第66話:新指名手配書で「エレガント」じゃなく「エレファントな犬人」呼ばわり!?海軍への激怒の中、もう一人の転生者『神出鬼没のヤマネコ』が襲来する!
魔導海賊弩級戦艦が、泡と蒸気の轟音と共に海面へと浮上し、起源の航路の暗い波を切り裂いた。
サイラスの魔導システムが生み出す空気のドームに包まれ、深海の底を安全に長距離航行した後、この巨大な黒い戦艦はついに太陽の光の下へと帰還したのだ。
指揮甲板には、海賊王へと進化を遂げ、今や身長2.5メートルを超えるタイタンのような巨躯となったレオンが、落ち着き払ってそびえ立っていた。
突然、澄み切った空気を切り裂くような鋭い口笛が響いた。
空飛ぶ配達員、使い古された制服を着た鷹の獣人が、大きな革の鞄を抱えながら器用に船の手すりに滑空してきたのだ。
「南海ガゼット! 号外だよ!」
鳥は羊皮紙の巻物を振り回しながら甲高い声で鳴いた。
「いつもの銀貨2枚だ、犬っころ! 急いでくれ、暗くなる前にあと100隻も回らなきゃならないんだ!」
自分が初めて新聞に大々的に載った時のことを鮮明に覚えていたレオンは、期待に満ちた笑顔を浮かべながら銀貨2枚を取り出し、配達員に投げた。
猛禽類はそれを空中でキャッチし、再び空へと飛び去っていった。
魔法の羊皮紙を広げると、そこには起源の航路のエリートたちの最新の指名手配書ボードが掲載されていた。
太い黒インクで印刷された数字は、どれも驚異的なものだった。ランキングのトップに君臨する冷酷な獅子の顔は、その致死性を微塵も疑わせない。
【 指名手配:アーサー ”野獣” - 懸賞金:40万ゴールドコイン 】
そのすぐ下には、今まさにレオンの船の船倉でいじくり回している、サイバネティックな異常の顔があった。
【 指名手配:サイラス ”魔導機関のフクロウ(マギテック・オウル)” - 懸賞金:18万ゴールドコイン 】
船長がページに目を走らせると、刃のように鋭い視線を持つヤマネコが目に留まった。
【 指名手配:ヴェイン ”神出鬼没” - 懸賞金:25万ゴールドコイン 】
そして、レオンの目はこれまで見たこともない新しい顔に釘付けになった。
その絵には、無数の傷が交差する鼻面、狂気に満ちた表情、そして肩に巨大な双刃の斧を担いだタイタンのようなネズミの獣人が描かれていた。
【 指名手配:ソーン ”災厄” - 懸賞金:20万ゴールドコイン 】
「20万か……キノコみたいにポコポコ湧いてきやがる」
レオンは呟いた。だが彼の目はただ一つのものを探していた。
最後のページをめくり、自分の肖像画を見つける。
大きな驚きと共に、海軍が印刷した画像はまだ古いものだった。身長約180センチほどの、以前の「普通の」海賊船長の体格で描かれている。
これは、世界政府が彼が海賊王へと怪物的な進化を遂げたことに関する最新の諜報情報を持っていないことの明白な証拠だった。
懸賞金の額は、彼を大いに満足させた。20万ゴールドコイン。新しいネズミの獣人と全く同じ額だ。
しかし、その肖像画の下に太字で印刷されていた名前が、甲板に絶対的な大混乱を巻き起こした。
【 指名手配:レオン ”エレファントな犬人” - 懸賞金:20万ゴールドコイン 】
レオンは瞬きをした。その行をもう一度読み直す。
こめかみの血管が危険なほどピクピクと脈打ち始めた。
「一体どういうことだ……?」
船長は羊皮紙がくしゃくしゃになるほど強く握りしめながら唸った。
「エレファント!? 俺はあの海軍のペンギンに、はっきりと『エレガントな犬人』と呼べって言ったんだぞ! スペルミスしやがったな、あの無能なバカどもめ!」
ポールがレオンの肩越しから覗き込んで読んだ。
