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第78話:海水を沸騰させて戦艦が『空』を飛ぶ!?〜雲の上の要塞と化したドレッドノートの眼下に、宿敵『厄災の獅子』の艦隊が現れる〜

火山岩の壁が完全に密閉される鈍い轟音が、墓石が閉じる音のように深淵に響き渡った。

水深500メートルでは、巨大な魔導海賊弩級戦艦(マギテック・パイレーツ・ドレッドノート)が、サイラスのシステムが生み出す空気のドームだけに守られながら、漆黒の海の中をゆっくりと後退していた。


指揮甲板では、息が詰まるほどの緊張が漂っていた。

ポールは行ったり来たりと歩き回り、その尻尾は神経質で不規則な痙攣のように空気を鞭打っていた。


「俺たちは彼らをあそこに残してきてしまった」猫の獣人はサーベルの柄を強く握りしめながら呟いた。「船長と、アリックと、カラス……自分たちからクソみたいなネズミ捕りの中に閉じ込められちまったんだ」


「船長には計画があるわ。それに、この世界の論理を無視するほどの『運』もね」アナベルは鱗に覆われた腕を組みながら答えた。落ち着いた口調とは裏腹に、その縦長の瞳孔には深い不安が浮かんでいた。「今の私たちの最優先事項は、彼を待っている間に沈められないことよ」


「極めて正確な分析だ、アナベル」


操舵輪から、サイラスの金属的なしゃがれ声が響いた。

魔導機関のフクロウのサイバネティック・アイが狂ったように回転し、インターフェースを警戒の赤色に染めている。


「特に今、俺たちはもっと差し迫った問題に対処しなければならないからな。圧力センサーが異常な動きを検知している。海軍の潜水パトロール部隊が俺たちの座標へと集結しつつあるんだ。ここに留まれば、水圧ごと押し潰されるぞ」


ポールの黄色い目が大きく見開かれた。「ドームを崩壊させずに、どうやって水中を本拠地にする魚人の軍隊から逃げるっていうんだ!?」


「うちのクルーの海獣たちなら、奴らを食い止められるんじゃないかしら」アナベルは魔法の障壁の向こうの暗闇に向かって唸り声を上げているトリトン、深淵のオーク、そして装甲ガニたちを見ながら提案した。


「完全に非論理的だ」サイラスは彼女の言葉を遮り、鋼の指でエンジンの真鍮のダイヤルを猛烈な勢いで操作した。「本格的な水中戦になれば、バリアの発生装置が損傷する。もしこのドームが崩壊すれば、この深度の水圧によって『エラを持たない者』は全員即死する。つまり、海獣以外のクルー全員だ。俺たちは逃げなければならない」


フクロウは冷静さを失わなかった。流れるような動作で、彼は『永久の火山石』が絶え間なく脈打つ魔導リアクターのメインロックを解除した。

コアから放射される熱が、突如として息苦しいほどに跳ね上がる。


「熱力学の原理を応用する」サイラスは金属のくちばしの下で鋭い笑みを浮かべながら続けた。「『三層構造』のエネルギーシステムを構築する。最も内側のドームは、俺たちが呼吸するための酸素を保持する。二番目の真ん中のドームは、断熱シールドとして機能する。そして最後に、海と直接接触する三番目の最も外側のドームの内部に、火山石の無限の熱エネルギーを直接注入するんだ。海水を恒星並みの温度まで超加熱する。水は瞬時に気化するぞ」


ポールの尻尾がピタリと止まった。全身の毛が逆立つ。


「お前、水中で三層構造の『熱気球』を作る気か!? 俺たちの周りの海を沸騰させるってのか!?」


「船長は俺に、この船を『飛ばせ』と命じたんだ、ポール。そして俺はそれを実行するつもりだ」サイラスはくちばしの下で不敵に笑った。「蒸気の熱膨張と、密度の差によって生み出される莫大な浮力が、俺たちを弾丸のように海面へと打ち上げる。衝撃に備えろ」


