第60話:炎の嵐と『犬人』の手配書!〜海軍を降伏させた直後、他の転生者たちの異名がカッコよすぎて船長のガチギレが止まりません〜
ペンギンの司令官の降伏命令が軍事基地のスピーカーを通じて響き渡り、眼下の広場での戦闘の喧騒を永遠に鎮めた。
数瞬後、指令塔の石階段に狂ったような重い足音が響いた。
バルコニーの重厚な扉が、鋭い音と共に勢いよく開け放たれる。
ポールとアナベルが、息を切らしながらも純粋なアドレナリンに満ち溢れた姿で飛び込んできた。
リザードマンの少女は背中の強力なドラゴンの翼を折りたたんでいる最中で、猫の獣人のサーベルは、微かに残る青い電気をパチパチと鳴らしていた。
彼らは、そのシュールな光景を前にピタリと足を止めた。
冷酷で無表情な氷のオーラを放つアリック、震えながら武装解除されたペンギンの司令官、そして、レオンの後ろで大人しく従順に控える、あの恐るべき狐の獣人大将の姿。
しかし、二人の士官の熱狂はあまりにも抑えきれず、その状況の異常さを処理する余裕などなかった。
「船長! やりましたよ!」ポールは剣を鞘に収め、興奮で尻尾の毛を逆立てながら叫んだ。
アナベルも激しく頷き、赤い目を純粋な誇りで輝かせた。
「私たちの新しい合体技『炎の嵐』、大成功でした! 広場へのインパクトが凄まじくて、一撃で軍隊全体の士気を完全にへし折ったんです! 私たちが攻撃した瞬間、海兵たちは文字通り武器を投げ捨てて、司令部が降伏を宣言しましたよ!」
レオンはまばたきをした。
彼はゆっくりと視線をペンギンの司令官に向けた。司令官が停戦を叫んだのは、ひとえに【船長の絶対権限】の耐え難い圧力に押し潰されたからだ。
次に、異常ステータスによって骨の髄まで服従させられている狐の獣人大将を見た。
最後に、犬の瞳を二人の副官に戻す。彼らは「自分たちが戦争に勝った」と信じて疑わず、誇らしげに胸を張っていた。
レオンの鼻面の表情は完全に平坦になり、読み取れないものになった。
その顔は無言で、しかし雄弁にこう語っていた。
(……お前ら、マジで言ってんのか?)
だが、船長の心は、数分前に肋骨を粉砕しかけていた共感痛のことを思い出した。
もしポールとアナベルがあのインフェルノを広場の中央に放ち、敵の先衛を粉砕していなければ、軍隊は彼の巨獣たちを殺戮し続けていただろう。
BOND(絆)ステータスからの過負荷でおそらく彼は死んでいたし、レベルアップの回復の波も決して間に合わなかったはずだ。
レオンの表情が和らぎ、誇り高く、そして深く誠実な笑顔に変わった。
「実を言うとな、お前ら……お前たちの言う通りだ」
レオンは真剣な敬意を込めて胸の前で腕を組み、答えた。
「あの熱爆発が一瞬にしてモンスターたちへの包囲網を破壊してくれた。お前たちはクルーの命を救い、間接的に俺の命も救い、息をつく暇を与えてくれたんだ。まさに神の一手だった。よくやったぞ」
ポールとアナベルの顔がパッと明るくなり、純粋な喜びに満ちた視線を交わした。船長からの称賛に、彼らの胸は誇りで大きく膨らんだ。
レオンは再び、視線を床から離せずにいるペンギンの司令官へと向き直った。
「さて、戦争も終わったことだし、仕事に取り掛かろうか」
レオンは敗北した将校に近づきながら唸った。
「最新の海賊の指名手配書ボードはどこにある? この海の大物どもを見ておきたいんだ」
ペンギンは強く生唾を飲み込んだ。
「ち、中央アーカイブに……1階にあります」彼は震えるヒレで階段を指差した。
「案内しろ」
離れることのない従順な狐の大将と、忠実なアリックを従え、一行は要塞の広い階段を降りた。
1階は完全な惨状だった。外での戦闘の振動で耐力壁にはヒビが入り、ガラスは砕け散り、軍の備品の多くが破片や瓦礫と化していた。
彼らは巨大な中央ボードにたどり着いた。
コルクの壁は半壊し、ポスターの大部分は戦闘の最中に破れたり、燃えたり、瓦礫に埋もれたりしていた。
しかし、瓦礫を取り除くと、強化紙に印刷されたいくつかのエリート手配書が、無傷で威圧的な姿を残していた。
レオンは近づき、埃を払いながら、太い黒字で書かれた顔と天文学的な数字を吟味した。
