第43話:【運】が導いた空島と、レベル78ボスの強襲!〜空でも地上でも船長を信じて戦う、離れ離れのクルーたちの絆〜
ハリケーンの内部では、世界は論理的な意味をなしていなかった。
風の轟音は他のすべての音をかき消したが、墜落の恐怖は一瞬たりとも3人の心によぎらなかった。
大気の渦がその推進力を使い果たし、目が眩むような高度の開けた空へと彼らを吐き出した時、致命的な落下は起こらなかった。
影を刈る鴉は単に巨大な黒曜石の翼を広げ、素早い身のこなしで薄い空気の中で姿勢を安定させた。
実体のない亡霊であるアリックは、凍てつく気流に乗って平和に浮遊していた。
そしてレオンは全く動じることなく、彼のパッシブスキル【無限跳躍】に頼った。
彼が一歩踏み出すごとに、青いマナの小さな円盤がブーツの下に自動的に実体化し、船長は虚空を文字通り散歩しながら、完全なコントロール下で高度を下げることを可能にしたのだ。
彼らは柔らかくコンパクトな表面に着陸した。骨折はなかったが、着地は決して痛みを伴わないものではなかった。
レオンの足が地面に触れた瞬間、世界が目まぐるしく回転し始めた。
信じられないほどの気圧低下と、ハリケーン内での終わりのない狂ったような回転が合わさり、割れるような頭痛を引き起こしたのだ。
船長は前足をこめかみに当て、歯を食いしばりながら膝から崩れ落ちた。
「10分……10分時間をくれ」
レオンは犬の目をきつく閉じ、爆発しそうな頭蓋骨をマッサージしながら呟いた。
アリックとカラスは怯むことなく、無言でリーダーの周りに警戒態勢を敷いた。
薄い空気の中で10分間の長い深呼吸の後、ようやくその苦痛の鼓動は収まった。
レオンはゆっくりと立ち上がり、三角帽子を直し、ついに周囲を見回し始めた。
ブーツの下にあるのは岩や暗い土ではなく、スポンジのような白い地面だった。
彼はその異常な崖の端まで歩き、下を見下ろした。海の痕跡はなかった。そこにあるのはただ、果てしなく広がる、目も眩むような純白の雲だけだった。
そして彼らの前には、固まった霧の橋で繋がれた、重力を無視して浮かぶ白石と黄金の建築物が広がっていた。
空島だ。
レオンは純粋な有頂天の笑顔を見せ、『7つの海の指輪』が輝く拳を握りしめた。
「俺の『運』200」
船長は犬の目を輝かせながら囁いた。
「ただランダムに吹き飛ばされたわけじゃない。俺のステータスが文字通り俺をハリケーンに引っ掛け、ここへ運んだんだ。こんな場所には絶対に何かエピックなものが隠されてるはずだ。行くぞ、お前ら、探索だ」
アリックとカラスは無言で頷き、リーダーの脇を固めて荘厳な天の遺跡を進んだ。
その場所は神聖で忘れ去られたオーラを放っていたが、その超現実的な静寂はすぐに破られた。
歪んだ、深く不自然な鳴き声が静寂を粉砕した。
廃墟となった神殿の屋根から、3つの影が急降下してきた。
それは山羊だったが、そのプロポーションはグロテスクな忌まわしきものだった。
彼らの鼻面は悪魔のマスクのようで、恐ろしい笑みに歪み、黒い角が生えている。しかし、彼らの背中からは、天使のように純粋で汚れのない巨大な羽の生えた翼が伸びていたのだ。
ホログラムのインターフェースが赤く点滅した。
【 堕落した智天使の山羊 - レベル71 】×3
「レベル71か」
レオンは呟いた。
「ちょうど俺と同じレベルだ。素晴らしい歓迎の挨拶だな」
レオンは本能的に武器を抜こうと手を伸ばしたが、空を切った。
彼は歯を食いしばりながら悪態をついた。彼の斬り込み用の鎖鉤は、風の猛威によって容赦なく奪い去られていたのだ。幸いなことに、彼の伝説の盾は左前腕にしっかりと固定されたままだった。今、彼はそれと強力な牙だけを装備していた。
3匹の悪魔の山羊は頭を下げて突進してきた。
レオンは一歩も引くことなく、素早く盾を外し、投擲武器のダメージを倍増させるパッシブスキル【必殺の射手】を利用して、恐るべき力のすべてを込めてそれを投げつけた。
金属の円盤は弾丸のように空気を切り裂き、鈍い音と共に最初の山羊の悪魔の鼻面に真っ直ぐに激突し、その角を砕き割って床に叩き落とし、完璧な軌道で船長の前足へと跳ね返ってきた。
同時にアリックが滑るように進み、永久凍土の波を放って2匹目の獣の白い翼を綺麗に凍りつかせ、氷の塊のように地面へと墜落させた。
カラスは上空から降下し、黒曜石の大鎌で動けなくなった生物をなぎ払った。
