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第44話:雲の木と真実の玉座!〜石碑が告げた恐るべきルールと、転生者同士の『殺し合い』という残酷な宿命〜

白大理石と黄金でできた神殿の廃墟は、彼らの前に静かにそびえ立っていた。


何世紀、あるいは何千年もの時の流れを拒絶するかのように、荘厳で手つかずの姿を保っている。


レオンは巨大な入り口のアーチをくぐった。

前腕には【伝説の盾】をしっかりと固定し、筋肉を張り詰め、いつでも飛び出せるよう身構えている。


彼のそばでは、アリックが氷河のような霜のオーラを漂わせて浮かび、影を刈る鴉は黒曜石の大鎌を抜き放ったまま歩を進めていた。

その後ろには、新たに雇用された巨大な地獄の熾天使(インフェルノ・セラフ)が、新しい船長の意志に服従し、頭を垂れながら続いている。


船長は待ち伏せを警戒していた。

何しろ、この浮遊する空間はレベル78の生物によって守られていたのだ。しかし、聖域の内部は空っぽの大聖堂だった。


きらびやかな宝物もなければ、彫刻が施された柱の間に潜むモンスターもいない。

あるのは非現実的で、ほとんど神聖とさえ言える静寂だけ。それを破るのは、硬い雲の床を踏むレオンのブーツの音だけだった。


船長は眉をひそめ、ほんのわずかに警戒を緩めた。


「空っぽか」


巨大な黄金のドームの下で、レオンの声が反響した。


「歓迎の挨拶のためにあれだけ苦労させておいて、略奪するものは何もないってのか?」


しかし、まさにその瞬間だった。

船長の首から下がっている【EXP Plus Seal】が微かに振動したのだ。


絶え間ない黄金の経験値の流れが、彼のバイタルバーへと注ぎ込まれ始めた。

自分が殺したものではない何かから送られてくる、暖かな力の細流。


レオンは立ち止まり、自分の胸を見下ろした。

誇らしげな、牙を剥き出しにした笑みが彼の鼻面を歪める。


「どうやら下の方で、手をこまねいてない奴らがいるみたいだな」


彼は何千メートルも下にある、見えない海を見つめながら囁いた。


◇ ◇ ◇


地上では、戦いの轟音が耳をつんざいていた。


オアシス島の崖沿いにある半ば水没した洞窟のネットワーク、【暗黒潮のカタコンベ - Bランクダンジョン】は、文字通りの屠殺場と化していた。


「もっとだ! 手を休めるな! すべての部屋を完全に平らげろ!」


ポールが叫びながら、【崖トロール - レベル65】の群れの中を青い稲妻のように駆け抜けた。

精鋭戦士のサーベルが一閃すると、一撃で二匹の獣の首が飛び、電気の火花を四方に撒き散らした。


巨獣の軍隊全体が、ロードローラーのように突き進んでいた。


キング・トリトンは三叉槍で呼び出した津波で何十匹もの下級モンスターをなぎ払い、鉄茨のベヒーモスは洞窟の岩柱をなぎ倒して逃げ惑う敵を押し潰していく。

天井からは、3体の悪魔のグールと10体の始祖の火山蜂が、動くものすべてにマグマと酸の雨を降らせている。


アナベルはドラゴンの翼を広げ、死体の山の上に重々しく着地した。彼女の炎の刃は、かつてない高温で燃え盛っている。


「経験値が狂ったように流れ込んでくるわ!」


リザードマンの少女は息を弾ませ、猫人に向かって獰猛な笑みを向けた。


「このペースで洞窟をクリアし続ければ、船長が突っ立って寝てたとしても、レベルアップさせるのに十分なエネルギーを送れるわよ!」


ポールは武器の柄を強く握りしめた。暗いダンジョンの中で、彼の黄色い目は決意に燃えていた。


「俺たちの義務だ、アナベル。船長がどこにいるのか分からないなら、上空で何が起きようと生き残れるくらい、俺たちが彼を強くしてやるんだ。前進だ、お前ら! ダンジョンの心臓部へ向かえ!」