異論を挟む隙を与えず、サイラスはメインレバーを引き下ろした。

ドレッドノートのコアが耳をつんざくような轟音と共に爆発した。船の周囲の海がジュウジュウと音を立てる。

わずか1ミリ秒のうちに、何百万ガロンもの凍てつく海水が超高圧の蒸気へと変換され、沸騰する泡の台風となって敵の先遣部隊を一瞬で吹き飛ばした。


そして――船が発射された。


それは通常の浮上ではなかった。弾道ミサイルの発射だった。

怪物的な上昇推力を利用し、マストドン級の黒い戦艦は恐るべきスピードで真上へと打ち上げられた。

あまりのG(重力加速度)の凄まじさに、ポールとアナベルは甲板の木の板に張り付けにされた。モンスタークルー全員も同じ運命を辿った。自分自身の何トンもの体重に押し潰され、船上のすべての巨獣たちが鈍い唸り声を上げながら、鱗と鎧が絡み合う塊となって床に文字通り縫い付けられたのだ。

操舵輪でコントロールを維持していたのは、サイラスただ一人だった。


ズドォォォォォン!!


ドレッドノートは蒸気の黙示録的な爆発と共に海面を突き破った。

タイタンのような慣性に突き動かされ、船は文字通り空を切り裂き、空飛ぶリヴァイアサンのように最初の雲の層を突き抜けた。

推進力が弱まり始めると、サイラスは見事な手際で出力を調整し、三番目の外側のドーム内の熱気を安定させた。

船は上昇を止め、海面から何マイルも上空の、朝の空に魔法のようにぷかりと浮かんで静止した。


甲板にかかっていた重圧が消え去った。

ポールは咳き込みながらなんとか立ち上がり、アナベルに続いてよろめきながら手すりへと歩み寄った。


「呪われた深淵にかけて……」猫の獣人は息を切らしながら欄干から身を乗り出した。彼らの眼下には、真っ白な雲の海が広がっていた。


サイラスはその打ち上げにも全く動じた様子を見せず、サイバネティック・メガネの位置を直した。


「船長は俺たちに、安全な隠れ場所を見つけろと命じた」フクロウは竜骨の下に広がる雲海を指差してしゃがれた声で言った。「海底はパトロールによって危険に晒された。だがこの上、雲の絨毯の上なら、海軍のレーダーにもアーサーの艦隊にも俺たちの姿は見えない。俺たちはレオンに言われた通りの場所にいる――『空』に隠れているんだ」


雲の切れ間から、眼下に『アイギス・バスティオン(盾の要塞)』がはっきりと見えた。

威圧的な海軍の要塞は、まだ見かけ上の静けさに包まれていた。外壁は無傷のままであり、地下階層から今まさに噴き出そうとしている地獄にまだ気づいていないようだった。

だが、ポールの血を凍らせたのは監獄ではなかった。


彼の視線は、沖合でのある動きに釘付けになった。

朝霧の中から、刃のように鋭く、3隻の巨大な真紅のガレオン船が姿を現したのだ。

旗艦の船首には、豪華なコートに身を包み、黄金のたてがみを風になびかせる紛れもない人物が立っていた。

『厄災の獅子』アーサーだ。


体を支えるために持っていた木のジョッキが、ポールの爪の中で粉々に砕け散った。

純粋で消えることのない憎悪に満ちた、腹の底からの低い唸り声が【精鋭戦士(エリート・ウォリアー)】の胸の内で響き渡った。黄色い目が血走る。

あいつこそが、かつての仲間たちを虐殺した男。自分の前の人生を破壊したバケモノだ。


「アーサー……ッ!」


ポールはシューッと息を吐き、電光石火の動きでサーベルを抜いた。刃が即座に青い稲妻の嵐となって爆発する。

彼は目を血走らせて欄干へと向き直り、虚空へと飛び降りるために脚を曲げた。「俺の素手で、あいつを八つ裂きにしてやる!」


ガキィィィン!


