第50話:共有されるダメージの謎!〜攻撃を反射する最強のカバ獣人を、空の彼方から地面に叩きつけて完全粉砕しました〜
グログの言葉が、無慈悲な確信を帯びてむき出しの岩の台地に響き渡った。
長時間の運動でまだ息が荒いレオンは、歯を食いしばった。何かがおかしい。
レベル87のモンスターであっても、これだけの直撃を吸収して、傷一つ、血の一滴すら見せないなど物理的に不可能なのだ。
船長は視線を巨大なカバの獣人の肩越しに移し、2隻のガレオン船が停泊している入り江に焦点を合わせた。船は崖に十分近く、レオンは船上で何が起きているかをはっきりと見ることができた。
そして彼が見たものは、彼の血を凍らせた。
敵船のバルコニーでは、グログのクルーが混乱に陥っていた。
ゴリラ人が肩を抱え、そこから黒い血が噴き出している……それはまさに、レオンがたった今、強化された噛みつきを沈めたのと全く同じ場所だった。
さらに下の方では、数人の人型の海賊たちが甲板に倒れ込み、血を吐きながら肋骨や頭を抱えていた。彼らは見えない鈍器の衝撃――彼の【伝説の盾】によって与えられたものと完全に同一の衝撃――に打たれて倒れていたのだ。
レオンの目が大きく見開かれた。その啓示は雷のような力で彼を打った。
(奴は俺のダメージを無効化してるんじゃない……転送してるんだ)
船長は猛烈なスピードで思考を回転させた。
(それが奴の特別なステータスだ。奴は文字通り、自分のダメージと生命力をクルー全員と共有してるんだ! だから1対1の戦いでは無敵なんだ。奴に一つでもかすり傷を負わせるには、まず奴の指揮下にある海賊を一人残らず殺さなきゃならない!)
「よそ見してる暇はないぞ、犬!」思考を遮るように、グログが咆哮した。
待ちくたびれたカバの獣人が攻撃を再開した。彼は巨大な両手剣を掲げ、自然災害のような怒りを持って前方に突進する。
崖を真っ二つにできるほどの水平斬りで空気を切り裂いた。
レオンは防ごうとすら試みなかった。835の速度(SPD)ポイントを利用し、膝から滑り落ちて身をかがめる。
グログの刃は彼の耳の1ミリ上を空しく通り過ぎた。
巨像は止まらなかった。
彼は武器を破壊と盲目的な怒りの旋風の中で振り回し、系統的に台地を破壊し始めた。グログはオーバーヘッドストライク、切り上げ、横なぎ、そして島全体を震わせるほどの残忍な突きを繰り出し、土埃と火山岩の破片の雲を巻き上げた。
岩を真っ二つに割る垂直の斬撃を避けながら虚空をピルエットし、レオンは決断を下した。接近戦が無意味なら、抜け道を見つけなければならない。
(奴のクソみたいな絆を粉砕しなきゃならない)
グログの武器によってたった今根こそぎにされた岩の上に優雅に着地し、それが粉砕される1秒前に跳躍しながら、レオンは考えた。
(もし俺が一度の攻撃で終末的な力を持って奴を打てば、奴のクルーはそのショックを吸収しきれず、負担に耐えきれずに全員が崩れ落ちるはずだ)
空中で前足を素早く弾き、レオンは青いホログラムインターフェースを呼び出した。画面が目の前にポップアップし、彼のステータスを投影する。
【 船長ステータス 】
HP: 720 / 720
攻撃力 (ATK): 550
防御力 (DEF): 485
速度 (SPD): 835
運 (LUCK): 200
残りステータスポイント: 30
レオンは爪を上げ、人生で最も破壊的な一撃を放つために、30ポイントすべてを攻撃力(ATK)に注ぎ込もうと構えた。
しかし、まさにそのミリ秒のタイミングで、グログが不自然なダッシュを行った。
咆哮と共に、カバは両手剣のグリップを逆手に持ち、突然のアッパーカットを放ち、瓦礫の壁を船長に向けて打ち上げたのだ。衝撃波が空中のレオンを打ち据え、顎を割られるのを避けるために、暴力的で絶望的な後方への身のよじりを強制された。
その衝撃で、レオンの前足がホログラム画面に激突した。彼の爪が誤って間違った行に滑り込んだ。
システムのチャイムが、無情にも澄んだ音で響き渡った。
[ ステータスポイントを割り当てました。 ]
