↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/84

第79話:大津波を呼ぶ『厄災の獅子』と最高司令官の激突!〜レベル120超えの双子の虎が殺し合う地獄の戦場に、ついに海賊王が降り立つ〜

何千メートルもの上空、白い雲の海に隠された魔導海賊弩級戦艦(マギテック・パイレーツ・ドレッドノート)は、張り詰めた沈黙の中で浮かんでいた。

戦艦の手すりから、ポール、アナベル、そしてサイラスの3人は眼下を見下ろし、今にも爆発しそうな火薬庫と化した『アイギス・バスティオン(盾の要塞)』を観察していた。


サイラスは足を引きずりながら前へと進み、巨大な金属製のケースを引きずり出すと、その中から怪物的な『魔導スナイパーライフル』を取り出した。

それを船の火山コアにケーブルで直接接続し、照準を真下へと向ける。


「論理的に考えれば、今は待つべきだ」フクロウはしゃがれた声で言った。「下の状況は、間もなく最悪の形で崩壊する。奴らに同士討ちをさせておけ」


何千メートルも下では、アイギス要塞の地上1階の重厚な鋼鉄の門が蝶番(ちょうつがい)ごと吹き飛び、至近距離から一斉射撃を浴びた古い難破船の船体のように引き裂かれ、えぐり取られていた。

その煙を上げるクレーターから、文字通り「犯罪者の津波」が外へとあふれ出した。


サイの獣人とクロコダイル船長が、何千人もの暗殺者、獣、そして脱獄した海賊たちを率いて、海軍の第一防衛線を圧倒したのだ。

それは正面からの大虐殺だった。

何ヶ月もの拷問と鎖によって理性を失った囚人たちは、素手でエリート歩兵部隊に飛びかかり、武器や盾を奪い取って、完璧だった軍の陣形を血の海へと変えていった。

周囲の城壁からは海軍の将軍たちが制圧射撃を命じ、巨大な攻城バリスタと魔導カノンが中庭に火の雨を降らせ、何十人もの脱獄囚をなぎ倒してその前進を鈍らせた。


しかし、海軍が状況の主導権を取り戻す前に、要塞の背後の海が狂い始めた。

アーサーが射程圏内に入ったのだ。

中に閉じ込められている有名な『災厄(ザ・スカージ)』こそが次に吸収すべき人間ではないかと疑っていた獅子は、待つ気など毛頭なかった。

彼は両腕を広げ、その黄金の瞳を微かな緋色の光で輝かせた。

彼自身にも、これから何が起こるかを完全にコントロールすることはできない。彼のステータス「100」は、ランダムであると同時に強大な力であり、世界の確率を最悪の方向へと捻じ曲げる真の自然災害だった。

アーサーは鼻を鳴らし、今回はどんな破壊的な形でそれが現れるのかと好奇心を抱いた。


【 スキル発動:厄災の共鳴(カラミティ・レゾナンス) 】


数瞬の間、何も起こらなかった。

その後、ガレオン船の背後の海が不自然に波立ち始めた。空気が突然湿り気を帯びて重くなり、静電気で飽和する。

不気味な死の静寂の中、海面が突如として後退し、何百メートルにもわたって岩だらけの海底が剥き出しになった。


そして――それが解き放たれた。


想像を絶する規模の大津波。高さ数十メートルにも及ぶ水の壁が深淵から隆起し、前代未聞の暴力で本部の巨大な城壁に激突したのだ。

海軍の攻城防衛設備、監視塔、重砲、そして魔導カノンは文字通り1秒で粉砕され、一掃された。何トンもの泡、宙を舞う哨戒艇、そして瓦礫の下で、沿岸防衛線は完全に打ち砕かれた。


塩水が監獄の中庭を水没させ、致死的な大渦の中で何百人もの海兵と脱獄囚をなぎ倒していく。

引いていく泡立つ波の中から、血のように赤いガレオン船が破壊された城壁の突破口へと直接乗り上げてきた。300人の冷酷な傭兵たちが咆哮を上げながら上陸し、生き残った者たちを八つ裂きにする準備を整える。


アーサーは濡れた石畳の上に足を踏み入れた。

獅子は周囲で吹き荒れる戦争など完全に無視し、丸腰のまま水浸しの中庭を悠然と歩いていく。彼と視線が合った弱い兵士たちは、その純粋な力のオーラだけで生存本能を押し潰された。

