊しに行くことだった。だが、アーサーと8人目の人間を失った今……俺たちは最終戦争に向けた二つの決定的な力を失った。あまりにもデカすぎる損失だ」
サイラスはサイバネティック・メガネの位置を直し、首を横に振った。その金属的な声は、驚くほど地に足のついた、励ますような響きを帯びていた。
「客観的に見れば、確かに損失だ。だがレオン、それで俺たちの選択肢がなくなったわけじゃない。完全な8人のグループはもう存在しない、それは事実だ。だが、まだ俺たち『4人』が生きている。お前、俺、ルキウス、そしてヴェインを合わせれば、盤上には合計『6つ』の異常ステータスが残っているんだ。俺たちならやれる」
サイラスは一歩前に出て、生身の手をレオンの巨大な腕の上に置いた。
「こんなことで足を引っ張られるのはやめよう。今は可能な限りの情報を集め、前へ進むだけでいい。俺たちは玉座にたどり着き、今手元にある力ですべてを破壊するんだ」
レオンはフクロウを見た。彼の頭脳が紡ぎ出す冷徹で反論の余地のない論理が、悲しみの濃い霧を突き抜けた。
彼は深く息を吸い込み、肩にのしかかっていた重い荷物がほんの少しだけ軽くなったのを感じて、わずかに背筋を伸ばした。
機械の駆動音に引き寄せられ、ポールとアナベルが下の甲板から姿を現した。
二人ともまだ打ちひしがれている船長の空気にすぐ気づき、視線を交わした。空気を明るくしようと、ポールはハヤブサが残していった一般向けの新聞の束に近づき、芝居がかった仕草でそれを広げた。
「船長、元気を出してくださいよ! アイギス要塞であれだけの大虐殺をやらかした後で、あなたの新しい懸賞金がどこまで跳ね上がったか見てみましょうぜ。絶対に記録を塗り替えてますって!」猫の獣人は羊皮紙をめくりながら叫んだ。「どれどれ……船長のツラを探して……って、待て。ちょっと待てよ」
ポールはピタリと固まった。黄色い目が大きく見開かれ、その尻尾がショックに近い興奮でピンと垂直に立ち上がった。
「これ、俺だ!」精鋭戦士は信じられないといった声で叫んだ。「これを見てくださいよ! 『【指名手配:ポール - レオン艦隊の指揮官 - 10万ゴールドコイン。極めて危険、稲妻の速度で移動する】』! 俺も公式に世界が認める災厄の仲間入りだ! 俺個人の手配書が出ましたよ!」
アナベルが彼の肩越しに覗き込み、縦長の瞳孔を純粋な驚きで見開いた。「深淵のすべての鱗にかけて……他のページも見せて!」
リザードマンの少女は素早く束を探り、別のポスターを引き抜いた。彼女の驚愕は、すぐさま得意げなニヤリとした笑みへと変わった。
「私も載ってるわ! しかも、どうやらあなたより少しだけ価値が高いみたいね、子猫ちゃん」
彼女は腕を組み、声に出して読み上げた。「『【指名手配:アナベル - レオン艦隊の指揮官 - 10万5000ゴールドコイン。極めて危険、圧倒的な怪力を持ち、空を支配する能力を持つ】』よ!」
ポールの笑顔が瞬時に凍りついた。猫の獣人は勢いよく振り返り、自分の目で確かめようとアナベルの手から紙をひったくった。
「5000ゴールド上だと!? 圧倒的な怪力で空を飛べるからだと!?」
ポールは悲喜劇的な怒りを爆発させた。
「空を飛べるから!? 冗談じゃねえぞ!」彼は憤慨して空を指差し、羊皮紙を振り回して吠えた。「俺は光速で動き回り、大将どもが瞬きする間に切り刻んでやるってのに、こいつがただパタパタ羽ばたいて煙を吐けるってだけで俺より高い懸賞金がつくのかよ!? 官僚主義の暴挙だ!」
アナベルは手配書を奪い返し、彼の鼻先でヒラヒラと振りながら心から楽しそうに笑った。「認めなさい、ポール。どうやら空の魅力の方が高くつくみたいね」