真紅の閃光が甲板を照らした。

アナベルが彼の真ん前に立ち塞がり、燃え盛る双短剣を猫の電撃の刃と交差させて彼の跳躍をブロックしたのだ。リザードマンの少女は、絶対的で揺るぎない決意の表情で彼を睨みつけた。


「どけ、アンナ」ポールは牙を剥き出しにして唸った。


「船長の命令を破る気なの!?」アナベルは彼の刃を強く押し返しながら言い返した。「レオンははっきりと『距離を取って軽率な動きはするな』って言ったわ! 勝手な真似は許さないわよ、ポール。その武器を下ろしなさい」


「あいつは俺の昔のクルーを皆殺しにしたんだぞ!」猫の獣人は目に涙を浮かべて叫んだ。


「今は私たちがあなたのクルーよ!」アナベルの言葉に、ポールはたじろいだ。「だからこそ、私はあなたを止めてるの! 今正面から奴らに挑んでも、勝ち目なんて万に一つもないわ。今は船長を救い出すことだけに集中して、次の命令を待つしかないのよ」


「統計的に言って、アナベルの言う通りだ」冷たい金属的な声が割り込んだ。


サイラスが足を引きずりながら階段を降りてきて、二人の士官の間に割って入った。魔導機関のフクロウはサイバネティック・メガネを直し、100ポイントの知力(INT)がもたらす計算高い冷徹さでポールを見つめた。


「お前は感情に目が眩んでいるぞ、ポール。論理を使え」サイラスは眼下の虚空を指差して言った。「あの3隻のガレオン船を見ろ。俺の推測では、少なくとも300人のエリート兵が乗っているはずだ。それにアーサーはクルージングに来たわけじゃない。ソーンの処刑が公開イベントであることを考えれば、奴は海軍を襲撃してソーンを拉致するつもりだ」


サイラスは一歩前に出て、鋼の指で猫の胸をトントンと突いた。


「レオンはあの呪われた監獄の中にいるんだ」フクロウは容赦なく続けた。「もしお前が今あそこへ飛び降りれば、カンストした『厄災』を持つレベル100の異常(アノマリー)と、軍隊丸ごと一つを同時に相手にしなければならない。もっと分かりやすい言葉で言ってやろうか、ポール。お前が奴にかすり傷一つでもつけられる確率は、0.001パーセントだ」


フクロウは視線を落とし、生身の手で自身の機械の腕の分厚い鋼の関節を撫でた。


「なぜ俺の体の半分が機械(ロボット)になっているか分かるか、ポール?」サイラスは普段見せないほどの激しい恨みを滲ませた声で言い、猫を黙らせた。「アーサーが俺を殺しかけたからだ。俺は奴を、この世の何よりも憎んでいる。だが、すでにレオンと話し合った通り、奴は将来俺たちにとって利用価値があるかもしれない。だから軽率な動きはするな。もし正面突撃でこの船を失えば、俺たちは船長に死刑宣告を下すことになるんだぞ」


その生々しい論理とサイラスの告白は、氷水のようにポールを打った。

猫の獣人は眼下の海を見て、それからアナベルを見て、ついに武器を下ろした。刃のスパークが消え、ポールは甲板に膝をつき、絶望的な拳を木の床に叩きつけた。


「じゃあ、一体どうしろっていうんだ!?」ポールは自身の無力さに苛立ちながら唸った。「ただここに隠れて、指をくわえて見てろってのか!?」


サイラスは雲の中に浮かぶ戦艦の手すりにもたれかかり、金属のくちばしの下で鋭い笑みを浮かべた。


「いいや」魔導機関のフクロウは生身の腕とサイバネティックな腕を組みながら答えた。「俺たちは『空』にいるんだ、ポール。絶対的な戦術的優位を握っているのは俺たちだ。俺たちの誰一人として死ぬリスクを冒さず、ガレオン船を破壊されることもなく、船長が地上に出てきた瞬間に上空から援護射撃を行うアイデアがある。だが今は、絶対に冷静さを保て……そして、アーサーの次の一手が何なのかを見極めることに集中するんだ」

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