↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/72

第48話:海賊狩りを返り討ちにして食料ゲット!〜【運】の赴くままに進むと、超絶厄災ステータスの『カバの獣人』に遭遇しました〜

起源の航路の荒れ狂う海に、朝日が恐る恐る昇り始めた。


巨大な魔導海賊弩級戦艦(マギテック・パイレーツ・ドレッドノート)の黒い帆を照らし出す。

空気は澄んでいたが、船上の雰囲気は決して穏やかなものではなかった。


レオンは船室から現れ、犬特有の長大なあくびをして大きく伸びをした。

そのあくびは、すぐにお腹の大きな虫の音に変わった。


これまでの戦いのアドレナリンは消え去り、後に残されたのはタイタン級の兵站問題だった。

30体以上の巨大な獣たちのクルーを養うには、1日に何トンもの食料が必要なのだ。


過酷な戦闘マラソンと、回復のための長い睡眠を経て、船の食料の備蓄は完全に底をついていた。船倉は劇的に空っぽだった。


船長は足を引きずりながら船尾へ向かった。

軽快な跳躍で、彼はガレオン船の後部を支配する暗い木に彫られた巨大な犬の鼻面の上に直接座った。


彼は水平線を見つめ、海岸線が見えないかと期待したが、陸地の気配はなかった。四方八方、果てしない青い海が広がっているだけだ。


「腹減った……」


レオンはレザージャケットの下で腹をさすりながら不平を漏らした。


「世界で最も速くて強力な船を持ってるってのに、海のど真ん中で餓死するんじゃ何の意味もねえよ」


「そう思ってるのは船長だけじゃありませんよ」


ポールがしっぽを力なく垂らして彼に加わり、ため息をついた。

巨大な鉄茨のベヒーモスでさえ、空っぽの甲板を見つめながら悲しげに唸り声を上げている。


しかし、海は彼らのドアの前に朝食を届けることを決定したようだった。


アリックのシステムセンサーが微かな笛の音を鳴らした。

朝霧の中から、二つの銛に貫かれた頭蓋骨の旗を掲げた、脅威的で巨大なガレオン船が2隻現れたのだ。


船は素早く弩級戦艦の側面に回り込み、挟み撃ちの陣形をとった。

その甲板には、完全武装した少なくとも100人の傭兵がひしめいている。


システムが更新されたが、その数字は全く印象に残るものではなかった。

敵のレベルは74から76の間だ。レオンのクルーより6、7レベルも下だったが、彼らは力の差を数と傲慢さで補えると思い込んでいるようだった。


一方の船の船首で、鋭いレイピアを2本装備した細身のガゼル人のリーダーが一歩前に歩み出た。彼は一枚の羊皮紙を振っている。


「見ろよ、誰が俺たちの網にかかったか!」ガゼル人は甲高い声で笑った。「簡単に手に入る13万ゴールドコインだ! 降伏しろ、獣ども! 完全に数で圧倒している、逃げ場はないぞ!」


レオンは目を細めた。 13万ゴールドコイン?


船長は二度考えなかった。

820の速度(SPD)ポイントを駆使し、彼は目にも止まらぬ閃光となって木製の船首像から姿を消した。


ガゼル人は風の突風だけを感じ、次の瞬間には、指に挟んでいた紙が消え去っていることに気づいた。


レオンは元の場所に戻り、船尾に座ったまま、平然と新しい手配書を広げていた。


「な、どうやって……」狩人のリーダーは顔面を蒼白にしながら口籠もった。


レオンは手配書を読んだ。そして彼の鼻面は、純粋な嫌悪のしかめ面に歪んだ。

似顔絵は完璧だったが、その文字は彼のエゴに対する侮辱だった。


【 手配対象:レオン ”犬人(ドッグマン)” - 13万ゴールドコイン - 死体のみ 】


「犬人だと……まだこのクソみたいなあだ名かよ!」


レオンは手配書を丸めて海に投げ捨て、唸った。


「俺には天空のドラゴンもいるし、潜水艦の旗艦もある。海軍の指導者だって殺したんだぞ! それなのにまだ『犬人』だと!? この世界には創造性への敬意ってものがないのか!」


