第51話:敵船の解体とカバの航海日誌!〜残酷なシステムが生み出した『殺し合い』の真実に直面し、俺はフクロウの島へと向かう〜
グロッグが最期を迎えたクレーターから、冷たい海風が最後の金色の塵を吹き飛ばしていった。
レオンは三角帽子を直し、その剥き出しの岩の墓標に背を向けると、眼下の入り江へと視線を固定した。
巨大な敵のガレオン船は、船長と乗組員を失い、波に揺られて静かに浮かんでいた。
「グロッグのガレオン船をバラバラに解体しろ。だがその前に、価値のあるものはすべて俺たちの船に運び、食料とラム酒を可能な限り備蓄しろ」
レオンは氷のような声で命じた。その冷酷な響きに、自らのクルーでさえ一瞬身震いした。
「空っぽにしろ。そして、木の板一枚たりとも無傷で残すな!」
巨獣たちに二度命令する必要はなかった。
船長の号令の下、モンスターの軍隊は恐るべき効率で敵船へと雪崩れ込んだ。
しかし――深淵の怪物や古代の異常存在からなる彼らのクルーに、『人間の価値観』という概念が全く欠如していることはすぐに明らかになった。
レオンは呆れ果ててため息をついた。
ビーチに戻ってきた【原初の火山ヒドラ】は、巨大で煌びやかな純金のシャンデリアを「王冠」のように被ろうと自らの三つの首で争い、結果としてクリスタルの飾りに首が絶望的に絡まっていたのだ。
その近くでは、4体の【装甲ガニ】たちが、豪華な真紅のベルベットの肘掛け椅子を巡って激しい綱引きを繰り広げていた。
彼らは皆、それが新しいヤドカリの殻として最高だと信じて疑わないようだった。
バキッ! という鋭い音と共に、巨大なハサミがその高級家具を真っ二つに切断し、中から大量の羽毛が宙に舞い散った。
「価値のあるものと言っただろうが、このバカども! 使えるものだ! インテリアじゃねえ!」
レオンは顔を覆いながら吠えた。
船長の雷に驚き、巨大な【鉄茨のベヒーモス】がピタリと足を止めた。
深く反省した様子のミノタウロスは、おずおずとレオンに近づくと、極度の緊張で震えながら、巨大な装甲の指2本で『少し曲がった銀のフォーク』を一本だけ差し出した。
レオンは巨人の手にある小さなフォークをじっと見つめた。そして、長く、諦めに満ちたため息をついた。
「ありがとうよ、デカブツ。これこそ……まさに俺たちが求めていたものだ」
最終的に、ポールとアナベルが介入してモンスターたちを適切に誘導したおかげで、何トンもの「本物の」食料、樽、そして財宝がドレッドノートの船倉へと移された。
そしてついに、空っぽになった船体に対して、彼らは壊滅的な猛威を振るい始めた。
装甲ガニの巨大なハサミ、深淵のオークの骨の棍棒、そしてベヒーモスの斧がガレオン船を切り裂いていく。木材、マスト、金属の構造物が海岸に引きずり出され、【船の核】に飲み込まれてレオンの船をさらに強化する準備が整えられた。
敵船がただの浮遊するスクラップの山と化した頃、ポールが船倉から重厚な鉄と黒いベルベットで作られた宝箱を抱えて現れた。
「船長、グロッグの私室でこれを見つけました」
猫の獣人はそう言うと、砂浜にそのトランクを置いた。
レオンは爪先で鍵を弾き飛ばし、蓋を開けた。かなりの量のダイヤモンドの山のほかに、船長の目はすぐに、最高級の革で作られた小さな鞘に引き寄せられた。
レオンはそれを手に取り、黒く、完璧なバランスを保つ刃を抜いた。システムが即座に光り輝く。
【 取得:音無き暗殺者の短剣(品質:エピック) 】
「いいオモチャだ」
レオンは満足げな笑みを浮かべ、指の間で刃をクルクルと回してからベルトにしっかりと収めた。精密な作業に役立つだろう。
しかし、宝箱の底にはもう一つ別のものが入っていた。ポールが引っ張り出したのは、古い革紐で縛られた、分厚い暗色の革張りの本だった。
カバの獣人の『航海日誌』だ。
レオンはそれを受け取り、アナベルが隣に立つ中、岩の上に腰を下ろした。