猫は手配書の小さな肖像画を見て、それからゆっくりと視線を上げ、現在の船長のタイタンのように巨大で恐ろしい体躯を見つめた。戦士の鼻面に、ずる賢い笑みが忍び寄る。
「えっと、船長……」
ポールは腕を組みながらコメントした。
「正直なところ、今のあなたがどれほど巨大になったかを見ると……むしろ『象の獣人』の体格と言っても過言じゃないですよ! 奴ら、間違えたフリをして見事に的を射てますね!」
「ブッ……」
アナベルは鱗に覆われた手を口元に当て、必死に笑いを堪えようとしたが、見事に失敗した。
次の瞬間、ポールとアナベルはヒステリックで全く制御不能な爆笑の渦に巻き込まれた。
リザードマンの少女は鱗に覆われたお腹を抱えて文字通り膝から崩れ落ち、ポールは船の甲板を転げ回りながら爆笑し、尻尾を板に打ち付けている。
氷のように冷酷で無表情な霊体の副船長アリックでさえ堪えきれなかった。
彼のエーテルの体が震え、ロープの夜露を凍らせるほどの、幽霊のようで大きく響き渡る純粋な面白さからくる笑い声を漏らしたのだ。
レオンは文字通り怒りで湯気を立てていた。
「全然クソ面白くねえぞ!」
船長は涙を流して笑う士官たちを鋭く睨みつけながら雷鳴のように怒鳴った。
「これは侮辱だ! 俺の王としてのクラスと、俺の否定できないエレガンスに対する完全な敬意の欠如だ!」
レオンがさらに怒鳴り散らす前に、サイラスの魔導センサーが鋭いトリル音を発した。
「レオン」
魔導機関のフクロウはコンソールから船倉の階段を上がりながら話し始めた。
「異常なエネルギー干渉が接近している。魔導レーダーは明白だ。別の転生した人間の霊的シグネチャーだ」
笑い声がピタリと止んだ。
レオンは落ち着きを取り戻し、手配書のことなど完全に忘れ、その視線は刃のように鋭くなった。
「シグナルに向けて船首を向けろ」
数分後、大洋のもやの中から、エレガントで流線型の海賊ガレオン船が姿を現した。
前方甲板に腕を組んで立ち、冷たい視線を放っていたのは、ヤマネコの獣人だった。
それはヴェイン ”神出鬼没”。たった今レオンが25万ゴールドコインの懸賞金の手配書で見たのと、全く同じ顔だった。
レオンの弩級戦艦が敵船に横付けした。海賊王とサイラスは手すりに歩み寄り、血を流す前に理性の道を試みることにした。
「武器をしまえ、子猫ちゃん」
レオンは素手の前足を上げて口火を切った。
「俺たちはお前と全く同じ、転生者だ。そして、俺たちを狂わせているあのクソみたいなモノリスの真実を突き止めた。俺たちは敵じゃない」
ヴェインは冷たく、傲慢な笑い声を上げた。彼の指は、腰に帯びた二本の薄く湾曲した刃の柄を撫でていた。
「真実だと? 俺はあの石碑に書かれていたことしか信じない」
ヤマネコは絶望的な決意に目を輝かせながらシューッと息を吐いた。
「俺は何としても元の世界に帰りたいんだ。そしてモノリスは明確だった。そのためには、お前ら全員が死ななければならない。お前らは俺が家に帰るためのただの障害物に過ぎない! 野郎ども、あのエレファントを攻撃しろ!」
「そのクソみたいな象の話はもうやめろ……」
レオンは唸った。「奴らを叩き潰せ」
最初の戦いは恥ずかしいほど一方的だった。
ヤマネコの獣人の小さな海賊クルーは弩級戦艦に乗り込もうとしたが、レオンの巨獣たちによって残酷に圧倒され、1分も経たないうちに完全にノックアウトされ、武装解除されて血まみれのまま甲板に倒れ伏した。
部下たちの悲惨な失敗を見て、ヴェインは自ら戦場に降り立った。
そしてその瞬間、彼の真の恐るべき力が明らかになった。
ヤマネコの獣人は恐るべきスピードで動いた。
ポールが彼を迎撃するために青い稲妻となって前方へダッシュしたが、彼の刃は文字通りヴェインの体をすり抜け、空気を斬るだけだった。