アナベルがポールの隣に進み出て、短剣を握りしめた。少女の縦長の瞳孔が細くなる。


「船長、気をつけてください。奴らは起源の航路の『海賊狩り』です。無慈悲な狩りで有名な、この海域では悪名高いグループです」


その言葉に、レオンの耳がピンと立った。

暗い気分は一瞬で吹き飛び、代わりに32本の歯をすべて見せるような大きな笑顔に取って代わられた。


「有名なグループ、だと?」


船長は犬歯を舐めながら叫んだ。


「なるほど、奴らが有名だってことは、あの船の上にはたっぷりの酒と金、そして何より……食い物が山ほどあるってことだな!」


その音は、彼らの耳には音楽だった。

甲板にいた軍隊全体が、無気力から一斉に目覚めたのだ。


火山ヒドラが3つの顎を大きく開き、純粋なマグマのトリプルブラストをチャージする。

ベヒーモスは斧に暗黒の炎を纏わせ、天空のドラゴンは喉の奥に星の光を集め始めた。彼らは一瞬で2隻のガレオン船を蒸発させる準備を整えていた。


「やめろ! この馬鹿ども!」


レオンは跳ね起き、腕を振って叫んだ。


「船を壊すな! もし燃やしたら、食い物もラム酒も全部燃えちまうだろ! コラテラルダメージはなしだ! 賞金稼ぎどもを接近戦で排除しろ!」


命令は受理された。

炎と破壊的な能力は即座に消火された。モンスターたちはただサディスティックに微笑み、指の関節を鳴らして爪を研いだ。


「奴ら……武器を下げているのか?」敵の狩人の一人がどもりながら言った。「俺たちを舐めてやがる! 全員殺せ!」


伝説的なスピードに自信を持つガゼル人が、前方にダッシュした。

彼はぼやけた影となり、レオンを串刺しにしようと弩級戦艦の甲板に跳躍する。


しかし、彼が黒い木に触れる時間すらなかった。


ポールが捕食的な笑みを浮かべ、彼の軌道をインターセプトした。

レベル81の反射神経とバンダナのバフにより、猫人はガゼルよりも圧倒的に速かった。


「かけっこがしたかったのか?」


ポールは彼を嘲笑った。

破壊的な【雷の刃】の一撃で、ポールのサーベルはリーダーの武器を綺麗に切断し、青い電気の閃光と共に胸を貫き、彼を床に力なく崩れ落ちさせた。


リーダーを失った戦いは、戦術的で外科的な虐殺へと変わった。

爆発も津波もなし。


装甲ガニがハサミで敵を押し潰し、悪魔のグールが音もなく急降下して首を折り、アリックが何十人もの狩人をその場で凍りつかせ、敵の甲板を完全に無傷のまま残した。

双子ドワーフたちは、ただ盾を使って敵の歩兵を海へ突き落としていった。


3分後、100人の賞金稼ぎ全員が排除された。物資の樽一つ失うことなく。


システムは、倒した敵の驚異的な数と船長の封印(シール)の増幅により寛大になり、待望の黄金のエネルギーの雨を降らせた。


【 狩人の艦隊を討伐しました! 経験値を獲得! 】

【 LEVEL UP! 】

[船長レオン] がレベル84に到達! (+3レベル)

[クルー全員] がレベル84に到達! (+3レベル)

[天空の守護者] がレベル86に到達! (+1レベル)


「ずっと気分がいいぜ」


レオンは残った疲労が消え去るのを感じながらため息をついた。

だが、真の勝利はレベルではなかった。


「船倉を空にしろ!」船長が命じた。


従順で飢えたモンスターたちは敵の船を空っぽにし、エキゾチックな果物や野菜の木箱、塩漬け肉の樽、そして最高級のラム酒を運び込んだ。

アナベルは無駄な時間を過ごさず、火を起こして可能な限りのものをすぐにグリルし始めた。


略奪を監督している間、レオンは敵の船長の船倉で見つけた小さな木箱を開けた。

中には、更新された最新の手配書の分厚い束が入っていた。退屈そうにパラパラと捲っていると、彼の一枚の羊皮紙に目が止まった。


彼は息を呑んだ。

その肖像画には、傷だらけの巨大なカバ、伝説的な名声を持つ暴漢が描かれていた。


【 手配対象:グログ ”起源の航路の止まらない厄災” - 13万ゴールドコイン 】


レオンは羊皮紙を握りしめ、しわくちゃにした。彼の目は純粋な憤りで血走り始めた。


「13万コインだと!?」レオンはポールの顔の前で紙を振り回し、キレた。

「全く同じ額の懸賞金だぞ! なのに奴は海の最も危険な厄災として『起源の航路の止まらない厄災』なんて分類されて、俺はただの『犬人』だと!? 海軍は俺に何の恨みがあるんだ!? これ書いたの幼児か何かか!?」


ポールは、焼けた海獣の太ももの後ろに鼻面を隠し、辛うじて笑いを堪えた。


レオンはアナベルが手渡してくれたスパイスの効いた巨大な肉の塊に歯を突き立て、苛立ちにもかかわらず純粋な喜びの声を漏らした。

「最高の目覚めだな。運200は決して俺を裏切らないぜ」


船長は船首の近くに座り、ついに腹を満たした。

彼が最後の一口を噛み砕いていると、海を覆っていた霧が晴れ始めた。遠くに、山がちな島の壮大なシルエットが現れた。


しかし、レオンの注意を引いたのは陸地ではなかった。


反対側の航路から、かつてないほどの傲慢さで波を切り裂きながら、明るい木材で作られた巨大なガレオン船が弩級戦艦の横に並ぼうとしていた。


敵船のバルコニーから手すりに寄りかかっていたのは、恐ろしいほどのサイズを持つ巨人だった。

重いレザーコートを羽織ったカバの獣人、グログが、小さく無慈悲な目でレオンをじっと見つめていた。


巨像は海に唾を吐き、岩から削り出されたような笑みを浮かべた。


「見ろよ、誰がいるか」グログは、地震のように深い声で言った。


レオンは咀嚼をやめ、鼻面を拭った。


「驚異の島で……」グログは唸った。「あの湾に海軍を連れてきたのは、お前だな?」


レオンは答えなかった。巨人の揺るぎない視線を受け止め、沈黙を保った。


グログは目を細めた。

「どうやった? お前の特別なステータスは何だ、犬? 近くで見ると……お前は全く強そうに見えないな」


レオンの心臓が跳ねた。特別なステータス?

その瞬間まで、船長はこのカバの獣人がこの世界の土着のモンスター、単なる高レベルの海賊だと思っていた。


しかし、その言葉がすべてを変えた。グログは知っている。彼もまた、異常(アノマリー)なのだ。


巨像は巨大な両手剣を掲げ、レオンの胸に真っ直ぐに向けた。


「決闘を申し込む」グログは、致命的な自覚に満ちた笑みを浮かべて雷鳴のように言った。「人間対、人間だ」

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


もし少しでも「面白かった」「続きが読みたい」「犬人船長がんばれ!」と思っていただけましたら、ページ下部からの**【評価】と【ブックマークの追加】**をしていただけると、執筆の何よりの励みになります。


皆様の応援がシステムをハックする(?)原動力です!

次回もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。