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第81話:仲間を奪われた怒りが『レベル100の檻』をぶち壊す!〜【覇権(ヘゲモニー)】に覚醒して一気にレベル116へ到達し、厄災の獅子の腕を握り潰す〜

アイギス要塞の中庭は、泥と血、そしてスキルが乱れ飛ぶ地獄と化していた。

アーサーの傭兵軍団は、海賊王のクルーたちのタイタンのような猛攻の下で、容赦なくすり潰されていった。


『厄災の獅子』アーサーは、自分の精鋭たちが深淵のオークになぎ払われ、火山ヒドラに焼き尽くされるのを見ていた。

彼の顔が純粋で盲目的な激怒に歪み、その黄金の瞳が目を眩ませるような血の赤色に燃え上がった。

アーサーは目を閉じて両腕を広げ、周囲の環境を劇的に書き換えるため、自身の「100」の異常(アノマリー)を世界へと解き放った。


【 スキル発動:厄災の共鳴(カラミティ・レゾナンス) 】


惑星の応答は、まさに黙示録的だった。

アイギス要塞の真下の大地そのものがうめき声を上げ、前代未聞の暴力で真っ二つに引き裂かれたのだ。

壊滅的な規模の大地震が監獄の中庭全体を引き裂く。戦う者たちの足元に幅数十メートルもの地割れが口を開け、要塞の高い塔が次々と自壊して崩れ落ちていった。


アーサーの猛威はすべてを飲み込んだ。

彼の傭兵たちも悲鳴を上げながら奈落へと落ちていったが、レオンのクルーはまさにその地殻崩壊の震源地のど真ん中に巻き込まれていた。


グループの動かざる前衛である4体の【装甲ガニ】のうちの2体が、戦線を維持して仲間を守るため、巨大な鋼のハサミを石灰岩の岩盤に必死で食い込ませようとした。

だが、無駄だった。大地は彼らを丸呑みにした。

何百万トンもの火山岩が彼らの頭上で閉じ、貫通不可能だったはずの分厚い甲羅を、まるで脆い卵の殻のように粉々に押し潰したのだ。残りの2体は奇跡的に地割れの縁にしがみついて生き延びたが、払われた代償はあまりにも大きかった。


目が眩むような、焼け付くような激痛がレオンの胸の中で爆発した。

船長はよろめき、視界がぼやける中で血を吐き出した。

彼の異常ステータス【絆(BOND)100】が、文字通り石の山の生き埋めにされ、すべての鱗と骨が千の破片に砕け散るあの恐ろしい死の感覚を、そのまま彼の神経へと伝達したのだ。しかも、二体分同時に。


その混乱とレオンの一瞬の麻痺に乗じて、アーサーが邪悪な笑みを浮かべた。

彼の視線は、崩れゆく石畳の上でバランスを保とうとしていたポールとアナベルにロックされた。


「死者の魂を吸収できないなら……貴様の副官どもの命をもらうぞ!」


獅子は唸り、二人をなぎ倒すべく頭から突進した。


その時、何千メートルも上空の雲の中から、空気を切り裂く甲高いハム音が響いた。

サイラスが引き金を引いたのだ。

『永久の火山石』を動力源とする致死的な魔導スナイパーライフルから放たれた濃縮火山プラズマのビームが、天罰のように空から降り注いだ。


狙撃はアーサーに直撃し、彼がポールとアナベルに届くほんの一瞬前にその肩で爆発した。

熱と衝撃波が獅子を後方へと吹き飛ばしたが、レベル100の『原初の獣』はただ唸り声を上げただけだった。その異常な防御力が致命傷を軽減したのだ。アーサーは地面に爪を突き立てて滑走を止め、再び飛びかかろうと身構えた。


だが、彼にその機会は与えられなかった。


「【天空の支配(スカイ・ドミニオン)】!」


レオンが隕石のように空から急降下してきた。

青いマナの円盤の足場で加速した船長は、胸を引き裂くような痛みを無理やりねじ伏せ、獅子の真ん前に重々しく着地した。

アーサーは咆哮し、その場で首を刎ね飛ばそうと巨大で致死的な爪をレオンの頭めがけて振り回した。しかし、1335ポイントにまで達したレオンの速度(SPD)は、その一撃の下をいとも簡単に潜り抜けさせた。


「俺のクルーに指一本触れるんじゃねえ」


レオンは赤い怒りに目を燃やしながら唸った。

胸元の【深淵の骨のネックレス】が暗黒エネルギーで脈打ち、彼の素手の肉球を濃厚な壊死の瘴気で覆い尽くす。


【 アクティブスキル:王の矜持の平手打ち(キングズ・プライド・スラップ) 】


バチィィィンッ!!


