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君の無防備にチュウをする

“好き”を確かめ合う。


 一口に言っても、様々な方法がある。


 ハグをする。キスをする。もしくはそれ以上の事も……。



 そんな中から俺たちは手を繋ぐことを選んだ。



「やっぱ、これが一番落ち着くね〜」

「まぁ……一番最初にしたイチャイチャだしな」

「んー、それもあるけどちょっと違うかな〜」

「まだ何かあるのか?」

「『大和が彼氏で良かったな〜〜』って改めて思った時だよ」

「そ、それを言うなら俺だって、梨花が彼女でよかったって思ったさ!」

「えー? 本当かなー?」

「本当だってば」



 しばらく俺を見つめながらやりとりを続ける梨花。

 その彼女の顔を見つめていると、頬がわずかに桜色に染まっていくように感じ取れた。

 それと同時に俺の頬に熱いものが込み上げてくる。

 梨花に、『好き』を伝える事は何度もあったが、今は野外。そうなると、少しばかり緊張感が走る。


 梨花に何も変化が見られない。あるとすれば、頬の僅かな桜色。

 たったそれだけだが、少しでも意識していて欲しいな……。そう思っていると、梨花は満面の笑みを俺に向けてくる。


「じゃあ、そういうことにしてあげる〜」


 そう言って。



「じゃあってなんだよ、じゃあって」

「えへへ〜〜」

「ほんと、よく笑うよな、梨花は」

「大和といるのが幸せだからね〜」

「そりゃよかった」

「ありゃ、照れないの?」

「もう充分照れたよ。だから今日の照れは閉店しました」

「彼女と一緒にいる時くらい常に開けておいてよ!」

「とんだ迷惑客だな」


 常に照れていたらニヤニヤしすぎて表情筋が壊れて崩壊するのではないだろうか……。



 そんな事を考えていると、梨花の勢いが増す。



「そうだよ〜。私は迷惑客。大和にイチャイチャを強要する迷惑客だよ〜。さぁ、私ともっとイチャイチャするんだ!!」

「はいはい、分かりましたよ」


 こういう、勢い任せの時の梨花は止められないと分かっているので、俺は止めない。

 止めたくない。

 止めるどころか、むしろ……


「……これでどうよ?」


 俺は押し倒すようにして梨花にハグをしたくなった。


 意味はない。ただしたくなった。ただそれだけ。


 顔を横に向ければ、大好きな梨花の横顔がすぐそこにある。

 こんな状態が俺は好きだ。


 しかし、梨花は何故かノリノリで

「ま、まだまだだよ……? 私はまだ、満足してないからね……!」

 と口にする。


 しかし、『満足していない』と言われてしまったら俺も手段は選んでいられない。


「なら、こうしてやる」

「うひゅ……っ!!」


 無防備な首筋に俺の唇を当てると、梨花は体を跳ねながら可愛い声をあげた。


「えっ……ちょ、大和!?」

「まだまだ、満足してないんだろ?」

「しました……!しましたから、それもうやめて! なんか、こう……変な気分になっちゃうから!!」

「いつも俺を変な気分にさせてるんだから、今日くらいは、もう少し付き合ってくれ」

「あっ……うぅ……。大和が本物の変態さんみたいになっちゃったよぉ……」

「さっき、人前でキスをしてきた子が何を言ってるんだか……」


 こんなやり取りをしていながらも、俺は絶えずして梨花の首筋に唇を寄せ続ける。

 その度に梨花の体温が上がっていくのが分かり、ますます彼女を知りたくなり唇を寄せる頻度が高まっていく。


 花より団子。

 花火より可愛い彼女。


 俺は花火そっちのけで、梨花とのイチャイチャに夢中だった。


 今までの鬱憤を晴らすかのように、無防備な梨花の首筋に愛の痣を無数につけていく。

 耳を赤くして、口では止めるように言いつつも、彼女の体は正直で力が弱くなっていく。



 そしてそのまま、打ち上げ花火が終わるまで俺と梨花はハグをし続ける。

 途中、俺の首元に反撃されたが、そのまま身を委ねる事にした。


 俺は独占欲が強い。手首に巻くチョーカーのように、いつでも梨花を感じられるものが欲しい。

 それが首元に宿ったのだから、嬉しくないはずがないのだ。


 そして、花火大会が終了したことを察した俺たちはそのまま、カップルシートを後にした。

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