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第80話:8人目の転生者はすでに喰われていた!?〜あらゆる命を吸い尽くすアーサーの『絶対生命吸収』を完全無効化し、空からバケモノ軍団が降り注ぐ〜

アイギス要塞のカオスの何千メートルも上空、白い雲の海に隠された魔導海賊弩級戦艦(マギテック・パイレーツ・ドレッドノート)は静かに浮かんでいた。

突然、黒い木の甲板が振動した。

風の突風でも、敵の攻撃でもない。それは「心臓の鼓動」だった。

どこからともなく広がった濃密で圧倒的な深紅の脈動が、船全体と乗船している全員を洗い流したのだ。


手すりにもたれかかっていたポールとアナベルは息を呑んだ。

猫の獣人の筋肉が凄まじく膨れ上がり、その毛皮は目が眩むほどの青い電気でパチパチと音を立てる。リザードマンの少女の鱗は燃える炭のように輝き、火山のような熱気を放射した。

彼らの周囲では、レベル100のモンスター軍団が恐ろしい咆哮と共に目を覚ました。天空のドラゴン、魔王たち、ヒドラ……すべての獣が、自分たちの怪力とスピードが物理的な限界を超えて文字通り爆発するのを感じ取っていた。


「これは……【海賊王の鼓動(パイレーツ・キングズ・ハート)】ね」


アナベルはステータスが150%跳ね上がるのを感じ、獰猛な笑みを浮かべて犬歯を覗かせた。


「船長が俺たちを呼んでいる」ポールがサーベルを抜き放ちながら唸った。彼は巨大な巨獣の群れへと振り返った。「準備しろ! 地獄へ降りるぞ!」


モンスターたちは一斉に咆哮し、空飛ぶ船からダイブする準備を整えた。

ただ一人、突撃に加わらない影があった。魔導機関のフクロウ、サイラスがメインデッキの中央へと足を引きずりながら歩み出たのだ。


「行け」猛禽類はサイバネティック・メガネを直しながら金属音混じりの声で言った。「俺はここに残る」


ポールは驚いて振り返った。「サイラス? 下へ降りて戦わないのか?」


「俺の『知力100』の予測では、俺が肉体的に下へ降りても足手まといになるだけだ」サイボーグは冷静に答えた。「だがこの上空からなら、俺は船長の『目』になれる。行け。俺が援護射撃の陣を敷く」


それ以上は何も言わず、サイラスは船の核(ナヴァル・コア)の開いたハッチへと向き直った。機関室の中央では、『永久の火山石』が無限の熱エネルギーで脈打っている。

サイラスはインベントリから、複雑に絡み合った銅のパイプ、ナノ単位の歯車、そして重厚な黒鉄の非常に長い銃身を取り出した。

誰にもそれが何であるかは告げず、彼は外科手術のような精密さで機械の腕から伸びるケーブルを伝説の石へと直接接続し、その謎めいた機械と船の輝く心臓部をリンクさせた。

その武器――致死的な『魔導スナイパーライフル』は、甲高いハム音を発し始め、計り知れないエネルギーを蓄積し始めた。


◇ ◇ ◇


何千メートルも下では、半分水没したアイギス要塞の中庭はもはや監獄ではなかった。世界の終わりだった。

二頭の兄弟が互いに殺し合っていた。黄金のイージスを纏った最高司令官『青虎』の大剣と、憎悪に燃え謎めいたレベル122の力で強化された『緑虎』の残忍で野蛮な打撃が激突する。

一撃ごとに要塞の壁を崩壊させるほどの衝撃波が発生し、塩水の間欠泉を空へと巻き上げていた。

彼らの周囲は全面戦争だった。脱獄した海賊たちが血みどろの接近戦で何千人もの海兵たちを釘付けにしており、軍の規律と犯罪者たちの絶望がぶつかり合う血と泥の海と化していた。


しかし、その耳をつんざくようなカオスの真っただ中に、奇妙なほど静まり返った一画があった。

「絶対的な死」のゾーンだ。

『厄災の獅子』アーサーが、足首まで水に浸かりながらゆっくりと規則正しい歩調で歩いていた。豪華な真紅のコートが水面を撫で、豊かな黄金のたてがみが血の匂いのする風に揺れている。

彼は武器を抜いていなかった。巨大な両手は背中の後ろで組まれたままだ。

にもかかわらず、彼が通り過ぎた場所で生き残る者は誰一人としていなかった。

イージスで強化された海兵の小隊が、側面から彼に突撃しようとした。しかし、アーサーから「半径5メートル」の目に見えない境界線を越えた瞬間、彼らの皮膚は瞬時にしなびてミイラ化し、1000分の1秒のうちに生命エネルギーを最後の一滴まで吸い尽くされたのだ。

