↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/74

第53話:副船長の覚醒と海氷の処刑剣!〜アリックが過去の因縁に決着をつけ、レベル88のボスを仲間に迎え入れる〜

海の巨獣たちの猛攻の下で、アメジストの洞窟が震えた。


3体の深淵のオーク、キング・トリトン、そしてマストドン級の装甲ガニたちは一切の容赦をしなかった。海の祖先の力と超高圧の水の破壊力が、40体の記憶喰らいの亡霊たちを泡と紫色の煙の嵐の中でなぎ払っていった。


自らの群れが壊滅に追いやられたことで、島を支配するエンティティは遊びを終わらせる決断を下した。


血の凍るようなヒス音と共に、頭蓋骨の冠を被った巨大な亡霊は顎を開き、激しく息を吸い込んだ。

新たに倒された幽霊たちのエッセンスを含む、洞窟内の残されたすべての霧が、その空気のような体へと吸い込まれていく。


エンティティは異常に膨張し、純粋な暗闇と瘴気からなる巨像へと変貌し、苦悶する魂でできた大鎌を構えた。


レオンのインターフェースが警戒の赤色で点滅した。


【 霊霧の覇王(エセリアル・フォグ・ソヴリン)[BOSS] - レベル88 】


ボスは海のモンスターたちを無視した。その空虚な両目は、ただ一人、睡眠に抗った異常存在(アノマリー)であるレオンのみを固定していた。

身の毛もよだつ、歪んだ無音の笑いが船長の心に直接圧倒的な力で響いた。

それは、自らの空気のような体には物理的な武器が通用しないことを知る肉の生き物を嘲笑し、その魂を刈り取ろうとする精神的な波だった。


モンスターがその霊的な大鎌を振り上げた。それは物理的な攻撃ではなかった。空気そのものが重く、有毒になったように感じられた。武器は病的な灰色の光を放っていた。


【 ボススキル発動:魂刈りの呪い(ソウル・リーパー・カース) 】


レオンは目を大きく見開いた。

彼自身の本能が、この攻撃からは【絆(BOND)】のステータスでさえも救ってくれないと叫んでいた。大鎌はHPにダメージを与えるのではなく、文字通り肉体から魂を引き剥がし、犠牲者を永遠にさまよう幽霊へと変えてしまうのだ。それは致死の呪いだった。


レオンはダッシュで逃げようと膝を曲げたが、暗黒のエネルギーはあまりにも広範囲に及び、部屋全体を覆っていた。大鎌が彼に向かって振り下ろされる。


ガキィィィン!


砕け散る氷と金属の凄まじい音が響き渡った。


厚さ1メートルにも及ぶ純粋な永久凍土(パーマフロスト)の壁が、レオンの鼻先からわずか数センチのところに実体化し、霊的な大鎌を絶対的な霜のグリップで受け止めたのだ。


レオンは驚愕して振り返った。


ボスの吸収によって薄くなった霧の泡から、一つの人影が抜け出していた。アリック、【霊体の副船長(スペクトラル・バイス・キャプテン)】(レベル87)が目を覚ましたのだ。


しかし、彼はいつもの無口で超然とした幽霊ではなかった。


アリックのオーラは、制御不能な青い炎のインフェルノと化していた。洞窟の温度は瞬きする間に絶対零度を下回り、空気中の水分を凍らせ、クリスタルの壁さえも霜で覆い尽くした。


その特定の呪いの集中が、幽霊の魂に何かを引き起こしていた。何十年も凍りついていた記憶が、津波の暴力をもって蘇ったのだ。

アリックはそのスキルを知っていた。そのエンティティを知っていた。


50年前、霧の墓場(フォグ・グレーブヤード)で、氷の海賊アリックを止めたのは老いでも海軍でもなかった。

まさにそのスキルだったのだ。あの全く同じボスが彼の古い船を待ち伏せし、クルーを皆殺しにし、彼の魂を抜き取ってアンデッドの生へと追いやったのだ。


副船長の幽霊は前に浮かび上がり、ボスとレオンの間で盾のように立ちはだかった。

アリックは純粋な氷の海賊サーベルを抜き、エンティティに向けた。物質を持たない彼の喉から、数十年にわたる憎悪を孕んだ死の喘鳴が漏れた。


霊霧の覇王は凍りつき、空虚な霊の目を大きく見開いた。

かつての犠牲者を認識した時、そのオーラが震え、純粋で信じられないといった恐怖の表情に歪んだ。何十年も前に引き剥がした魂が、まさに目の前にいて、その罰を生き延びていたのだ。