地震の轟音すらもかき消すような、凄まじく屈辱的な裏拳(バックハンド)が響き渡った。

レオンは『厄災の獅子』の鼻面を真正面から張り倒したのだ。暗黒エネルギーが爆発し、アーサーの顔に打撲傷を残して黒い煙で包み込んだ。


【 デバフ適用:2分間、対象の速度(SPD)が50%低下しました。 】


「よくも……この薄汚い野良犬がァッ!」


アーサーは怒号を上げて突進しようとしたが、その両脚が突然鉛のように重くなった。王の屈辱によってスピードが半減し、その動きは劇的に鈍くなっていた。


だがレオンは、このデバフが永遠には続かないことを分かっていた。それに2体のカニを失った喪失痛が彼の集中力を引き裂き続けている。崩壊する環境にクルーを晒したまま、長期戦を維持することはできない。


「ポール! アナベル!」レオンは胸を押さえながら叫んだ。「撤退だ! 全員船へ戻れ! 飛べる奴らは地上の仲間を掴んで運べ! 今すぐだ!」


二人の副官は即座に事態の深刻さを理解した。「即時撤退だ!」とポールが吠える。

アナベルが空に向かって口笛を吹くと、影を刈る鴉、悪魔のグール、天空のドラゴン、地獄の熾天使、そして他のすべての飛行モンスターたちが急降下してきた。彼らは巨大な鉤爪で飛べない仲間たち――ベヒーモス、キノコ、魔王、ヒドラ――を掴み上げ、地割れから引き上げて空へと飛び立ち、魔導弩級戦艦へと退避していった。


ただ一人、アリックだけがその場に残った。

初めて船長の直接命令に背き、霊体の副船長は撤退を拒否したのだ。

すでにレオンの隣に浮かんでいた亡霊は1ミリも動かず、ただ実体のない両手をアーサーの胸へと突き入れ、速度の落ちた厄災の獅子を分厚く貫通不可能な絶対零度の氷の牢獄へと閉じ込めて地面に縫い付けた。船長と共に戦い、共に死ぬ覚悟だった。


一方、要塞のえぐり取られた高いバルコニーの上では、青虎の最高司令官がソーン ”災厄” の壊滅的な斧の一撃をかろうじて受け流し、続く緑の虎の牙を躱して後退していた。

自らの監獄が崩壊し、エリート軍団が壊滅していくのを見て、青虎は歯を食いしばった。アイギス要塞は陥落した。死傷者が多すぎる。

司令官は緊急コンソールに腕を伸ばし、深紅のボタンを叩いた。


「全ユニットに告ぐ! 総員撤退!」青虎は魔法のメガホンを通じて雷鳴のように叫んだ。「監獄を放棄せよ! 直ちにだ!」


退路を確保し、残った敵を一掃するため、青虎は大剣を空へと掲げ、恐るべき水流のエネルギーを集中させた。


「【リヴァイアサンの裁き(ジャッジメント・オブ・ザ・リヴァイアサン)】!!」


破壊された城壁の向こうの海水から、飢えた獣のようにタイタン級の異常な大波が隆起し、壊滅的な力で中庭へと襲いかかった。

その衝撃は文字通りの津波だった。ソーン、緑の虎、そして強大なクロコダイルとサイの獣人は文字通り波に飲まれ、泡立つ濁流に押し流されて水没した瓦礫の彼方へと引きずり込まれ、最高司令官の逃走を許してしまった。


そしてその大惨事は、空へと逃げていたクルーのしんがり(後衛)をも直撃した。

10体の【始祖の火山蜂】のうちの6体が、2体の【巨大な双子ドワーフ】のタイタンのような重量を必死に持ち上げようとしていた。

そこへ、魔法を帯びた巨大な水の壁が真正面から激突したのだ。最高位の氷水魔法と、マグマを本質とする獣たちの衝突は致命的だった。何百万ガロンもの海水の下で、6体の火山蜂の炎は瞬時にかき消され、その肉体は跡形もなく崩壊して消滅した。

浮力を失った双子ドワーフは地面へと重々しく墜落したが、自慢の『巨像の鎧』とカンストしたHPのおかげで、衝撃と波の猛威をなんとか生き延びた。


地上レベルでは、アリックが前へと飛び出していた。

電光石火の動作で、亡霊は巨大な強化永久凍土のドームを構築し、海が彼らを押し潰すほんの一瞬前に、自分自身とレオン、そして凍りついた獅子を安全にその内側へと密閉した。