3匹目の山羊はレオンを角で突こうとしたが、船長は空中で跳躍し、モンスターを飛び越えてその背中に着地した。
彼は獣の頸動脈に歯を突き立てる。
【犬の噛みつき】のパッシブによってすでに2倍になっていた噛みつきの力は、【野獣の指輪】の力によって文字通り4倍になり、モンスターの首をまるで紙を破るように簡単に引き裂いた。
3匹の獣は光の粒のシャワーとなって消え去った。
しかし、3人の海賊が安堵する暇もなく、空が恐ろしい咆哮と共に引き裂かれた。
雲の中から、先ほどのものより2倍は大きい生物が、地面を震わせるほどの衝撃と共に舞い降りた。
その外見は反転しており、さらに不穏なものだった。黄金の角に縁取られた天使のような穏やかで神聖な鼻面を持っていたが、その背中からは、漆黒の巨大な悪魔の皮膜翼が広がっていたのだ。
【 地獄の熾天使 [ボス] - レベル78 】
レオンは目を細め、力の差を素早く計算した。
(俺より7レベル上。レベル78……厄災の獅子アーサーと全く同じギャップ、そして同じクソみたいな力か)
力の差はすぐに現れた。
ボスは天使のような顎を開き、暗く焼け焦げるような光の集中ビームをグループに向けて発射した。
アリックは3メートルの厚さの永久凍土の壁を立ち上げて反応したが、ビームの威力は壊滅的だった。
氷は数分の一秒でシュワシュワと溶け、蒸気の雲の中で亡霊を後方へ吹き飛ばした。
カラスは煙を利用して側面から攻撃しようとしたが、ボスは巨大な悪魔の翼で空気を打ち据え、黒曜石の鳥をなぎ払い、大理石の柱に激突させた。
レオンは獣の続く突進を払いのけるために盾を掲げたが、衝撃は残酷なほどで、彼の膝が折れ曲がった。
船長は後方へ滑り、踵で硬い雲を削った。
「よし、本気で行くぞ」
レオンは地面に唾を吐き、獰猛な視線を上げて唸った。
「【船長の鼓動】!」
深紅の衝撃波が超新星のように彼の胸から爆発し、アリックとカラスを洗い流し、瞬時に彼らの全ステータスを倍増させた。
ボスからの圧倒的な圧力は蒸発した。
ほんの少し前に吹き飛ばされたアリックは、その衝撃を完全に無視して再び立ち上がった。
シンプルかつ力強い手の振りで、彼は絶対的な氷の嵐を解き放ち、モンスターの天使のような顔を圧倒して盲目にし、その角を瞬時に凍結させた。
ボスは方向感覚を失い唸り声を上げたが、カラスは反応する隙を与えなかった。
影のぼやけとなって突進し、その致命的な鉤爪を悪魔の翼の皮膜に沈め、骨まで引き裂いてクリーチャーのバランスを奪った。
「これで俺とお前だけだ!」
【野生の疾走】で、レオンは瞬きする間に距離を詰めた。
彼は伝説の盾を上に向かって投げ上げた。大砲の弾のような力でボスの天使の顎の真下に直撃する、純粋な金属のアッパーカットだ。
獣の頭は大きな音と共に後ろへ反け反った。
盾が落ちてくるのに合わせて、レオンは空中ジャンプを使い、スタンした鼻面の高さまで自身を推進させ、飛行中の盾をキャッチして視界を守りながら、超強化された致命的な犬の牙をクリーチャーの喉元に真っ直ぐ突き立てた。
ボスは雲の上に崩れ落ち、二度と立ち上がることはなかった。
レオンの胸の『EXP Plus Seal』が激しく振動した。
【 地獄の熾天使(Lv. 78)を討伐しました! 莫大な経験値を獲得! 】
レオンは強大なボスの死体に近づき、息を切らしながらも勝利に満ちていた。海賊のオーラが威圧的に顕現した。
「お前は俺と一緒に来るんだ」
【 地獄の熾天使 - レベル78 】を雇用しました。
【 クルーステータス更新:32 / 32 - 最大容量到達 】
クリーチャーは再び立ち上がり、悪魔の翼はシステムの契約によって修復され、絶対的な服従の印として天使の頭を垂れ、船長の軍隊の最後の空きスロットを埋めた。
その直後、システムの黄金の音が澄み切った空に響き渡った。
蓄積された経験値がレオンを前進させ、彼をレベル71から72へと引き上げた。
インターフェースを開き、船長は満足げに微笑んだ。
クラスの契約は、海面にまで経験値を分配していたのだ。
アリック、カラス、そして海に残された巨大なクルー全員も――すでにレベル73であり74に到達したタイタン級の火山ヒドラを除いて――たった今レベルを上げ、全員がレベル72の閾値に到達していた。
◇ ◇ ◇
何千メートルも下では、オアシス島の海岸でハリケーンが最近収まっていた。