アナベルが炎の嵐で彼を焼き尽くそうとしたが、ヴェインは蜃気楼のように炎の壁の中を歩き抜けた。
マストドン級のベヒーモスでさえ、甲板を真っ二つにするほどの斧の振り下ろしで彼を押し潰そうとしたが、ヤマネコは無傷のまま、完全に実体のない存在であり続けた。
上の甲板から、サイラスのサイバネティック・アイが狂ったようにブーンと音を立て、すべての変数を計算していた。
「レオン、分かったぞ!」魔導機関のフクロウが叫んだ。
「奴の神出鬼没はパッシブじゃない! 奴の力は、どの対象を無効化するかを『能動的』に選ぶ必要があるんだ。攻撃者から自分の存在を遮断することで直接攻撃に一つずつ対処できるが、奴の集中力には構造的な限界がある!」
レオンは牙を剥き出して笑った。
ヤマネコが個々の攻撃を回避できたのは、彼に集中する精神的余裕があったからだ。
「素晴らしい」
レオンは呟いた。一歩前に出た船長は、【海賊王の鼓動】の恐ろしいオーラを解き放った。深紅の衝撃波がクルー全体を洗い流し、彼らのステータスを150%という驚異的な数値で押し上げた。
レオンは敵の異常の精神を直接屈服させることはできないと分かっていたため、周囲の環境を利用することにした。
海賊王の重力的および精神的オーラが、甲板に倒れているヴェインの敗北した海賊たちを直撃した。レオンがパッシブスキル【船長の絶対権限】を解き放つと、彼らの弱い精神は瞬時に書き換えられた。
「あいつを裏切れ!」
レオンは服従した10人の敵海賊に命じた。
ヤマネコの獣人は、自分の部下たちがぎこちなく立ち上がり、彼を抑え込もうと背後から突撃してくるのを見て目を大きく見開いた。
その正確なミリ秒のタイミングで、レオンは自分の巨獣の軍隊に向けて命令を雷鳴のように響かせた。
「全員で奴を押し潰せ! 今すぐだ!」
それは止まらない雪崩だった。
レオンの最大レベルの巨獣33体全員が、裏切った10人の海賊のしんがりを伴い――総勢40体以上の同時攻撃者が――ヴェインに襲いかかった。
それは致命傷を与えるためではなく、あらゆる逃げ道と3次元空間のすべてのインチを文字通り飽和させるように設計された合同攻撃だった。
ヴェインは必死に力を発動させようとしたが、彼の頭脳は40もの異なる制約を同時に処理することはできなかった。彼の選択的な力はショートした。
衝撃は彼を真正面から捉えた。ヤマネコは地面に投げ出され、甲板に瞬時に彼を固定する巨大な筋肉と装甲の山の下敷きにされた。
レオンはゆっくりとした重い足取りで甲板を横切り、身動きが取れないヤマネコの獣人の前に立ち止まった。
ヴェインは荒い息を吐き、鋭い目を狂ったように動かし、自身の無敵であるはずの力がこれほど簡単かつ狡猾に解体されたショックで麻痺していた。彼は最後の一撃を待った。
しかし、レオンはいかなる武器も抜かなかった。
彼は単に前足を上げ、ヤマネコが息をできる程度に、巨獣たちにその圧倒的な重量を緩めるよう合図しただけだった。
ヴェインは咳き込み、そびえ立つ海賊王を怒りと完全な混乱が入り混じった目で見上げた。
「一体何を待ってやがる!?」
ヴェインは牙を剥き出してシューッと息を吐いた。
「俺の喉を掻き切れよ! モノリスは明確だった……勝って他を殺した者が、元の世界に帰る権利を得るんだ! 俺はただ家に帰りたいだけだ! やれよ!」
レオンはしゃがみ込み、ヤマネコの視線を冷たく揺るぎない犬の目で受け止めた。その目には暗い影が落ちていた。
「もし俺がその偽の石ころの言うことをクソ真面目に信じてたら、お前はとっくに死体になってるぜ、子猫ちゃん」
レオンは低く雷鳴のような声で答えた。
