第62話:死んだはずの『魔導機関のフクロウ』と遭遇!?〜日毎に内容が変わる石碑の嘘を見破り、転生者同士の同盟を結成する〜
「おい、お前……」
声は微弱で、機械的で、まるでカラスの鳴き声のようにかすれていた。レオンの背後の鬱蒼としたジャングルの影から響き、波の音に溶け込んでいる。
船長は勢いよく振り返った。怪物的なスピード(SPD)を引き出し、肉球は瞬時に【音無き暗殺者の短剣】の柄にかかり、いつでも一撃を放てるよう身構える。
暗闇に慣れた犬の目が、草むらから足を引きずりながら白い砂浜へとこぼれ出るように現れた人影に焦点を合わせた。
それは野生のモンスターではなかった。
分厚く、すり切れ、焦げ跡のある革のトレンチコートに身を包んだ二足歩行の生物だ。
その鼻面は夜行性の猛禽類のものだったが、彼を特異で不気味なものにしているのはその肉体だった。
片腕全体、胸の一部、そして左目までもが生身ではなく、青い光が微かに脈打ち、蒸気を吹き出す複雑で重厚な金属の義体に置き換えられ、統合されていたのだ。
レオンのインターフェースが光り、侵入者の正体を明らかにした。
【 サイラス - 魔導機関のフクロウ(マギテック・オウル) - レベル100 (MAX) 】
レオンはその数字と彼の外見に驚き、目を細めた。
彼こそが手配書に載っていた男、18万ゴールドコインの価値がある異常だ。だが、彼は海軍が描いていたものとは随分と違う状態にあった。
「手配書とは随分と見た目が違うな」
レオンは短剣の柄から手を離さずにコメントした。「なんだか機械のオモチャみたいだぜ」
サイラスは極度の疲労を見せながら、羽毛に覆われた手と、重厚な魔導鋼でできた手を挙げ――明らかな降伏の意志を示した。
そして、カチャッという金属音と共に腰の巨大な銃器を外し、砂の上に落とした。
「戦いに来たわけじゃない」
サイラスは弱々しく咳き込み、自らのサイボーグの体を指差しながら息を切らした。
「お前の質問に答えるなら……これはライオンの獣人、アーサーの仕業だ。奴は俺の島を完全に焼き尽くし、俺を殺しかけた。俺は奇跡的に生き延びたんだ。だが不運なことに、レベル100に達してしまったせいで、これ以上レベルアップすることができない。レベルが上がらなければ、システムの完全な魔法回復の恩恵も受けられない。だから、死なないため、そしてライオンにズタズタにされた体のパーツを直すために……この世界の技術的な知識を使って、クリエイティブになるしかなかったんだ」
魔導機関のフクロウは、苦々しい笑みを浮かべて鋼の顳顬に触れた。
「知力(INT)100。それが俺の力だ。そして、もしお前が俺の思っている通りの人物なら……俺たちは戦う必要はない」
レオンは硬い姿勢を崩さず、計算高い冷酷さで猛禽類を観察した。
「俺が何を知っているかについて、お前が何を知っているってんだ?」船長は唸った。
「おそらくお前もモノリス(石碑)を見たことがあるはずだ」サイラスは答えた。「お前にあるものを見せたい。だが、急がなきゃならない。真夜中になると『変化』するからな」
本当の目的を証明するため、サイラスは機械の腕に触れた。彼のシステム・ハブが空中に投影され、はっきりと見えるようになる。
レオンはそれらの数字を読んで目を大きく見開いた。
サイラスのHP、攻撃力、防御力、そして速度は、文字通りレオンの半分しかなかった。レベル100であるにもかかわらず、フクロウの物理ステータスは信じられないほど低く、戦闘ではなく知力と技術に完全に特化していることによるペナルティは明らかだった。
この数字では、サイラスが直接対決でレオンを倒すことは絶対に不可能だ。それは数学的な事実だった。
その反論の余地のない弱さの証明に納得し、レオンは姿勢を崩した。見たものを信じ、武器から手を離す。
「案内しろ、羽毛野郎」
彼らは10分ほど無言で歩き、ビーチの端にある火山岩の間に半分隠されたダンジョンの入り口に到着した。
レオンはモンスターの群れを殺戮することになるだろうと予想していたが、ダンジョンは不自然なほど静まり返っていた。
二人はあっという間に巨大な最終ボス部屋にたどり着き、目の前に広がる光景にレオンは感嘆の口笛を吹いた。
洞窟の中央には【 虚無のクリスタルゴーレム - レベル85 】がいた。しかしモンスターは攻撃してこなかった。
壁に打ち込まれた魔導機械が発する、青いエネルギーのリングで作られた複雑な檻の中に閉じ込められ、地面から完全に浮き上がっていたのだ。
「俺の機械でロックしたんだ」
サイラスは足を引きずりながら部屋の奥へ向かい、説明した。
「もしボスを殺していたら、ダンジョンは『クリア』されたと見なされ、エネルギーが崩壊して部屋も、それが守っているものも消え去っていただろうからな」
レオンは頷いた。天空の聖域でも全く同じことが起きた。ドラゴンが死んだ途端、神殿は崩壊したのだ。
「で、こいつは何を守ってるんだ?」
「あいつの後ろを見てみろ」フクロウが促した。
動けないゴーレムの背後には、淡く光る古代のルーン文字で覆われた黒い石のモノリスが立っていた。
レオンが近づき、石に肉球を置く。システムが即座にルーン文字を彼の心に翻訳した。