ボードの最上部に君臨していたのは、獅子の特徴を持つ巨像の顔だった。豊かで野生的なたてがみを持ち、原初の怒りに満ちた目をしている。
【 指名手配:アーサー ”野獣” - 懸賞金:30万ゴールドコイン 】
そのすぐ下には、冷酷で理路整然とした視線を持つ猛禽類の画像が際立っていた。
描かれたフクロウの獣人は、理解不能な兵器を装備している。彼はただ魔導コア(マギテック・コア)――レオンの船のような巨大な船に命とエネルギーを与える脈打つ心臓――を使って航海するだけではない。この海全体でただ一人、その生のエネルギーを操作して、致死的な携帯火器を鍛え上げる方法を見つけ出したのだ。
【 指名手配:サイラス ”魔導機関のフクロウ(マギテック・オウル)” - 懸賞金:18万ゴールドコイン 】
レオンの爪が、少し脇に配置された別のポスターをなぞった。
ボードが崩壊したせいで紙の端は部分的に破れていたが、指名手配犯の顔ははっきりと見えた。それは刃のように鋭い視線を持つヤマネコの獣人だった。懸賞金の額は破れ目で失われていたが、名前の上の異名は間違いなく読み取れた。
【 指名手配:ヴェイン ”神出鬼没” - 懸賞金:…… 】
最後に、船長の視線は無傷で残っていた最後のポスターに落ちた。
肖像画は完璧で、三角帽子を深く被り、挑発的な唸り声を上げて牙を剥き出しにした彼の姿が描かれている。
【 指名手配:レオン ”犬人” - 懸賞金:13万ゴールドコイン - 死体のみ 】
レオンは自分のポスターを見つめた。
そしてアーサーのポスターを見た。サイラスのポスターを見た。ヴェインのポスターを見た。
彼のこめかみで、血管が目に見えてピクピクと脈打ち始めた。
右の犬の目が、神経質に痙攣する。
「あのさ……ちょっと確認させてくれ」
レオンは純粋な憤りに声を震わせながら唸り、士官たちを振り返った。彼は苛立たしげに爪でボードを指差した。
「このクソでかライオンが『野獣』だろ。船の心臓をライフルとして使ってるあっちのフクロウが『魔導機関』って異名をもらってる。このヤマネコですら『神出鬼没』なんてタイトルをゲットしてる! なのに俺は!? 俺は未だにただの『犬人』だと!?」
レオンは前に飛び出し、ペンギンの司令官の軍服の襟首を掴んだ。激怒の唸り声と共に彼を引き寄せ、両足を宙に浮かせる。
「次の手配書には、『エレガントな犬人』って書かせろ! 分かったか!?」
ペンギンは冷や汗を流しながら狂ったように頷き、空中で足をバタバタさせた。
レオンは手を離し、深呼吸をして落ち着きを取り戻した。彼はコートを整え、致命的に真剣な表情に戻る。
「さて、あの羽毛野郎の話だが」レオンはサイラスのポスターを指差した。「司令官、魔導機関のフクロウの島はここからどれくらい離れてる?」
ペンギンはビクッと体を震わせ、乾いた唾を飲み込んだ。その目の恐怖が鋭さを増す。しかし今回は、レオンの権威によるものではなかった。
「距離を計算する意味は……もうありません、船長」
ペンギンは微かな、震える声で答えた。
レオンは目を細めた。「どういう意味だ?」
「サイラスの島は昨日、跡形もなく消し飛ばされました」
士官は軍の報告書の記憶だけで身震いしながら囁いた。
「アーサーによって。『野獣』がすべてを破壊したんです」
レオン、アナベル、ポールの視線が交差した。
アーカイブに重苦しい沈黙が降りる。空気そのものが突然重くなったように感じられた。
「船長……」ポールが緊張で耳を伏せながら呟いた。「もしかしてライオンは、もうフクロウを殺したんじゃ……」
「その可能性は高い」レオンは拳を握りしめ、唸った。
アーサーがすでにサイラスの異常ステータスを吸収しているかもしれないという考えは、あの野獣を文字通り計算不可能な脅威にしていた。
「人間の痕跡がまた一つ途絶えたな……こうなったら、次の島へ出航して、転生した人間の情報を探すしかない」
船長は氷の亡霊の方へと勢いよく振り返り、その犬の目を絶対的な決意で燃やした。
「アリック!」レオンは命じた。「全員を船に呼び戻して、出航の準備をしろ。すぐに出発するぞ!」
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