第49話:素早さ全振りの回避戦術!〜絶対防御のバグステータス【耐久力】を持つカバ獣人との一騎打ち〜
2隻の堂々たる戦艦が並んで波を切り裂き、緊張に満ちた休戦状態を保っていた。
カバの獣人であるグログは、自分のガレオン船のバルコニーから巨大な両手剣を向けた。数マイル先には、朝の雲に覆われた山頂を持つ、壮大な山がちな島がそびえ立っている。
「あそこだ」海の音をかき消すように、巨像の声が響き渡った。「俺たちの挑戦にふさわしい、むき出しの岩の台地がある」
レオンはただ頷き、アリックに敵船の航路に従うよう合図した。
2隻の船が岩だらけの入り江の深い海に錨を下ろした時、弩級戦艦の甲板の空気は重くなった。軍隊のモンスターたちは差し迫った衝突を感じ取っていたが、完全に静止したまま命令を待っていた。
ポールとアナベルがレオンに近づき、乗船用プランクへの道を塞いだ。彼らの目には純粋で偽りのない懸念が満ちていた。
「船長、これは強くお勧めできません」ポールは神経質にしっぽを宙に揺らしながら言った。「システムが彼の近接データを更新しました。彼はレベル87です。あなたより正確に3レベル上で、サイズは3倍もあります」
アナベルが彼の横に進み出て、先ほど狩人の船倉で見つけた13万ゴールドコインの手配書を開いた。
「レベルだけの問題じゃないわ、レオン。この手配書の備考欄を見て」リザードマンの少女は細かい文字に爪を向けて付け加えた。「1対1の戦いで、グログはこれまでどの海賊にも負けたことがないのよ。一度も。自分よりはるかにレベルの高い船長が相手でもね。あなたはまだ彼の特別なステータスが何なのか知らない……死の罠かもしれないわ。この決闘は絶対に避けるべきよ。命令をくれれば、私たちクルー全員を送り込んで彼を叩き潰すわ」
レオンは二人の忠実な士官の言葉を黙って聞いていた。
戦術的には、彼らの論理は完璧だった。巨獣の軍隊を使って脅威を排除するのが、最も安全な手だ。
しかし、天空の聖域でルーン文字を読んで以来、暗い重圧が彼の胸を押しつぶしていた。
船長は自分の前足を見下ろし、拳を握りしめた。
「いや」レオンは低く、しかし反論を許さない口調で答えた。「もし俺が本当に人間を殺さなきゃならないのなら……名誉ある決闘でやる方が、罪悪感ははるかに少なくて済む」
ポールとアナベルは黙り込み、その選択の重みを理解した。
彼らは島に上陸した。
グログが約束した通り、そこは荒れ狂う海に落ち込む崖に囲まれた、暗い岩の広大で荒涼とした台地だった。両方のクルーは背後に留まり、自然の戦闘周囲から大きく距離を取り、厳格で敬意に満ちた沈黙を保った。
グログとレオンは台地の中心へ歩み寄り、向かい合って立ち止まった。
山のように巨大で傷だらけのカバの獣人が、岩の上にしっかりと足を踏みしめた。彼はレオンをじっと見つめ、上から下まで値踏みする。彼の視線は、犬の船長の空っぽの前足で止まった。
グログは太い眉をひそめた。「本当に武器なしで俺に立ち向かうつもりか?」彼は両手剣の柄を握りしめながら尋ねた。
レオンは微笑み、魔法の金属でできた【伝説の盾】がしっかりと固定されている左腕を静かに持ち上げた。
「少し前に俺の武器を失くしちまって、新しいのを見つける時間がなかったんだ」レオンは巨人の目を真っ直ぐに見つめ、安定した声で答えた。「だが、この盾は戦うのには十分だ。俺にはこれで事足りる」
冷たい風が台地を吹き抜けた。グログはこれ以上待たなかった。
ブーツの下の石を揺るがすような咆哮と共に、カバの獣人は巨大な両手剣を掲げ、突進してきた。
そのサイズの巨像にしては、信じられないほど力強く致命的だった。
しかし、純粋な敏捷性の差は絶望的だった。カバはレオンよりもはるかに遅い。820の速度(SPD)ポイントを持つ船長にとって、彼が動くのを見るのはスローモーションを見ているようなものだった。
両手剣はギロチンのように振り下ろされ、むき出しの岩を割り、土埃と破片の雲を巻き上げた。
しかし、レオンはもうそこにはいなかった。
船長は巨人の背後に閃光のように現れた。
足を踏ん張り、巨像の腎臓に真っ直ぐに破壊的なシールドバッシュを叩き込む。筋肉の塊に対する魔法の金属の音が、鋭く残酷に響いた。
グログは激怒して振り返り、樹齢数百年の木を切り裂くほどの水平斬りを放った。
レオンは【無限跳躍】を使って空中で刃を飛び越え、敵の巨大な前腕に流れるように着地した。電光石火の動きで、彼は顎を大きく開き、【野獣の指輪】によって狂気的に強化された【犬の噛みつき】をカバの肩に真っ直ぐに沈め、その後跳躍して安全な距離に着地した。
戦いは一方的なモノローグとなった。
台地は、標的に一度も当たることに失敗したグログの両手剣の空振りによって、文字通りスイスチーズのように穴だらけになっていった。レオンは捉えどころのない影のように彼の周りを踊った。
彼は10回、20回、50回と攻撃を命中させた。
伝説の盾はハンマーのようにグログの肋骨、胸、頭蓋骨に激突した。レオンの牙は何度も彼の肉に沈み込んだ。レベル87のモンスターなら、このような大虐殺の後では骨折と出血の塊になっていたはずだ。
しかし、15分間の狂気的で途切れることのない戦闘の後。
レオンは何十メートルも離れた場所に着地し、動きを止めた。船長の胸は激しく上下し、息切れと極度のエネルギー消費によって肺が燃えるように熱かった。
レオンは信じられないというように、方向感覚を失いながら目を大きく見開いた。
グログは自分が作り出した岩のクレーターの中心に立っていた。
彼は血を流していなかった。皮膚には傷一つなかった。息も切れていなかった。
彼は決闘が始まる前と全く同じ状態だったのだ。
(おかしい)初めて自信を打ち破るパニックを感じ、冷や汗を流しながらレオンは考えた。(これだけ何度も殴ったのに……まるで幽霊を殴ってるみたいだ。なぜ奴が全くダメージを受けていないのか分からない!)
グログはゆっくりと両手剣を下ろし、その切っ先を砕けた岩に置いた。
彼はレオンをじっと見つめ、疲労で足が震えているのを観察していた。冷たく、すべてを悟ったような笑みが、カバの獣人の四角い鼻面に広がった。
「もう疲れたのか、小犬?」
島の崖の間に不気味に響く、グログの雷鳴のような声。彼は重い一歩を前に踏み出し、その圧倒的な存在感は全く損なわれていなかった。
「お前らは皆、最後には疲労で死ぬんだ……」
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