水が引き、水没した廃墟に再び静寂が戻ると、アリックの氷のドームは雪の結晶となって溶け去った。

まさにその瞬間、レオンは泥の中に両膝から崩れ落ちた。


言葉にできない、絶対的な苦悶が彼の精神を粉々に打ち砕いた。

さらに6つの死。

彼の異常ステータス【絆(BOND)100】が、死刑宣告のような激しさで彼自身に牙を剥いたのだ。レオンは、体内のマグマが冷たく消えゆくあの根源的な恐怖と、水に溺れて窒息するパニックを、自分自身の肉体で正確に追体験した。

合計8つの死。彼はわずか数秒の間に、8回連続で「命の終わり」を味わったのだ。


海賊王は顎を大きく開き、声にならない喘ぎと共に体を二つ折りにし、爪から血が噴き出るほど強く濡れた石畳を引っ掻いた。

青いインターフェースが弱々しく脈打ち、灰色の通知を表示する。


【 絆(BOND)が断ち切られました。 】

【 装甲ガニ(ユニット1および2) - 死亡(ロスト)。 】

【 始祖の火山蜂(ユニット1〜6) - 死亡(ロスト)。 】


指揮容量には「7つの空きスロット」が表示されていた。彼のクルーの8体のメンバーが、ほんの数秒で存在ごと消し去られたのだ。

レオンは荒い息を吐き、冷たい岩に額を押し付けた。

この瞬間まで、彼の軍隊は無敵だった。そして廃墟の中でうずくまる海賊王は、初めて「喪失」という本物の、埋めようのない味を噛み締めていた。

その痛みは人間の理解を超えていた。それは彼をへし折るための痛みだった。システムの壮大な設計の中で、自分がどれほどちっぽけな存在かを思い知らせるためのものだった。


(俺は……こんなに弱いのか?)


鼻面から血を滴らせながら、レオンは考えた。


(目の前で、俺の仲間たちを死なせたのか? 海賊王ともあろう者が……自分のクルーすら守れないのか……)


だが、悲しみとショックが続いたのはほんの一瞬だけだった。

それらはすぐさま、中庭の石畳を振動させるほど暗く、濃密で、絶対的な『激怒』によって食い尽くされ、焼き払われた。


パキィッ。


鋭い音が静寂を破った。アリックの絶対零度の氷塊にヒビが入ったのだ。一時的な速度デバフの効果が切れた。

純粋な腕力の爆発と共に、アーサーは永久凍土の牢獄を粉々に打ち砕いた。

獣の怒りに突き動かされた獅子が前方へとダッシュする。アリックが介入するよりも早く、アーサーの巨大な爪が罠のように弾け、ひざまずくレオンの喉元を直接掴み上げて宙に持ち上げた。


「ちっぽけなビンタと氷程度で、俺を止められるとでも思ったか?」


アーサーは船長の首を締め上げ、黄金の瞳を残酷な勝利で輝かせながら唸った。


「自分の姿を見ろ。お前の獣どもは死んだ。お前はただの脆い野良犬に過ぎないんだ」


レオンは酸素を求めて喘ぐこともしなかった。もがきもしなかった。

宙吊りにされたまま、船長は恐ろしい緋色の光に燃え上がる犬の瞳を、獅子の瞳へと真っ直ぐにロックした。


彼の内側で沸騰する怒りが、純粋な「拒絶」へと変わる。

この世界への、このシステムへの、そしてたった今自分のクルーの8人を殺したこの獅子への絶対的な拒絶だ。

彼は犠牲者になることを拒絶した。レベル100が自分の力の終わりであることを受け入れるのを、断固として拒絶した。


ソーンの言葉が、頭の中で鮮明に反響する。

『限界を破るには、お前自身の魂が、目の前に浮かんでる青い数字よりも遥かに重いってことを悟らなきゃならねえ。この監獄を作った奴に、成長するための許可を乞うのをやめるんだ』