[ 速度 (SPD): 835 -> 865 ]
[ 残りステータスポイント: 0 ]
「クソッ!」
岩の上に重々しく着地しながら、レオンは悪態をついた。彼はすでに限界を超えて引き上げているステータスに唯一のポイントを無駄にし、計画を失敗させてしまったのだ。
しかし、その後悔はちょうど10分の1秒しか続かなかった。
青い画面は閉じなかった。それどころか、狂ったように点滅し始めた。
レオンの計り知れない「運 200」が、その致命的なミスをたった今奇跡へと変えたのだ。
【 隠し条件を満たしました:極限速度の閾値。 】
【 パッシブスキル進化:無限跳躍 が 天空の支配 へと進化します。 】
説明:使用者が生成するマナの円盤は、空気そのものを高密度化させます。この跳躍は無限の飛行を保証するだけでなく、使用者が掴んでいる、あるいは持ち上げているあらゆる標的の慣性、重力、重量を完全に無効化します。空はあなたの領土です。
レオンは息を止めた。その最後の行を読み返す。
『あらゆる標的の重量を完全に無効化します』
船長はインターフェースを見下ろし、そして数ヤード離れたところで結露した息を荒らげ、またしても標的を外したことに激怒している3トンの巨大なカバを見上げた。
「もう疲れたのか、小犬?」グログの声が響き渡る。勝利は自分の手にあると確信していた。 「好きなだけ逃げ回れ……お前らは最後には疲労で死ぬんだ」
レオンは瞬きと共にホログラムインターフェースを閉じた。
彼の鼻面に広がった、嘲笑的で致命的な笑みが、火薬庫に火をつける火花となった。
「疲れてなんかないぜ、グログ」レオンは囁いた。「それどころか……どうやってお前を倒すか、今完全に分かったところだ」
常に全員に恐怖を与えることに慣れていたグログは、その傲慢さに耐えられなかった。島の基盤を揺るがすような咆哮と共に、彼は巨大な両手剣を握りしめ、再び残忍な突撃を開始した。
しかし今度は、レオンは後ろに避けなかった。
超人的なスピードを利用し、船長は前方にダッシュし、巨像が刃を振るう前にそのガードの内側に滑り込んだ。
外科的な精度で、レオンは【伝説の盾】の縁を上向きに振るい、柄を握っている巨大な手の指の関節と手首を正確に狙って破壊的な一撃を放った。
金属的な打撃音が鋭く響き、骨折の音がそれに続いた。
衝撃が巨人のグリップを破壊した。グログが怒りに叫ぶ中、巨大な両手剣が彼の指から滑り落ち、鈍い音と共に地面に落ちた。
一瞬だけ防御できなくなった巨像はバランスを崩した。
レオンは時間を無駄にしなかった。上方に跳躍し、手を伸ばしてグログの巨大な牡牛のような首をしっかりと掴んだ。
「空の散歩に行こうぜ」レオンは唸った。
彼は何もない空中に向かってキックを放った。彼の新しいスキル【天空の支配】の青いマナの円盤がブーツの下で爆発する。
反重力効果が、カバの3トンの重量を瞬時に無効化した。ミサイルのように、レオンは空へと発射され、微塵の努力もなしに巨人を引きずり上げた。
ドォン! 二つ目のマナの円盤。ドォン! 三つ目。
岩の台地が彼らの下で急速に消えていく。彼らは数秒で雲の層を突き抜けた。
グログは、人生で初めて純粋なパニックに襲われた。
彼の目は大きく見開かれ、腕は虚空で激しくもがき、何千メートルも上空で自分を喉から宙吊りにしている犬から必死に逃れようと、攻撃しようとした。しかし、足場がなければ彼の腕力は全くの無意味だった。
空気は凍りつくほど冷たくなった。彼らは空の頂点に達した。下にある島は、ただの暗い点のように見えた。
「お前の『絆』はクルーとダメージを共有できるんだったな?」
風がコートを激しく叩きつける中、レオンは彼の耳元で囁いた。「奴らが『これ』を吸収できるか見てみようぜ」
単に彼を落とす代わりに、レオンは二人を反転させた。
ブーツを上に向けて自身の頭上に一連のマナの円盤を作り出し、それらをブレーキとしてではなく、下向きの推進力を得るために使用した。
降下は目が眩むようなダイブとして始まり、やがて大災害へと変わった。
ドォン! ドォン! ドォン!