「だったら俺も、船長みたいに翼なしで空を飛ぶ方法を身につけてやる!」ポールは純粋な憤りとライバル心から、尻尾の毛を針のように逆立てて唸った。「そしてお前を追い抜いてやるからな、見てろよ!」
レオンはその一部始終を無言で見つめていた。
胸を締め付ける痛みは深かったが、初めての懸賞金に純粋に驚く士官たちの姿や、たった5000コインの差で癇癪を起こし、アナベルに勝つためだけに空を飛ぶと誓うポールの姿を見ているうちに……彼の内側で何かが解けた。暗闇にヒビが入ったのだ。
彼らはまだここにいる。彼のクルーは生きていて、頑固で、その魂の輝きを1オンスたりとも失ってはいなかった。
船長の唇が震え、抑えきれない笑みへと変わった。そして、低く途切れた笑い声が彼の制御をすり抜けて漏れた。
数秒後、レオンは前足で顔を覆い、首を横に振りながら、タイタンのような胸の底から純粋で温かく、解放的な大笑いを響かせた。
その音に、ポールとアナベルはピタリと黙り込み、安堵に輝く目で彼の方を振り返った。船長が戻ってきたのだ。
「お前らには敵わねえな……」レオンは目尻に浮かんだ小さな涙を拭いながら言った。
彼は鼻をすすり、背筋を伸ばした。顔を上げた時、喪の影は消え去り、【海賊王】の不屈の気迫へと取って代わっていた。
レオンは一歩前に踏み出し、ポール、アナベル、アリック、そしてサイラスの注意を引いた。彼のオーラが甲板全体に優しく広がる――彼らを押し潰すためではなく、包み込むために。
「よく聞け、お前ら」レオンは黒い木の板の上に響き渡る深い声で話し始めた。「あの要塞で、俺たちはクルーの8人を失った。そしてあの下で、アーサーは8つのオリジナルの異常のうち2つを粉砕して消滅させた。モノリスの偽りの予言は、転生者全員を団結させるという俺たちの計画と共に砕け散った。航路の果ての玉座で俺たちを待っている奴が誰であれ……激怒し、途方もない力を持っているはずだ」
船上に静寂が降りた。眠っていたモンスターたちでさえ耳をそばだてているように見えた。
レオンは獰猛な光に燃える黄金の瞳を、仲間たちの瞳へと真っ直ぐに重ねた。
「俺一人じゃやれない。あの玉座にたどり着く前に、そして『境界の男爵』どもを突破する前に、お前たちの力が必要だ。お前たちには、想像し得るあらゆる限界の向こう側へと突き抜けてもらう必要がある」
「俺たちはすでに最大上限ですよ、船長」ポールは拳を握りしめて呟いた。「レベル100はこの世界の天井です。システムがそれ以上先へ行くことを許しません」
「レベル100はクソみたいな嘘だ」レオンは彼の言葉を遮り、低く唸った。その言葉の激しさが空気を震わせる。「あれはモンスターどもを大人しくさせておくために作られた精神的な檻に過ぎない。ソーンがそれを俺に証明してくれた。【覇権】は、経験値を貯めたり奴らのルールに従ったりして解放されるもんじゃねえ」
レオンは拳を握りしめ、あの激戦の最中に味わった全能の感覚を思い起こした。
「限界を『拒絶』することで解放されるんだ。純粋で、絶対的で、壊滅的な『傲慢さ』によってな。自分自身の存在そのものに世界を無理やり屈服させるほどの飢え、それほどの意志の力を持たなきゃならない。今日から、システムの言うことに耳を貸すのはやめろ。その檻をぶち壊せ。鎖を引きちぎるんだ」
クルーの論理的な頭脳であるサイラスは、ほんの一瞬でその言葉を処理した。彼のサイバネティック・アイが回転し、冷たい理解の光が灯る。
「自己認識に基づいたリミッター、というわけか」フクロウは囁いた。「俺たちの意志を捻じ込めば、システムのコードを書き換えられる。実に興味深い」