レオンは――許可を乞うのをやめた。


目の前の青いインターフェースが激しいショートを起こした。

数字が狂ったように暴走し始め、赤と黄金の火花を散らしながら、システムエラーの嵐の中でホログラムを歪ませていく。


【 システムエラー。突破不可能な上限に到達しています。 】

【 異常(アノマリー)による強制上書き(オーバーライド)。 】

【 レベル:100 (MAX) -> 101 -> 104 -> 108 -> 113 -> …… 】


数字が狂気的なスピードで渦を巻いて駆け上がる。

アーサーは目を大きく見開いた。レオンの放つ精神的重圧が突如としてタイタンのように巨大化し、耐え難い重力となって自分の腕を文字通り押し曲げ始めたのを感じたのだ。


ホログラムの文字列が、銅鐘が鳴り響くような音と共にピタリと止まった。


【 レベル:116 】

【 覇権(ヘゲモニー)を解放しました 】


その直後、船長のコアスキルの一つが、その新しく壊滅的な存在の領域に反応した。パネルのテキストが黄金の閃光の中で自らを書き換えていく。


【 スキル進化:『捕食者の本能』が進化 -> 『王の本能(キングズ・インスティンクト)』。一時的に攻撃力(ATK)と防御力(DEF)を50%増加させます。 】


レオンはコンマ1秒も躊躇しなかった。


「【王の本能(キングズ・インスティンクト)】!」


純粋で暴君のような力の奔流が彼の全身で爆発した。

今や船長の怪力は計り知れない領域に達していた。彼は前足を上げ、自分の首を掴んでいるアーサーの手首を逆に鷲掴みにした。

そして指のほんのわずかな動きだけで、レオンは獅子の前腕をそのまま握り潰した。


バキィッ! と、アーサーの骨が折れる乾いた音がはっきりと響き渡った。

『厄災の獅子』は苦痛に絶叫し、たまらず手を離した。


レオンは空気そのものを歪ませる力のオーラに包まれながら、自分の足でふわりと着地した。

喪失の痛みはまだそこにあり、胸の中で血を流す傷口となっていたが、それは今や「究極の武器」へと鍛え上げられていた。

捕食者の瞳の前に最終的なインターフェースが安定し、食物連鎖の新たな、そして恐るべき頂点の姿を明らかにした。


【 船長ステータス 】

名前:レオン クラス:海賊王(パイレーツ・キング)

レベル:116 【 覇権(ヘゲモニー) 】

HP:1380 / 1380

攻撃力 (ATK):1080

防御力 (DEF):945

速度 (SPD):1415

運 (LUCK):200(最大上限100が7つの海の指輪により倍増)

絆/シナジー (BOND):100(異常ステータス MAX)

支配 (DOM):100(異常ステータス MAX)

残りステータスポイント:160


【 アクティブおよびパッシブスキル 】

・天空の支配(パッシブ):掴んだ対象の重量、重力、慣性を無効化するマナの円盤を作成。無限飛行。

・野生の疾走(パッシブ):永続的に基本速度+100%。

・犬の噛みつき(パッシブ):噛みつきの威力と貫通力+100%。

・必殺の射手(パッシブ):投擲武器による基本ダメージ+100%。

・不朽の肉体(パッシブ):毒、猛毒、胞子、病気、状態異常に対する絶対的かつ永続的な免疫。

・海賊王の鼓動(アクティブ):クルー全員のステータスを150%増加させる。

・王の本能(アクティブ):一時的に攻撃力(ATK)と防御力(DEF)を50%増加させる。

・船長の絶対権限(パッシブ):支配的なオーラが絶対的な重力と精神的圧力を及ぼし、知覚を持つ精神を屈服させる。

・王の矜持の平手打ち(アクティブ):2分間、対象の速度(SPD)を50%低下させる屈辱の一撃。


【 クルーステータス 】

最大容量:29 / 36 スロット使用(7スロット空き)

・アリック(霊体の副船長) - レベル:100 (MAX)

・天空のドラゴン - レベル:100 (MAX)

・キング・トリトン - レベル:100 (MAX)

・地獄の熾天使 - レベル:100 (MAX)

・霊霧の覇王 - レベル:100 (MAX)

・原初の火山ヒドラ - レベル:100 (MAX)

・魔王 (x3) - レベル:100 (MAX)

・鉄茨のベヒーモス - レベル:100 (MAX)

・始祖の火山蜂 (x4) - レベル:100 (MAX)

・マストドン捕食キノコ (x2) - レベル:100 (MAX)

・悪魔のグール (x3) - レベル:100 (MAX)

・影を刈る鴉 - レベル:100 (MAX)

・深淵のオーク (x3) - レベル:100 (MAX)

・巨大な双子ドワーフ (x2) - レベル:100 (MAX)

・装甲ガニ (x2) - レベル:100 (MAX)

・ポール(精鋭戦士) - レベル:100 (MAX)

・アナベル(冥界の暗殺者) - レベル:100 (MAX)

第81話をお読みいただき、ありがとうございます!


アーサーの『厄災』と最高司令官の大津波によって初めて8体の大切な仲間(装甲ガニ2体と火山蜂6体)を失い、【絆(BOND)100】によって8回分の死の苦痛を同時に味わったレオンが、ついにシステムの『レベル100の檻』をぶち壊して【覇権(ヘゲモニー)・レベル116】へと覚醒する瞬間、いかがでしたでしょうか?


続く次回【第82話】では、レベル116に達したレオンの圧倒的な速度と牙が『厄災の獅子』アーサーの喉元を貫きます!

しかし、敗北を悟ったアーサーが「二つの異常ステータス」をレオンに渡さないために選んだ衝撃の行動と、逃走を図る青虎最高司令官の前にソーンと緑虎が立ち塞がる激闘が描かれます!次回もぜひお楽しみに!


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