レオンは部下の背中を見つめ、そしてボスを睨んだ。


すべてが腑に落ちた。彼の運(LUCK)200は、単に彼をこの部屋にランダムに落としただけではなかったのだ。

それは彼を、信頼する右腕の人生を狂わせたモンスターと正確に対面させ、彼に決着をつける機会を与えたのだ。


レオンは腕を組み、微笑んだ。


「トリトン! オーク!」船長は吠え、突撃しようとしていた海のモンスターたちを止めるために前足を上げた。「下がれ! 誰もあのデカブツに触れるな!」


レオンはアリックを見つめ、真のリーダーとしてのすべての権威と敬意を込めて声を響かせた。


「こいつはお前のもんだ、アリック」レオンは宣言した。「奴の魂を切り裂いてやれ。【船長の鼓動(キャプテンズ・ハート)】!」


深紅の衝撃波が爆発し、霊体の副船長を包み込んだ。アリックは自分のステータスが瞬時に倍増するのを見た。


しかし、いつもの氷のサーベルを構える代わりに、アリックは想像を絶する行動に出た。

彼は身を屈め、オークやトリトンの攻撃によって床に残された【海の水】の深い水たまりに、その空気のような手を直接突っ込んだのだ。


深淵の祖先の魔法は、幽霊を切り裂くことができる唯一の力だった。

そしてアリックもまた、幽霊だった。


海の水が非物質的な形態に触れた瞬間、アリックの両手は激しくジューッと音を立て、煙と蒸気を放った。水が彼のエッセンスそのものを腐食し、純粋で耐え難い痛みの悪寒が副船長の全身を揺さぶった。

しかし、数十年にわたる怒り、彼からすべてを奪った者に対する燃えるような憎悪は、いかなる肉体的、精神的苦痛よりもはるかに強かった。


耐え難い痛みに抗いながら、アリックは自らの力を注ぎ込んだ。

彼は致死の海の水を瞬時に凍らせ、深淵の永久凍土(アビサル・パーマフロスト)でできた巨大で暗く、ギザギザのサーベルを両手に鍛え上げたのだ。


それは戦いではなかった。残酷で、規則的で、苦痛に満ちた処刑だった。


霊霧の覇王は必死にもう一度呪いをかけようとしたが、アリックは前代未聞のスピードで動いた。

青い幽霊は嵐と化した。海の氷の剣で空気を切り裂き、アリックはボスの霊的な腕を切断した。


氷と融合した深淵の水はただ切るだけではない。それは敵のエッセンスを完全に消滅させるのだ。

モンスターは声なき苦悶のヒス音を上げて身悶えし、アリックがその武器を振るうことで耐えているのと同じ霊的苦痛を味わっていた。


自らの手が文字通り削れていく疲労と痛みを完全に無視し、アリックは覇王の頭上に実体化した。

深淵の永久凍土の刃が、完璧な垂直の唐竹割りで振り下ろされた。


ボスは真っ二つに割られ、その霊的な形態は海と氷の致死的な力によって永久に崩壊し、きらめく塵のシャワーとなって爆発した。


【 霊霧の覇王(エセリアル・フォグ・ソヴリン)(Lv. 88)を討伐! 】


覇王の死と共に、島全体を覆っていた霧は太陽の下の雪のように溶け去った。

難破船やビーチに捕らわれていたレオンの仲間たちは目を覚まし始め、催眠から解放されて咳き込み、頭を振っていた。


【 戦闘完了! 経験値を獲得! 】

【 総合レベルアップ! クルー全員が1レベル上昇! 】


アリックはすぐに海の氷のサーベルを落とした。それは岩の上で溶け、ジューッと音を立てた。

彼のエーテルの手は震え、煙を上げ、深刻なダメージを負っていたが、レベルアップの金色の雨が彼に降り注ぎ、霊的なダメージを瞬時に癒し、元の姿へと復元した。彼の強さは今やレベル88へと引き上げられていた。