奪われたエネルギーは赤い蒸気となってアーサーの鼻孔へと直接流れ込み、彼はそれを深く吸い込んだ。


地上1階の引き裂かれた巨大な鋼の扉の影から、レオンが外へと姿を現した。

彼の隣にはアリック、影を刈る鴉、5人の海兵の人質、そして両刃の斧を肩に担いだソーン ”災厄” の威圧的な巨体があった。


海賊王の犬の瞳は、即座にその光景を捉えた。

アーサーに近づいた兵士たちの体が瞬時に干からびていくのが見える。彼の戦術的な頭脳が超人的なスピードで回転した。生命エッセンスの吸収など、『原初の獣』のスキルではない。それは異常(アノマリー)ステータスの融合から生まれた絶対的な力だ。

名簿から欠けていた「8人目の転生した魂」は、すでに死んでいた。アーサーが先に見つけ出し、吸収してしまったのだ。


まさにその瞬間、獅子の捕食者としての感覚が反応した。

アーサーがゆっくりと振り返る。その黄金の瞳が、傷だらけの巨大なネズミの獣人を即座に捉えた。


「ようやく見つけたぞ」アーサーは雨音と剣戟の音をかき消す深い声で唸った。「有名な『災厄』のソーンだな」


しかしその後、彼の視線はソーンの隣に立つ生物へと移った。

獅子は瞬きをし、それから腹の底から残酷な大爆笑を爆発させた。


「おいおい、誰がいるかと思えば!」アーサーはレオンに爪を向けて冷笑した。「『エレファントな犬人』もここに来てたのか! ハハハハ! クソッ、酒場で会った時より随分とデカくなりやがったな……だからあの手配書で『象(エレファント)』なんて呼ばれてたのか!」


レオンの額の血管が危険なほどビキビキと脈打ち始めた。海軍が印刷したあのスペルミスの記憶は、彼にとって極めて敏感な逆鱗だった。


「あの平和な島でお前を殺し損ねたとは思わなかったぜ」アーサーは金色のたてがみを揺らしながら続けた。「どうりで俺がお前のステータスを手に入れられなかったわけだ……お前を殺し切れていなかったからな」


ソーンは肩に担いでいた巨大な両刃の斧を滑り落とし、水浸しの床に鈍い音を立てて突き立てた。彼は困惑と嫌悪の入り混じった表情でアーサーを睨みつけた。


「てめえが何の話をしているのかサッパリ分からねえな、デカい猫ちゃんよ」ソーンは武器の柄を握りしめて鼻を鳴らした。それからレオンの方を向き、獰猛な笑みを浮かべた。「このマヌケはお前に任せるぜ、レオン。俺にはあの青虎と片付けなきゃならねえ古い貸しがあるんでな」


アーサーには一瞥もくれず、『災厄』は前方にダッシュし、海賊王と獅子を完全に無視して中央バルコニーへと向かって頭から突撃していった。

アーサーは拳を握りしめ、苛立ちで金色のたてがみを逆立てた。


「無礼なケダモノめ」


アーサーはシューッと息を吐き、その瞳に飢えた真紅の光を灯した。獅子は両腕を広げ、その新しい力を解き放つ。


【 スキル発動:絶対生命吸収(アブソリュート・バイタル・アブソープション) 】


アーサーの周囲の空気が爆発した。

純粋な死で脈打つ濃密な緋色の霧が放射状に広がり、瞬時に半径5メートルを覆い尽くした。

その雲がレオンたちのグループを真正面から飲み込む。

服従させられていた5人の海兵は、声を上げる暇すらなかった。彼らの肉体は1ミリ秒で萎縮し、鎧が空っぽの抜け殻を包んだまま地面へと崩れ落ちた。


アーサーは残酷に微笑み、ソーンが灰となって崩れ落ち、レオンが地面に倒れ込むのを期待した。

だが、その笑みは彼の牙の上で凍りついた。

緋色の霧は全力疾走中のソーンを包み込んだ。しかし、ネズミは1ミリたりとも減速しなかったのだ。


【 異常(アノマリー)が弾かれました:『覇権(ヘゲモニー)』を検知。対象の野心がスキルの有効性を上書きしました。 】


ソーンの覇権はあまりにも強大であり、死の霧はチタンの壁にぶつかった煙のように彼の毛皮から滑り落ちていった。

そしてレオンは?

