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第54話:レベル88の覇王が雑用係に!?〜呪われた島を解放し、最強の幽霊モップがけ職人を手に入れました〜

覇王の死と、キャプテンの誓約による服従。


それにより、墓場島(グレーブヤード・アイランド)を縛り付けていた呪いは永久に打ち砕かれた。


アメジスト色の濃い霧の塊は、海からの爽やかな朝の風に吹かれて完全に霧散していった。


何世紀もぶりに、太陽の光が岩と座礁した難破船の巨大な広がりを照らし出した。


「まあ、俺の絶望的な方向音痴のポジティブな面を見てくれ」


レオンは短剣を鞘に収め、大きく伸びをしながら言った。


「宝物庫を探し回る手間が省けたってもんだ」


ボスが鎮座していたクリスタルの祭壇の後ろには、計り知れない価値を持つ財宝の山が眠っていた。


それは、覇王が何十年にもわたって座礁させ、略奪してきたすべての海賊船から蓄積された宝の山だった。

純金の、生々しく剥き出しの山である。


ポールとアナベルはドワーフとオークの手を借りてすぐに作業に取り掛かり、チャリンと鳴る金貨、拳ほどもあるダイヤモンド、宝石、そして古い装飾品を巨大な木箱に詰め込んでいった。


「極上の戦利品だ。最後の一枚まで回収して、船に戻るぞ!」


レオンは満足げに命じた。


一時間後、魔導海賊弩級戦艦(マギテック・パイレーツ・ドレッドノート)は墓場島の岩礁から解放された。


火山のエンジンが咆哮を上げ、マストドン級の黒い戦艦は、朝日にキスされながら再び起源の航路(オリジン・ルート)へと出航した。


メインデッキの空気は純粋な喜びに満ちていたが、とある一つの光景が、クルー全員を腹を抱えて笑わせていた。


【霊霧の覇王】。

ドクロの冠を頂き、死の呪いをもたらす、あの恐ろしく巨大なレベル88のエンティティが……なんと、甲板のモップがけをしていたのだ。


紫色の煙でできたマストドン級のモンスターは、瘴気の触手の間に木のモップを不器用に握りしめ、純粋な落胆の表情(顔はないが、全身からそれが滲み出ていた)で木の板をゴシゴシと擦っていた。


その後ろ、わずか数センチのところに、アリックが浮かんでいた。


霊体の副船長(スペクトラル・バイス・キャプテン)は、霧の腕を胸の前で組み、氷のような激しさでボスの後頭部を睨みつけている。


覇王が少しでも手を休めたり、汚れを見落としたりするたびに、周囲の温度が氷点下まで急降下し、覇王をブルブルと震え上がらせては、絶望的な勢いでモップがけを再開させていた。


ポールは樽の上に転がり、笑いすぎてお腹を抱え、アナベルは目尻の涙を拭っていた。


「信じられない……」


猫の獣人は尻尾を木の板にバンバンと叩きつけながら息を切らした。


「レベル88のボスを、自分の個人的な雑用係(キャビンボーイ)にしちまった! 史上最も執念深い幽霊ですよ!」


レオンは操舵輪の近くで快適に座り、新しく手に入れたラム酒のジョッキをすすっていた。

彼は面白そうに笑いながら首を横に振り、立ち上がってアリックに近づくと、その空気のような肩をポンと叩いた。


「アリック、我が友よ。デカブツにもう少し手加減してやってくれ」


レオンは、無言で泣き言を漏らす霊霧の覇王を見て笑いを堪えきれずに言った。


「結局のところ、考えてもみろ……もし50年前に奴が待ち伏せしてあの呪いをかけなければ、お前はただ年老いて、ごく普通の北極フェレットの獣人として死んでいただけだ。確かにすでに海の伝説ではあったが、今日お前が一日も年を取らない不老不死の幽霊でいられるのは、技術的にはすべて奴のおかげなんだぜ。奴に永遠の命を感謝しなきゃな!」


船長の介入を感じ取った霊霧の覇王は、幽霊のような期待に満ちた声を漏らし、狂ったようなモップがけの手を一時的に止めた。


それが、間違いだった。


すぐ近くで、自分の『先輩』としての新しい地位を心から楽しんでいた【鉄茨のベヒーモス】が、無造作にリンゴの芯を、今しがた掃除されたばかりの木の板の上にポイッと投げ捨てたのだ。


巨大なミノタウロスは、巨大な装甲の指でそのゴミを指差し、期待を込めてトントンと足を踏み鳴らした。


覇王の空虚な眼窩が、憤慨で大きく見開かれた。

自分はレベル88のボスだぞ! 墓場島の支配者だぞ!