彼の目にあった青い炎のインフェルノは静まり、穏やかで、ついに安らかな光へと変わった。

過去の悪魔は消え去ったのだ。副船長はレオンの方を向き、今や完全に戻った霊的な手を羽飾りのついた帽子に当て、深々とお辞儀をした。言葉は必要なかった。感謝は絶対的だった。


レオンは彼に微笑み、敬意の印として自分の心臓の上を拳で軽く叩いた。

その後、船長はボスの生命の火花がゆっくりと消えかけている、きらめく塵へと近づいた。


そのレベルの獲物をこの船で無駄にするわけにはいかない。特に、彼の士官の「愛玩犬」として役立つならなおさらだ。


レオンのオーラが広がり、洞窟を支配した。


「お前。今からお前は俺たちのものだ」


【 霊霧の覇王 - レベル88 】を雇用しました。


粒子が再構築された。

紫色の煙でできたマストドン級のモンスターが再び立ち上がり、契約によって完全に再生され、服従した。それはレオンの前に頭蓋骨を下げてお辞儀をしたが、何よりも、副船長アリックから安全で怯えきった距離を保っていた。


レベル88の巨大なボスであるにもかかわらず、そのモンスターは明らかにアリックに恐怖しており、レオン(彼に比べれば遥かに小さいというのに)の背後に文字通り隠れようとし、氷の幽霊が彼を見るたびにブルブルと震えていた。


ちょうどその時、ポールとアナベルがクリスタルの洞窟に飛び込んできた。その後ろにはベヒーモスと他の巨獣たちの重い足音が続いている。


「船長!」ポールは息を切らして叫んだ。「急に目が覚めました! ご無事――」


猫の獣人は凍りついた。巨大な霊霧の覇王がすでに雇用され、レオンの後ろで怯えながら盾として彼を使っているのを見たのだ。洞窟全体は致死の氷の層で覆われていた。


アナベルの縦長の瞳孔が大きく見開かれた。「もう……もう倒しちゃったんですか?」


武装した二人の士官が突入してきたのを見て、レオンは自分の後ろでガタガタ震える煙の巨像に向けて呆れたようにため息をついた。


「おい、泣き言を言うな。お前、レベル88のボスだろうが!」レオンは巨大なモンスターに呆れ返りながら言った。


それから彼は三角帽子を直し、ヒゲの下でクスクスと笑いながらアリックの非物質的な肩をポンポンと叩いた。

「俺を見ないでくれ」船長はウインクしながら答えた。「アリックが全部の大仕事をしてくれたからな」


【 キャプテン総合ステータス 】

名前: レオン | クラス: 海賊船長 | レベル: 91

HP: 755 / 755

攻撃力 (ATK): 585

防御力 (DEF): 520

速度 (SPD): 900

運 (LUCK): 200 (限界値、7つの海の指輪により2倍)

絆/シナジー (BOND): 100 (異常ステータス。効果:キャプテンが受けるすべてのダメージは、アクティブなクルーメンバーによって共有・吸収される)

残りステータスポイント: 70


【 クルーステータス 】

最大容量:34 / 36 スロット使用(2スロット空き)

エンピリアン・ドラゴン - レベル: 92

インフェルナル・セラフ - レベル: 90

アリック (霊体の副船長) - レベル: 88

キング・トリトン - レベル: 88

ポール (精鋭戦士) - レベル: 88

アナベル (冥界の暗殺者) - レベル: 88

霊霧の覇王(エセリアル・フォグ・ソヴリン) [NEW] - レベル: 88

原初の火山ヒドラ - レベル: 88

始祖の火山蜂 (x10) - レベル: 88

鉄茨のベヒーモス - レベル: 88

マストドン捕食キノコ (x2) - レベル: 88

悪魔のグール (x3) - レベル: 88

影を刈る鴉(シャドウ・リーパー・レイヴン) - レベル: 88

深淵のオーク (x3) - レベル: 88

巨大な双子ドワーフ (x2) - レベル: 88

装甲ガニ (x4) - レベル: 88

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


もし少しでも「面白かった」「続きが読みたい」「犬人船長がんばれ!」と思っていただけましたら、ページ下部からの**【評価】と【ブックマークの追加】**をしていただけると、執筆の何よりの励みになります。


皆様の応援がシステムをハックする(?)原動力です!

次回もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。