「言っただろ。俺たちは皆、同じクソみたいな罠に掛かってるんだ。あのモノリスを設置し、俺たちを殺し合わせようとした奴と戦うためには、転生者全員の力が必要なんだよ」
船長は拳を握りしめ、後悔の念がその顔を険しくした。
「俺はすでに二度も手を血で染めている。あのクソみたいな嘘を信じて、仲間を二人殺しちまった……それからサイラスに会い、あいつが俺の目を開かせてくれた。俺たちは誰の操り人形でもない」
ヴェインは凍りついた。レオンの言葉には、生々しく痛切な誠実さが込められていた。彼の猫の目はサイラスへと向かった。
魔導機関のフクロウはサイバネティック・メガネを直し、弩級戦艦の手すりの上で一歩前に出た。
「そして、家に帰るという件だが……」
サイラスが口を挟み、その金属的な声は冷たい合理性の重みを帯びていた。
「俺は計算をした。俺たちの世界に戻れる可能性は、99.9%の確率で存在しない、ヴェイン。幻想を抱くのはやめろ。俺たちは元の人生で死んだんだ。俺たちの肉体はもう存在しない。俺たちに残された場所は、ここだけだ」
ヴェインは視線を落とし、その生々しい真実を腹への刺突のように受け止めた。
しかし、その同盟の論理は、彼を食肉処理場の肉のように終わらせようとした者が誰なのかという認識と結びつき、彼の疲れた魂の奥深くで共鳴した。
(もし家に帰れるというモノリスの言葉が本当なら、)ヤマネコは計算した。(この海賊王は、賞品を手に入れるためにためらうことなく俺とあのフクロウをすでに殺していたはずだ。そうしていないという事実こそが、絶対的な証拠だ)
「お前は……」
ヴェインは声を和らげて呟いた。
「もしそれが本当なら、お前は帰還するためにとっくに俺たちを虐殺していたはずだ。本当にお前は、転生者たちと同盟を結ぶつもりなのか……」
「俺たちをチェスの駒みたいに使っている奴の顔面を蹴り飛ばしてやりたいだけだ」
レオンは立ち上がり、倒れているヤマネコに向かって巨大な爪の生えた前足を差し伸べた。
「俺たちは海賊だろ? あのクソみたいな玉座を、奴らの足元から盗み出してやろうぜ。乗るか?」
ヴェインは差し出された前足を長い間見つめていた。
そして、純粋で鋭い笑みが彼の鼻面に広がった。彼は手を伸ばしてレオンのグリップを掴み、立ち上がるために自分を引き上げさせた。
「お前はイカれた野郎だな……エレファント」ヴェインはコートの埃を払いながら笑った。
レオンの額に血管がピクッと浮き出た。「もう一度その名前で呼んでみろ、カニの餌にしてやるからな」
同盟が結ばれ、ヴェインは自身の流線型のガレオン船の方へ向き直り、襟を正した。
「俺は一人で旅をする、犬」
ヴェインは鋭い笑顔を浮かべて言った。
「この同盟は理にかなっているが、俺は俺自身のやり方で、俺自身のスピードで情報を集める。巨獣の軍隊の陰に隠れて旅をする必要はない」
レオンは笑い、巨大な弩級戦艦の手すりによりかかった。
「好きにしろ、子猫ちゃん。ただ、時期が来る前に殺されるなよ。俺たち全員が必要なんだ。起源の航路の果てで会おう……玉座の島でな」
ヴェインは頷いた。彼の船の帆が風をはらみ、船は前方に飛び出して、すぐに大洋の霧の中へと姿を消した。
孤独な航海を再開し、レオンは自分の軍隊にシンプルだが絶対的な命令を下した。海を掃討しろ。
「アリック、エンジン最大出力!」
レオンは牙を見せて捕食者のように微笑みながら命じた。
「残りの奴らはよく聞け。ルートをクリアにしろ。空でも海でも、道中にいるモンスターはすべて排除するんだ。このレベル1の小さな三体の悪魔を、まともなレベルまで引き上げられるか試してみようぜ!」
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