彼はページをパラパラと捲り始めた。最初は航路や戦闘の記録が続いていたが、最後のページに近づくにつれて、筆跡は乱れ、苦悩に満ちたものに変わっていた。
レオンは最も私的な一節を声に出して読んだ。
『……このモンスターの体で目を覚ましてから、約7ヶ月が経つ。俺はずっと自問している。なぜだ。なぜこのステータスとレベル、そして暴力の世界に? 過去の人生の記憶が全くない……顔も、名前も、家族の記憶もない。俺が知っているのは、絶対的で痛切な確信と共に、俺がかつて「人間」だったということだけだ。誰が俺の記憶を消した? 誰がこれを決めた? この残酷な茶番劇の目的は何だ? 時々、部下の海賊たちを見て、彼らも俺のようにここに囚われた哀れな人間ではないかと疑うが、彼らの目は空虚だ。俺はこの海における異常なんだ……』
航海日誌の言葉はそこで唐突に途切れ、その後、より力強く、神経質な筆致で再開されていた。
『……疑念に食い殺されそうだ。南の港で噂を聞いた。ガラクタの島を支配する、フクロウの獣人がいるらしい。戦士の体格ではないが、彼の操る魔導機械はあまりにも高度だ。この世界のモンスターが、あんなものを構想できるはずがない。彼は考え、設計し、「俺たち」のように推論する。奴も俺と同じ異常だと確信している。俺は奴の領海へ航路を取るよう命令を下した。奴の元へ行く。奴がこのすべてについて何を知っているのか問いただしたい。俺には分からない答えを奴が持っているのか、絶対に確かめなければならない……』
レオンはグロッグの航海日誌を鈍い音を立てて閉じ、手が軋むほど強く革の表紙を握りしめた。彼の犬の瞳は暗く沈み、耐え難い重圧が胸を押し潰した。
「奴は人間だった……」
レオンは囁いた。突然の吐き気と自責の念で声が割れた。彼は砂を睨みつけ、歯を食いしばった。
「奴の心には、俺と全く同じ空白があったんだ。奴は怯え、なぜ自分がここにいるのか、同じ疑問を抱いていた……そして、俺は奴を殺した。成層圏まで打ち上げて、クルーごと地面に叩きつけて粉砕した。俺は、俺と全く同じクソみたいな状況にいる相手と戦っていたんだ」
罪悪感の悪寒が、船長の血を凍らせた。
初めて、預言の残酷な現実が、その卑劣な真の姿を現したのだ。
彼らは単なるモンスターや現地の暴君と戦っているのではない。彼らは同族同士の殺し合いに参加させられ、互いに何も知らず、同じ悪夢の中で迷子になったまま、排除し合うことを強制されていたのだ。
ポールとアナベルは緊張した視線を交わした。そして、リザードマンの少女が一歩前に出て、レオンの肩に重い鱗の手を置き、ポールも力強く頷いた。
「正しいか間違っているかは別として、船長のせいじゃありません」
アナベルは揺るぎない声で、彼を真っ直ぐに見つめて言った。
「あなたが彼らを殺さなければ、彼らがあなたを殺します。グロッグだって、自分が助かるためなら、機会があれば迷わずあなたを引き裂いていたはずです」
「彼女の言う通りです、レオン」
ポールもサーベルの柄を握りしめながら付け加えた。
「空の石碑に何と書かれていたか思い出してください。玉座に座れるのはたった一人。それを忘れないでください。この海で、同情は死刑宣告です」
レオンは長い間沈黙し、虚空を見つめていた。
やがて、ゆっくりと、彼の顔の緊張は、冷たく無慈悲な悟りへと変わっていった。彼はグロッグの航海日誌を拾い上げ、インベントリに安全に保管すると、立ち上がり、三角帽子を直した。
「お前らの言う通りだ」
船長は呟き、船の方へ振り返って出航の命令を下した。
「弱みを見せている余裕はない。だが、これでフクロウの獣人が人間である可能性が極めて高いと分かった。そしてグロッグは、奴が何かを知っていると考えていた……絶対に会わなければならない。錨を上げろ。航路は決まった」
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