レベル72のモンスターの軍隊は一斉に咆哮し、破壊の行進を再開した。


◇ ◇ ◇


何千メートルも上空で、レオンは空っぽの神殿の身廊を完全に通り抜け、奥の開口部から外へ出た。


目の前に現れた光景に、彼はピタリと足を止め、文字通り息を呑んだ。

神殿の奥は虚空に繋がっていたわけではなく、真っ白な大理石でできた巨大な円形の中庭へと続いていたのだ。


そして、その広場の中央には、あらゆる論理と想像を超える「何か」がそびえ立っていた。


山ほどもある巨大な樹木。

その根は、硬い雲の床に直接突き刺さっている。樹皮や有機物の葉は存在しない。幹も、果てしなく広がる枝も、葉も、すべてが極めて高密度の雲で構成されており、暖かな黄金と青の光を放って渦を巻き、まるで宇宙の心臓そのもののように脈打っていた。


その「雲の木」の幹の根元に、古代のルーン文字が刻まれた白い石の石碑が立っていた。


レオンは、その場所の神聖さに催眠術をかけられたかのように、ゆっくりと近づいていった。

彼が爪で石をなぞると、システムが音もなくその言葉を彼の心に翻訳した。


『虚無の帳(とばり)より引き裂かれし、八つの異邦の魂。

絶対限界の印(しるし)で鍛造されし、八つの異常(アノマリー)。

彼らには起源の航路を往くことが許される。海は弱者を喰らい、空は沈黙して見守る。


だが、世界の果てに隠されし「真実の玉座」は、同盟も分割も許さない。

七つの炎が消されるまで、夜明けは訪れず、創造主の門が開かれることはない。


断たれし炎はすべて、その印を処刑者へと譲り渡し、恩寵を融合させ、完全なる被造物を鍛え上げる。

同胞の血と力に浴した最後の後継者(ラスト・ヘアー)のみが、己の救済とこの世界の秘密を要求できるであろう』


レオンは呼吸を止めた。


彼の前足は震え、ゆっくりと脇へ下ろされた。

暴力的な吐き気の波が彼の胃を掴み、体を二つ折りにさせた。

世界が一瞬にして彼の上に崩れ落ちてくるように感じられ、純粋で暗く、背筋の凍るような冷気が彼の静脈を麻痺させた。


『断たれし炎はすべて、その印を処刑者へと譲り渡す』


自分の「運」200。

獅子人アーサーの「厄災」100。

友好的だったリス人ルキウスの「ドラゴン親和性」100。


船室で彼を苦しめていたすべての暗い疑念が、たった今、最も不気味で無慈悲な形で裏付けられたのだ。


俺たちは協力するためにこの世界に連れてこられたわけではない。

俺たちを元の生活から引き裂いた「誰か」または「何か」は、病的な実験の歩(ポーン)として俺たちを選んだのだ。


宇宙のルールを曲げるほどの極端な能力を与えられたのは、巨大な生贄の祭壇の上で、俺たちを互いに殺し合わせるため「だけ」だった。

文字通り、同族の血を与えて、神をパズルのように鍛え上げようとしているのだ。


レオンは拳を握りしめ、破壊的な怒りと共に白い大理石の床を殴りつけた。

鈍い音が空っぽの中庭に響き渡った。


「なんでだよッ!!」


犬の海賊は叫んだ。純粋な、無力なフラストレーションの涙が彼の目を刺す。彼の絶望的な叫びは雲の中へ消えていった。


「これがいったい何だって言うんだ!? 答えが欲しい! なんで俺が人間を殺さなきゃならないんだ!? なんで……」


ルキウスのことを思い出した。

ビーチでのあの疲れた笑顔、自分が何者かを知りたいと願っていただけの、同じ苦しみを持つ者の迷子の目を思い出した。


そして今、この千年の石碑は、俺に奴の喉を冷血に掻き切れと言っている。

俺がこの狂気の海で見つけた唯一の人間性の欠片を裏切り、その力を吸収しろと。


痛かった。残酷で、引き裂かれるような痛みだった。

前の人生の無邪気さが、指の間から砂のようにすり抜けていくのを感じた。


しかしその後、生き残るという生々しく無慈悲な現実が、スレッジハンマーのような力で彼を打ち据え、涙を吹き飛ばし、氷の深淵だけを残した。


もし自分がやらなければ、他の誰かがやる。アーサーがやるだろう。

もし厄災の獅子が先にルキウスを見つければ、ためらうことなく彼を虐殺し、ドラゴンを操る力を吸収して無敵の存在になるだろう。アーサーは力を蓄積し、そして自分を狩り出し、アナベル、ポール、アリック、そして自分のクルー全員を存在ごと消し去るだろう。