『虚無の帳より引き裂かれし、八つの異邦の魂。絶対限界の印で鍛造されし、八つの異常。創造主の門は、ただ越えられるのを待っている。己の決意を証明し、少なくとも四人の人間を最初に殺せし者は、元の世界へと帰還するであろう。真実の玉座に座りし時、彼は定命の生を取り戻し、再び愛する者たちを抱きしめるであろう』
レオンは目を大きく見開き、火傷でもしたかのように勢いよく肉球を引っ込めた。彼は混乱と動揺の中でサイラスを見つめた。
「俺たちの世界に帰るだと? だが俺が空で見つけたモノリスは……全く違うことを言っていたぞ! 同盟を結ぶなとか、七つの炎を消してその力を吸収し、完璧な被造物を鍛え上げて救済とこの世界の秘密を要求しろとか……」
サイラスは鋼の腕に組み込まれた懐中時計を確認した。
「あと10分待て」フクロウは彼の言葉を遮った。「俺を信じろ」
彼らは無言で立っていた。魔導機械のハム音が洞窟を満たし、レオンは胃を締め付けるような不安を抱えながら石を見つめていた。
真夜中ぴったりに、ダンジョンが微かに振動した。
黒い石に刻まれた古代のルーン文字がジューッと音を立て、水に落ちたインクのように溶け、そして完全に新しいテキストを形成して再配列されたのだ。
レオンは再び近づき、再調整された石に肉球を置いた。
『虚無の帳より引き裂かれし、八つの異邦の魂。他の人間を殺せば、彼らの力と絶対限界を与えられるであろう。同胞の力を宿して真実の玉座に座りし者は、黄金の道を開き、大洋の楽園の鍵を手に入れ、七つの海の絶対神として君臨するであろう』
レオンは息を止め、一歩後ずさった。
「一体どういうことだ、クソッ!」
船長は怒りに任せてサイラスの方へ向き直り、シューッと息を吐いた。「なんで変わるんだ!? どっちが本当の真実なんだよ!?」
サイラスは生身の腕を機械の腕の上で組み、深刻な表情を浮かべた。
「このモノリスは毎日違うことを言うんだ。絶え間なく変化し続けてるんだよ、レオン」
船長は鼻面を撫でた。
難しい決断が彼の心をよぎったが、本当の答えを求めているなら、出会った唯一の理性的でまともな人間に手の内を明かさなければならないと悟った。
「だが事実は……」
レオンは声を低く、暗い唸り声に落として白状した。
「この中の一つは嘘じゃない。他の人間を殺せば力を得られるって部分は……本当だ。俺は二人殺したんだ、サイラス。カバと蜘蛛をな。そして、奴らの異常ステータスを実際に吸収した」
サイラスの生身の目が大きく見開かれた。その生々しい告白に驚いたものの、彼の並外れた知力は瞬時にその情報を処理した。
「そうじゃないかと思っていた」
魔導機関のフクロウは、純粋な嫌悪に満ちた表情でモノリスに近づきながら呟いた。
「そして、俺がもう一つ何を疑っているか分かるか、レオン? 俺は、あの『真実の玉座』はクソみたいな罠だと思っている」
サイラスは鋼の拳をルーンの岩に叩きつけた。
「毎日毎日、俺が読んできたすべてのバージョンで、奴らは全く同じ行動を言及し続けている。『玉座に座れ』と。故郷への帰還、大洋の楽園、絶対的な権力……様々なご褒美をちらつかせて餌に食いつかせようとしている。だが、その欺瞞を考えてみろ。奴らは俺たちを神にするためではなく、俺たちを互いに殺し合わせるために、意図的にこのモノリスを世界中に配置したんだ! 航路の終点で俺たちを待ち受けている『誰か』、あるいは『何か』が立ち向かわなければならない人間の数を減らすために、これを利用したんだよ」
レオンは目を細め、疑念と冷酷さが入り混じった視線で鳥を見つめた。彼は一歩近づき、トーンを落とした。
「非常に論理的な理論だな。たった今殺されかけた奴にとっては非常に都合がいい」レオンは唸った。「本当のことを言え、羽毛野郎。お前は俺を利用したいだけなんだろ? 俺のクルーと力を利用して、ライオンに復讐したいだけじゃないのか?」
サイラスは一歩も引かなかった。彼の視線は真っ直ぐで、悪意も嘘も一切なかった。
「いや、全く違う」
フクロウは絶対的な率直さで答えた。
「個人的な恨みは、この世界の秘密を解き明かすためには無意味だ。それどころか……あのライオンの獣人は、奴が持つ破壊的な力と厄災(CAL)100のステータスを考えれば、このモノリスを書いた奴らと戦うために、非常に必要になると思っている」
サイラスは海賊船長に向かって機械の手を差し出した。
「奴らは俺たちをここに連れてきて、こんなステータスを与え、殺し合わせようと仕向けたという、重大なミスを犯したんだ」
サイラスは締めくくり、彼のサイボーグの目は新たな光で輝いていた。「俺たちは敵じゃない、レオン。俺たちは、この世界の英雄なんだと信じている」
レオンはフクロウの鋼の手を見つめた。あの啓示、誰かが彼らを戦わせるためだけに、彼らが死ぬのを見るという純粋な喜びのためにすべてを仕組んだという幻想について考えた。
海賊船長は牙を剥き出して笑い、サイラスの金属の手をしっかりと握りしめ、力強く握り返した。同盟は、結ばれた。
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