地上に向かって超音速で自身を推進させ、レオンは重力よりもはるかに速く落下を加速させた。周囲の空気が摩擦でヒューヒューと鳴り、超高温になり始めた。
グログの目の恐怖は、岩の台地が狂ったような速度で近づくにつれ、純粋で言葉にならない絶望へと変わった。
地上から正確に100メートルの地点で、レオンは手を離した。
カバの獣人が終端速度で落下し続ける中、レオンは下にある何もない空中に足を踏ん張り、一連のマナの円盤を素早く生成して自身の降下を急停止させた。
グログが地面に激突した。
その衝撃は黙示録的だった。岩の台地は数十メートルの深さのクレーターへと粉砕され、島全体を震わせる衝撃波を解き放ち、数百メートルの高さの土埃と火山岩のきのこ雲を巻き上げた。
レオンは最後のマナの円盤を消散させ、クレーターの端にふわりと着地した。
湾に停泊している敵船での宣告は即座に行われた。
純粋な運動エネルギーの衝撃による数百万のHPと計算されるその巨大なダメージは、グログの『絆』をオーバーロードさせた。
ほんの数分の一秒で、同盟の海賊たち全員――ゴリラ人から牛人、そして最後のキャビンボーイに至るまで――の生命予備が同時に枯渇したのだ。
クルー全体が、その共有されたダメージの耐え難い重みに打ちひしがれ、船の甲板に一斉に倒れて死んだ。
そしてクレーターの中で、グログの異常は消滅した。カバの獣人は、深淵の中心で命を失って横たわっていた。
レオンの胸の封印がまばゆい光の中で爆発したが、今度のシステムメッセージはいつものものとは違っていた。他の転生した人間を直接殺害したことが、予言を起動させたのだ。
【 後継者が炎を断ち切った。 】
【 異常ステータス転送中…… 】
【 新ステータス獲得:絆 / シナジー (BOND) - 100 】
暖かく、原初的で、決して切り離せない力がレオンの胸に溢れ、彼の魂をクルーのすべてのモンスターの魂と融合させた。
システムは、その異常性を新しいマスターに適応させた。
これから先、レオンが受けるすべてのダメージは分割され、断片化され、彼のアクティブな軍隊全体で共有されることになる。彼の巨大な獣たちは、彼の生命力に対する究極の盾として機能するのだ。彼は実質的に不死身となり、クルーのメンバーが一人でも息をしている限り、殺されることは不可能となった。
その直後、レベル87の巨像と海賊艦隊全体を殺したことに由来する、通常経験値の雪崩が世界を揺るがした。
【 キャプテン・グログと同盟クルーを討伐しました! 神格級の経験値を獲得! 】
【 大規模レベルアップ! 】
[船長レオン] がレベル90に到達! (+6レベル)
何千メートルも下では、弩級戦艦に乗っている巨獣の軍隊全体が黄金の光に包まれていた。
ポール、アナベル、アリック、そしてすべてのモンスターたちは、自分たちの体が限界を超えて進化し強化されるのを感じた。彼らは一気に6レベルを獲得し、恐ろしいほどの力の均衡へと落ち着いた。
しかし、船長にとって驚きはまだ終わっていなかった。第90レベルの閾値を越えたことで、基本的なマイルストーンが解放されたのだ。
【 レベル90マイルストーン到達! 】
基本指揮能力がさらに1スロット拡張されました。
「海賊船長の帽子」の効果が適用(x2)。
現在の最大船員数:36スロット。
(新しい空き枠が2つか)レオンは強欲に目を輝かせながら考えた。
船長はクレーターに降りていき、巨大なカバの獣人の、命はないが肉体的には無傷の体に近づいた。
レベル87の巨像、かつての恐るべきライバル。彼の軍隊に加えるには完璧な戦力になるはずだ。
レオンは前足を上げ、彼の指揮官のオーラ、一度も失敗したことのない権威を行使した。
「お前」レオンは断固たる声で命じた。「俺のクルーになれ」
空気が一瞬、シュワシュワと音を立てたように見えた。
その後、システムのインターフェースがこれまで見たことのないような深紅に染まり、鋭く耳障りなエラー音を発した。
【 システムエラー。 】
【 異常の魂を従属させることはできません。炎は断ち切られるべきものであり、屈服させるものではありません。雇用に失敗しました。 】
レオンの信じられない目の中で、グログのタイタンのような体は蘇生しなかった。
代わりに、それは急速に崩れ始め、灰と黄金の塵に変わり、冷たい海の風に吹き飛ばされていった。彼には全く何も残らなかった。
船長は前足を下ろし、強く生唾を飲み込んだ。
初めて、彼の勧誘の力が失敗した。システムからのメッセージは無慈悲なものだった。近道はない。転生者の間で捕虜をとることはできないのだ。人間たちは死ななければならず、ステータスを融合させるためにその魂は消去されなければならない。
起源の航路の無慈悲な大虐殺は、絶対的で取り返しのつかないものだった。
レオンは三角帽子を直し、空っぽのクレーターに背を向けた。
7人の人間のうちの最初の1人が倒れた。
そして、次の人間に向けて準備をする時が来たのだ。
【 完全な船長ステータス 】
名前: レオン | クラス: 海賊船長 | レベル: 90
HP: 750 / 750
攻撃力 (ATK): 580
防御力 (DEF): 515
速度 (SPD): 895
運 (LUCK): 200 (最大上限、7つの海の指輪により倍増)
絆/シナジー (BOND): 100 (新たな異常ステータス獲得。効果:船長が受けるすべてのダメージは共有され、アクティブなクルーメンバーによって吸収される)
残りステータスポイント: 60
【 クルーステータス 】
最大容量:33 / 36 スロット使用 (3枠の空き)
天空のドラゴン - レベル: 91
地獄の熾天使 - レベル: 89
アリック (霊体の副船長) - レベル: 87
キング・トリトン - レベル: 87
ポール (精鋭戦士) - レベル: 87
アナベル (冥界の暗殺者) - レベル: 87
原初の火山ヒドラ - レベル: 87
始祖の火山蜂 (x10) - レベル: 87
鉄茨のベヒーモス - レベル: 87
マストドン捕食キノコ (x2) - レベル: 87
悪魔のグール (x3) - レベル: 87
影を刈る鴉 - レベル: 87
深淵のオーク (x3) - レベル: 87
巨大な双子ドワーフ (x2) - レベル: 87
装甲ガニ (x4) - レベル: 87
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