選択の余地はなかった。

この世界では、お前が処刑人になるか、それとも処刑人の餌になる生贄になるかだ。


もう一つの事実が、突然、はっきりと鋭く彼を打った。


レオンはピースを繋ぎ合わせた。

獅子のアーサーは、厄災100しか持っていなかった。

リスのルキウスは、ドラゴン親和性100しか持っていなかった。


もし彼らのどちらかがすでに他の転生した人間を排除していたなら、彼らは絶対限界まで押し上げられたステータスを二つ以上持っていたはずだ。

しかし、彼らは一つしか持っていなかった。


これは極めて重要なことを意味している。本当の殺し合いは、まだ始まっていない可能性が高いということだ。

おそらく、8つの異常(アノマリー)はまだ全員生きている。誰も他人の力を吸収していない可能性が非常に高い。


そして、さらに重要なディテールがあった。

この聖域は空に隠されている。ハリケーンと自分の計り知れない「運」に導かれて、奇跡的に見つけた到達不可能な神話の場所だ。

アーサーを含め、外にいる他の人間たちは、この狂った死のゲームの本当のルールを知らないまま、盲目的に航海している。


真実を知っているのは、俺だけだ。


彼はたった今、他の7人の対戦相手全員に対して、計り知れない戦術的・心理的優位性を獲得したのだ。


レオンは再び立ち上がった。呼吸は重いが、安定している。

彼の眼差しは根本的に変わっていた。哀れみやショックは、冷たく逃れられない、暗殺者のような決意に道を譲っていた。


(俺のクルーを守り、生き残るために、俺がこの予言の怪物にならなければならないのなら……なってやる)


その啓示の重みが彼を決定的に冷酷な海賊船長へと変貌させた時、彼の上にある巨大な雲の木が震え始めた。


世界そのものと同じくらい古い、深いうなり声が、石碑とブーツの下の床を振動させた。

葉を形成していた黄金の雲が激しく渦巻き、凝縮して実体のある形をとり始める。


この家の主は、レオンに未来の「ドラゴン親和性」スキルをテストするための完璧な標的を提供しようとしていた。


青いインターフェースが、レオンがこれまでに見た中で最も暗く、最も脅威的な赤色に染まった。


【 最高の天空聖域の守護者(ガーディアン・オブ・エンピリアン・サンクチュアリ) [ゾーン・ボス] - レベル85 】


クリスタルの鱗と星の光でできた翼を持つ巨大なドラゴンが、黙示録的な衝撃音と共に石碑の前に着地し、咆哮を上げ、侵入者に向かって純粋なマナの嵐を吹き付けた。


同時に、何千メートルも下では、ポールとアナベルが海岸の洞窟の最後の岩の扉を打ち破っていた。

巨獣の軍隊全体がダンジョンの最終ホールになだれ込み、暗闇の中で待ち構えていた海のボスと真正面から対峙した。


ポールの筋肉が膨れ上がり、彼の笑顔は純粋な闘争心の致命的なマスクへと広がった。


「船長のために!!」


猫の戦士は、止まらない大軍団と共に突撃しながら叫んだ。


空高くで、レオンは一歩も引かなかった。

戦闘態勢に滑り込み、腕を伸ばして盾を前に出し、自分自身の運命を掴み取る準備を整えた。


「アリック……カラス……熾天使!」


レオンは巨大な天空のドラゴンに向かって牙を剥き出しにして唸った。


「【船長の鼓動(キャプテンズ・ハート)】!!」


深紅の衝撃波が彼の胸から超新星のように爆発した。

そのエネルギーは、彼の小さな天の先衛に人間離れした力を注入しただけではなかった。


それは文字通り、ブーツの下の雲の海を貫き、何千メートルも落下して地上に激突し、突撃のまさにその瞬間に、暗いダンジョンの中にいるポールとアナベルの軍隊全体を包み込んだのだ。


クルーの絆が、たった今、二つの戦場を一つに結びつけた。


レオンは獰猛に微笑んだ。


「さあ、始めようぜ!」

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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