彼が探しているのは、この監獄で最も強い獲物だけだ。


「ソーンはどこだ?」


アーサーは唸り、冷酷な傲慢さに満ちたその深い声が、水没した中庭全体に響き渡った。


「今すぐソーンを俺の前に出せ!」


中央要塞のメインバルコニーの上から、ある威圧的な人物がその惨状を見下ろしていた。

海軍最高司令官、マストドン級の『青虎の獣人(ブルー・タイガー)』(レベル125)が、鋼の大剣の柄を強く握りしめていた。

彼の最高セキュリティ監獄は穴だらけのザルと化し、部下たちは脱獄囚に虐殺され、そして今、アーサーの強襲によって外郭防衛線が消し飛ばされ、彼の帝国の心臓部が水没させられたのだ。


青虎の瞳が、絶対的な軍事的狂信で輝いた。

海賊どもの打撃の下で、正義の最高象徴が崩れ去るのを許すわけにはいかない。

最高司令官はバルコニーの端へと歩み出て、巨大な武器を空へと高く掲げた。青と黄金の光の柱が彼の体から噴出し、煙の毛布を突き抜けて戦場全体へと放射される。


「海軍はクズどもには屈しない!」


青虎は雷鳴のように叫んだ。軍事オーラによって増幅されたその声は、要塞の基礎を揺るがし、海岸の隅々にまで反響した。


「【海軍支配の盾(イージス・オブ・ネイバル・ドミニオン)】!!」


その効果は瞬時であり、まさに黙示録的だった。

巨大な黄金のオーラが要塞全体を吹き抜けた。まだ生き残っていたすべての海軍兵士が、怪物的なバフを受けたのだ。

彼らの傷からは血が止まり、鎧は揺るぎない保護エネルギーで輝き、その怪力と耐久力は倍増して、恐怖を止められない狂信へと変えた。


生物学的限界を遥かに超えて活力を取り戻した海兵たちは、隊列を組み直し、水没した中庭にブーツを踏ん張った。

ほんの一瞬前まで壊滅したかに見えた軍隊が一斉に咆哮を上げ、脱獄した犯罪者の群れを暴力的に押し返し、アーサーの新鮮な傭兵部隊に向かって頭から突撃を開始したのだ。


まさにその瞬間、広場の中央にある煙を上げるクレーターから、エメラルド色の毛皮を持つマストドン級の巨躯が姿を現した。

脱獄したばかりの『緑虎の獣人(グリーン・タイガー)』(レベル122)が、バルコニーを見上げた。

黄金のイージスの輝きに包まれた青虎と視線が交差した瞬間、先祖返りしたかのような激しい憎悪が彼の鼻面を歪めた。


上から、最高司令官は氷のような冷酷さで彼を見下ろした。


「檻から抜け出したか、兄弟……」司令官の声には、凍りつくような不信感が滲んでいた。「一体誰が貴様を外へ出した?」


「兄弟と呼ぶな、このクソ操り人形が!」


緑の虎が応えて咆哮した。息が詰まるようなオーラを膨張させ、エメラルドの巨獣は超人的な跳躍を見せ、司令官を真っ二つにかち割るべくバルコニーに向かって頭から突っ込んだ。


バルコニーの上で、最高司令官は氷の視線を崩さなかった。

彼は1ミリたりとも後退することなく、大剣で緑の虎の壊滅的な一撃を受け止め、要塞全体を大きく震わせた。


「貴様は本当に『欠陥品』として生まれてきたのだな」青虎は、どこか神聖さすら漂わせる失望の口調で呟いた。「我々の『父上』の言う通りだった。この海から悪を浄化するのを手伝うどころか、私を……自分自身の双子の兄弟を殺そうとするとはな」


緑の虎は唸り、牙が相手の顔からわずか数センチのところに迫るほど、タイタンのような怪力のすべてを込めて司令官の刃を押し返した。


「俺は『あんな化け物』を父親だとも思っちゃいないし、てめえを兄弟だとも思っちゃいねえ!」エメラルドの巨獣は唾を飛ばし、激しい憎悪に目を燃やした。「俺たちは家族なんかじゃねえ! 奴のためにこの世界を檻の中に閉じ込めておくという目的のためだけに作られた、ただのクソったれな生体人形、実験体に過ぎないんだ! てめえは自分の『正義』とやらに目が眩んで、自分を引っ張っている糸が見えていないだけだ!」


青虎は目を細めた。イージスの黄金のオーラが激しく燃え上がり、兄弟を暴力的に弾き飛ばして下の瓦礫の上へと重々しく叩き落とした。


「正義には秩序が必要だ。我らが創造主の光が見えないというのなら……私が貴様の光を消してやろう」


本当の戦争が、たった今爆発した。

そして地下のクレーターの深淵から、5人の海兵、アリック、影を刈る鴉、そして『災厄』のソーンを従え、ついに【海賊王】が戦場へと足を踏み入れようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。