アナベルは鋭い牙を覗かせて致死的な笑みを浮かべ、ポールの尻尾は新たな獰猛な活力で空気を鞭打った。静かに浮かぶアリックもまた、船長のためならいかなる限界をも越える覚悟でエーテルの胸を張った。
レオンは彼らの目に再び火をつけたことを誇らしく思いながら頷いた。「よし。じゃあその手配書の束を貸せ、ポール。新聞が他にどんなネタを載せているか見てみようぜ」
猫人は彼に束を手渡したが、ちらりと見えた一枚だけを手元に残し、跳躍と共にそれを広げた。「まずはこれを見てください、俺たちの無口な友人が大々的にデビューしてますよ!」ポールはポスターを指差して熱狂的に言った。
そこに描かれていたのは、霊体の副船長が放つ純粋な永久凍土のオーラだった。
『【指名手配:アリック ”蘇りし伝説” - 25万ゴールドコイン】』。
アリックが動きを止めた。亡霊は海賊の誇りを明確に示すように、エーテルの腕を胸の前で組んだ。
その評価に有頂天になったアナベルが、彼に抱きつこうと首に飛びついた。だが残念ながら、暗殺者は亡霊の体を文字通りすり抜け、凍てつく霧を掴んだだけだった。
「ブルルッ! もうっ!」リザードマンの少女は悲鳴を上げて即座に飛び退き、痛みを伴う霜の層に覆われた両腕を必死にさすった。アリックは彼女を一瞥し、わざとらしい諦めの表情でかすかに首を横に振った。
それから、ゆっくりと【霊霧の覇王】――モップを持って不器用に甲板を掃除していた元ボス――の方へと向き直ると、アリックはその鼻先で手配書をヒラヒラと振った。
氷のような口笛と紛れもないジェスチャーで、アリックは「これを俺の船室に飾り、毎日欠かさず額縁を磨け」と命じた。マストドン級の煙のエンティティは恐怖に頷き、瘴気の触手で羊皮紙を恭しく受け取った。
「外の世界は急速に動いているな」サイラスが他のポスターを手に取ってコメントした。
傷だらけのソーン ”災厄” の顔には40万コイン、大逆罪に問われた『緑虎』には驚異の50万コイン(死体のみ)が懸けられていた。さらに大きな告知として、アーサーのガレオン船を奪って脱獄囚全員を掌握したサイとクロコダイルの新興超艦隊に、それぞれ30万コインの懸賞金が懸けられていた。
他の転生者たちもまた、確実に爪痕を残していた。『竜の君主』ルキウスは、サメの王を殺害し空のドラゴンをすべて盗み出した罪を世界政府から公になすりつけられ、38万ゴールドコインへと急騰していた。
一方、『神出鬼没』のヴェインは32万コインに上がっていた。孤高のヤマネコはクルー全員を海軍に捕らえられて失ったものの、その報復として政府の武器庫から直接、計り知れない価値を持つ伝説の武器を単独で盗み出したことで懸賞金が爆発していたのだ。
「俺たち全員、今やヘビー級の大物ですね」ポールがコメントした。「さて、最後はついにあなたの番ですよ、レオン」
レオンは最後の一枚を見つけた。それは強化紙に印刷されており、他のポスターの2倍のサイズがあった。甲板の上にそれを広げると、最上部に印字された巨大な黒い数字に全員が息を呑んだ。
**【 75万ゴールドコイン(死体のみ) 】**
下のテキストには、彼が史上最大の大脱獄を企て、『厄災』を虐殺した「絶対的黒幕」であると記されていた。
レオンはその数値的な評価に誇らしげな半笑いを浮かべた。
だが直後、彼の視線が名前、そして何より印刷された「写真」へと落ちた。
写真は依然として、身長がまだ180センチほどだった頃の古い画像のままだった。そして太字の名前には、紛れもなくこう書かれていた。