破壊された宿屋の近くの岩だらけのビーチで、ポールとアナベルは晴れていく空をスキャンし、リーダーの運命に苦悩しながら心臓を喉から飛び出させんばかりにしていた。
その時、突然、彼らはそれを感じた。
熱と純粋なアドレナリンの波が彼らの胸で爆発した。筋肉が膨張し、感覚が人間離れしたほど研ぎ澄まされる。
紛れもない【船長の鼓動】の深紅のオーラが、見えないマントのようにどこからともなく降りてきて、二人だけでなく、弩級戦艦に停泊している巨獣の軍隊全体を包み込んだのだ。
彼らのすべてのステータスが、遠くからたった今倍増したのである。
一瞬後、システムの音が響き、黄金の光のビームが二人の士官と軍隊の大半を包み込んだ。
【 経験値分配中…… 】
【 クルー全員がレベル72に到達! (71 -> +1) 】
【 原初の火山ヒドラがレベル74に到達! (73 -> +1) 】
「生きてる! そしてどこかで戦ってるわ!」
アナベルは歓喜し、爬虫類の目を嬉し涙で満たした。彼女は拳を握りしめ、獰猛に微笑んだ。
「彼の『運』は保証付きだって言ったでしょ! 私たちはこの辺りで彼を待たなきゃ、ポール。遅かれ早かれ、彼は戻る方法を見つけるか、彼がどこにいるのか教えてくれるはずよ。待つのが最善よ」
ポールは頷いたが、彼の黄色い目は決して受動的ではない、揺るぎない忠誠心に燃えていた。
猫人はベルトの革袋を開け、巨人の島のビーチでの戦闘中に狼人提督から奪った貴重な軍事地図を取り出した。
彼は濡れた砂の上に急いでそれを広げ、それから彼らの背後で静かに待機している獣と装甲の巨人の巨大な軍隊の方へ振り返った。
「俺たちにとって、待つだけじゃ不十分だ、アナベル」
猫は、新しく力強い決意を込めた声で唸った。
「今のところ、彼が一体どこへ行ったのかは分からない……だが、それでも俺たちには彼を助けることができる」
リザードマンの少女は混乱して彼を見た。
「どうやって?」
「クラスの契約は、俺たち全員で経験値を共有する」
ポールは、新しく広げた軍事地図の特定のポイントを爪で叩きながら説明した。
「ここからそう遠くない海岸沿いにダンジョンがある。もし彼がどこにいようとモンスターを殺しているなら……俺たちも同じことをするまでだ」
彼はサーベルを抜き放ち、青い電気をパチパチと鳴らした。一方、バフの深紅のオーラが彼の巨大な猫の腕で、戦いへの誘いとして脈打っている。
「俺たちの船長のために、レベルを上げる時間だ。準備しろ、お前ら。狩りに行くぞ」
【 総合船員ステータス 】
最大容量:32 / 32 スロット使用
アリック (霊体の副船長) - レベル: 72 (71 -> +1)
キング・トリトン [ボス] - レベル: 72 (71 -> +1)
ポール (精鋭戦士) - レベル: 72 (71 -> +1)
アナベル (冥界の暗殺者) - レベル: 72 (71 -> +1)
原初の火山ヒドラ - レベル: 74 (73 -> +1)
地獄の熾天使 (新規) - レベル: 78
始祖の火山蜂 (x10) - レベル: 72 (71 -> +1)
鉄茨のベヒーモス - レベル: 72 (71 -> +1)
マストドン捕食キノコ (x2) - レベル: 72 (71 -> +1)
悪魔のグール (x3) - レベル: 72 (71 -> +1)
影を刈る鴉 - レベル: 72 (71 -> +1)
深淵のオーク (x3) - レベル: 72 (71 -> +1)
巨大な双子ドワーフ (x2) - レベル: 72 (71 -> +1)
装甲ガニ (x4) - レベル: 72 (71 -> +1)
【 船長ステータス 】
名前: レオン | クラス: 海賊船長 | レベル: 72 (71 -> +1)
HP: 705 / 705 (700 + 5)
攻撃力 (ATK): 440 (435 + 5)
防御力 (DEF): 470 (465 + 5)
速度 (SPD): 725 (720 + 5)
運 (LUCK): 200 (MAX、7つの海の指輪により倍増)
残りステータスポイント: 90 (80 + 10)
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
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