致死の雲が彼を真正面から直撃した。だが、青いインターフェースが澄んだ音を鳴らす。


【 生命力攻撃を検知。 】

【 パッシブスキル「不朽の肉体(インコラプティブル・ボディ)」が発動。完全かつ絶対的な免疫が付与されました。 】


レオンは元いた場所にそのまま立っていた。

彼の隣では、アリックも無傷で浮かんでいた。肉体を持たない幽霊であるため、霧は彼のエーテル体を何の効果もなくすり抜けただけだった。

しかし――緋色の霧は【影を刈る鴉(シャドウ・リーパー・レイヴン)】を包み込みつつあった。その致死のオーラに触れ、羽が乾燥して抜け落ち始めたことで、羽の生えた悪魔が苦しげな鳴き声を上げた。


「おいおい、そいつはやめておけ!」レオンが咆哮した。


バフによって倍増した1245ポイントという怪物的な基本速度(SPD)を引き出し、レオンは視覚的に存在しなくなった。

彼は黒い残像と化し、巨大なカラスの片足を掴んだ。


「【天空の支配(スカイ・ドミニオン)】!」


青いマナの円盤がブーツの下で爆発し、モンスターの重量を完全に無効化する。タイタンのような引き上げと共に、レオンは鳥を力任せに上空へと投げ飛ばし、致死スキルの効果範囲から引き剥がして安全な空へと送り出した。


アーサーは激怒して目を大きく見開いた。彼の絶対的な攻撃が、すべての戦線で失敗したのだ。

レオンは中庭の浅い水の上にふわりと着地し、海兵たちの空っぽの鎧を見下ろした。


「せっかく俺が勧誘したばかりだったのによ、クソ野郎」レオンは唸った。彼は【暗黒の短剣】を抜き放ち、左腕の【伝説の盾】を輝かせた。「俺の家族に指一本でも触れようとした罪で……そのたてがみを俺の歯で全部食いちぎってやる」


アーサーは大声で笑い出した。「ハハハ! 護衛を失ったばかりの小犬にしちゃ、随分と威勢のいい言葉じゃねえか。俺のこの手で八つ裂きにしてやるよ」


獅子は、血に飢えた300人の傭兵軍団を呼び寄せるために振り返った。

しかし――振り返った彼の喉の奥で、笑い声が死に絶えた。

彼を援護する準備を整えた傭兵などそこにはいなかった。

空から、モンスターが雨のように降り注いでいたのだ。


海賊王のクルー全員が、戦場へと墜落してきた。

最前線では、ポールとアナベルが壊滅的な合体技――1秒でファランクス全体を焼き尽くす猛烈な『電撃火球の嵐』で敵の大半を突破した。

その後ろからの衝撃は、まさに黙示録だった。

荘厳な【天空のドラゴン】が『星の光のブレス』と『マナの嵐』を放ち、『クリスタルの鱗』であらゆる攻撃を弾き返す。

『貫通不可能な鱗』で装甲化された【キング・トリトン】は、『水流操作』と『電撃の三叉槍』の致死的な一閃で何十人もの傭兵をなぎ払った。

空からは【地獄の熾天使(インフェルナル・セラフ)】が巨大な『悪魔の翼』を羽ばたかせて破壊的な『濃縮暗黒光線』を撃ち込み、【霊霧の覇王】が敵の隊列を『霊霧』で包み込んで、『霊体の大鎌』による致死の『魂刈りの呪い』で魂を刈り取っていく。

3体の【魔王】が破壊的な『黒魔術』の川を解き放ち、その後ろでは『ベヒーモスの激怒』に身を任せた怪物的な【鉄茨のベヒーモス】が、『暗黒の炎』を纏った斧を振るって中庭を揺るがした。

中央を支配していたのは『黒ダイヤの鱗』に守られた【原初の火山ヒドラ】で、『三つの頭』から致死的な『マグマ吐き』で溶岩の川を解き放っている。

その周囲では、10体の【始祖の火山蜂】が『原初の飛行』を使って敵の鎧を『火山の毒針』と『マグマ吐き』の雨で蜂の巣にしていた。

地上では、2体の【マストドン捕食キノコ】が巨大な『菌糸の力』で敵を押し潰し、動きを封じる『麻痺胞子』と仲間への『回復胞子』をばら撒いている。

3体の【悪魔のグール】が『超音速飛行』で上空から急降下し、『空中掴み』で敵を攫っては『酸吐き』で武器ごと溶かしていく。

破壊を仕上げるように、『血の渇望』に突き動かされた3体の【深淵のオーク】が『海の水』の致死的な水圧で小隊ごと吹き飛ばし、『巨像の鎧』で無敵を誇る2体の【巨大な双子ドワーフ】が『完璧な致死連携』で全員を粉砕し、4体の巨大な【装甲ガニ】が恐るべき『粉砕のハサミ』で歩兵も大砲も一緒に押し潰しながら前進していた。


アーサーの傭兵軍団は全滅こそ免れていたものの、レベル100のモンスターたちの黙示録に圧倒され、瞬時に押し潰されて深刻な窮地に陥っていた。

エリート部隊が相手の巨獣にかすり傷一つつけられず、あらゆるセクターで残酷に間引かれて後退していくのを目の当たりにし、アーサーは目を大きく見開き、苦々しい苛立ちに拳を握りしめた。


レオンはその光景を見渡し、鼻面に無慈悲で止められない笑みを浮かべた。

彼は獅子の方へと向き直った。


「そして、お前が成功することは絶対にないぜ」海賊王は静かに囁いた。

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