**『【指名手配:レオン ”エレファントな犬人”】』**
レオンの笑顔が瞬時に消え失せた。右目が神経質にピクピクと痙攣し始める。
ポールとアナベルは素早く視線を交わすと、即座に肉球と鱗の手で自らの口を塞ぎ、体を二つ折りにした。
一瞬、二人は必死に堪えようとした。唇が白くなるほど噛み締め、声を押し殺そうと激しく震えていたが、今の彼の威圧的な巨躯にそのふざけた名前が貼り付けられている不条理さに、彼らの肩は制御不能なほど小刻みに揺れていた。
「このクソみたいな手配書を印刷して書いてる野郎を、遅かれ早かれ絶対に見つけ出してやる……」
レオンは羊皮紙がくしゃくしゃになるほど握りしめて唸った。顔は苛立ちの仮面に歪み、そのエゴは致命傷を負っていた。「あの無能ども、写真一枚更新できないどころか、まだ俺をエレファント(象)扱いしやがるのか!?」
「レオン、冷静になれ。コルチゾールは役に立たないぞ」サイラスが口を挟んだが、その鋼のくちばしの下には明らかに面白がっている表情が浮かんでいた。フクロウは霧が晴れつつある水平線をスキャンした。「そして目的地についてだが……霧が晴れたぞ」
ドレッドノートの船首の前方に、威圧的なサイズの島が姿を現した。
野生の岩塊でも、火山の地獄でもない。灰色と白の大理石で造られた巨大な宮殿、ドーム型の屋根、そして広い黄金の波止場を特徴とする、緑豊かで平和な王国だった。
「順調な海流に、海獣はゼロ」サイラスはコンパスを確認し、新しく購入した海図と照らし合わせながら計算した。「海流が俺たちを独立した中立王国へと直接運んでくれたようだ。物資を補給するには絶好の場所だと記されている」
クルーの頭脳は地図に書かれた名前を読み、そのサイバネティック・アイが回転したまま、論理的な気まずさでピタリとフリーズした。
「俺たちはどこに着いたんだ、サイラス?」まだ手配書の件で湯気を立てているレオンが、分厚い胸の前で巨大な腕を組みながら尋ねた。
サイラスは羊皮紙から顔を上げ、純粋な居心地の悪さと面白さが入り混じった目でレオンを見つめた。
「俺たちは……その……『象王の島』に到着したようだ、レオン」
レオンは凍りついた。甲板全体が静まり返る。
彼の【運(LUCK)200】というステータスが、またしても露骨に、残酷に、そして皮肉たっぷりに彼をからかったのだ。
そしてその瞬間、ダムが決壊した。
ポールは膝から崩れ落ち、お腹を抱えて息もできないほどの大爆笑を上げた。アナベルは笑い涙を流して倒れないようにマストにもたれかかり、サイラスでさえ大きく金属的な音――ロボットのようで完全に制御不能な笑い声を漏らした。
巨大な魔導弩級戦艦は、士官たちの轟くような爆笑と……運命最大の悪戯の犠牲となり、完全に石化した船長の視線を乗せたまま、平和な港へとゆっくりと滑るように進んでいった。
いつも『最弱の犬獣人(海賊王無双)』をお読みいただき、本当にありがとうございます!
アイギス要塞での死闘と【覇権】への覚醒を経て、ついに新章『象王の島』編へ突入です!
海軍のスペルミスから始まった「エレファントな犬人」の呪いが、まさかの【運:200】の悪戯で本物の『象王の島』を引き寄せてしまいました(笑)。そして手に入れた新たな呪いの妖刀【聖光の輝ける刀】が、今後の戦いでとんでもない威力を発揮します!
もし少しでも「続きが気になる!」「クルーの掛け合いが面白かった!」と思っていただけましたら、ページ下部より【ブックマーク登録】や【評価】、いいね等で応援していただけますと、毎日の執筆の大きなエネルギーになります!
次回もぜひお楽しみに!