覇王は瘴気の触手を振り上げ、この露骨な無礼に抗議しようとした。


アリックがレオンの方を向いた。船長を長い一秒間見つめる。


そして、ゆっくりと、視線を霊霧の覇王に戻した。

その目の青い炎が細くなり、甲板全体に先ほどよりもさらに恐ろしい霜のオーラが広がった。


アリックは許すどころか、凍てつく水がなみなみと入ったバケツを魔法で実体化させると、それをボスの目の前にガシャンと叩きつけ、メインマストの近くにある微小な汚れを指差した。


メッセージは明確だった。『もっと強く磨け』。


レオンは吹き出し、笑いながら自分の席に戻った。

「分かったよ、俺は努力したぜ。好きにしてくれ」


その穏やかな休息の時間は、海軍から奪った海図とグロッグの航海日誌のメモを照らし合わせながら近づいてきたポールによって遮られた。猫の表情は再び真剣なものになっていた。


「船長、航路を調べました」


ポールは羊皮紙の上の非常に離れたエリアを爪で指し示しながら説明した。


「フクロウの獣人(オウルマン)が支配しているという『ガラクタ島』までは、まだかなり距離があります。外海を数日は航海しなければなりません。その間、俺たちはこの起源の航路の海域について何も知らないんです」


アナベルも合流し、鱗に覆われた腕を組んだ。


「気をつけるべきなのはフクロウの男だけじゃないわ、レオン。もしこの海が異常(アノマリー)だらけで、実際には転生した人間である海賊たちがうようよしているなら……奴らに見つかる前に、私たちが奴らを特定しなきゃならない。最新の手配書を確認して、この世界に属さないような異常な能力や、非常識な技術を持っている奴がいないか調べないと」


レオンは頷き、その視線は再び冷たく計算高いものに戻った。


「お前の言う通りだ。フクロウの男が高度な魔導機械(マギテック)を作れるなら、外に何が潜んでいるか分かったもんじゃない。情報を集める必要がある。一番近い陸地はどこだ?」


ポールは地図の上で指を滑らせ、彼らの現在地からわずか数時間の距離にある巨大な陸地にピタリと止まった。


「これがあります。でも、大きな問題がありますよ、船長。ここは『ブルー・バスティオン(青き砦)の前哨基地』。ただの島じゃありません……海軍の要塞化された作戦基地の一つです」


レオンは片眉を上げ、鼻面に大胆不敵な笑みを浮かべた。


「海軍の基地? 完璧じゃないか。世界中の手配書ボードを見つけて、兵士たちの会話を盗み聞きするのに、これ以上ふさわしい場所はない。そこへ行くぞ」


数時間後、巨大な軍事島が地平線に現れた。

海岸には大砲がずらりと並ぶ白い石の防壁がそびえ立ち、青虎の旗がはためいている。


まだ外海にいる段階で、ポールは澄み切った空を見上げ、目に見えて焦っていた。


「船長、もし今、空を飛ぶ偵察兵に見つかったら一巻の終わりですよ。俺たち、海の上に浮かぶ真っ黒な山みたいに目立ってます。いったいどうやって、見つからずに海軍基地に近づくつもりですか?」


レオンは顎を撫で、深く考え込んだ。


「外海で、この船ごと姿を消す方法があればいいんだがな……」


彼が声に出して呟いたその時。

操舵輪で静かに話を聞いていたアリックに、天才的な閃きが降りてきた。


彼は一瞬だけ舵を離れると、霊霧の覇王の元へ素早く浮かんでいき、モンスターの触手からモップをひったくった。


そして、岩の間を吹き抜ける氷の風のような、低く不吉な口笛を吹きながら、まず船を指差し、次に周囲の海面を指差した。


服従を誓った煙のモンスターは頭蓋骨を下げ、その命令を即座に理解した。

覇王はその霊的な顎を大きく開き、力強く息を吐き出した。


海の霜のように白く、濃密で決して見通せない不気味な霧がボスの体から噴出し、急速に膨張して、移動するドレッドノートと巨獣の軍隊全体を完全に飲み込んだ。


外から見れば、マストドン級の黒い戦艦は完全に姿を消していた。

海軍の監視員たちの目には、風に流されて近づいてくる、分厚く無害な海霧の塊にしか見えなかったのだ。


その完璧なカモフラージュに隠れ、ドレッドノートは波の上を不可視のまま滑るように進んだ。


軍艦も、本部の防壁も静かに迂回し、島の野生側にある、高くそびえる岩壁の間に隠された深く人里離れた入り江へと、見つかることなく滑り込んだ。


「錨を下ろせ」


レオンは霧の塊の中で囁いた。

威風堂々たる戦艦は、完全に隠蔽されたまま停止した。


「素晴らしい仕事だ、アリック」


レオンは完璧な隠れ蓑に感心し、副船長の有能さに微笑みながら言った。

彼はインベントリから重いダークリネンのマントを3着取り出し、2着をポールとアナベルに投げ渡した。


「船は安全だ。武器を隠して、フードを深く被り、顔を伏せろ。街を散歩して、何か探り出せるか見てみようぜ」

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