巫女の守護者 仙痛命酔11
羽黒と向かい合わすように、テーブルの奥にはメガロヴァニアとベアリーヌの二人が座っている。それを睨むように羽黒は二人の顔を見て「何しに来た」悪態をついた。するとメガロヴァニアは手をベアリーヌの頭の後ろにと持ってきてベアリーヌを謝らせるように顔を下げさせた。そしてメガロヴァニアも共に顔を下げ、放った言葉は謝罪だった。
「彼女が君を独断で襲ったことを詫びに来た。私は巫女がまだ子供だったことを知らなかった、彼女の話を詳しく聞かせてもらって初めて気づいたんだ。申し訳なかった」
羽黒は予想外の応えに戸惑いながらも睨んだ表情で言った。
「今更謝りに来たのか?真頼姉ちゃんまでにも手を出しておいて」
メガロヴァニアはベアリーヌから手を退け、顔を上げた。それを見てなのかベアリーヌも同様に顔を上げた。メガロヴァニアは何分申し訳なさそうな顔で言った。
「分かっている、それにただ許しを請いに来たわけじゃない。今回は交渉に来た」
「交渉だと?」
そう羽黒は不思議そうに言うとメガロヴァニアはポケットに入れていた眼鏡を取り出し、顔にとかけた。ベアリーヌはそれに合わせるように鞄の中からクリップで留められた数枚の紙をメガロヴァニアにと渡した。メガロヴァニアはそれを受け取り、目を通しながら言った。
「そうだ、私からのお願いは今この街で出回っている薬を取り除くことだ。これに手伝ってくれれば私たちは君たちから手を引く。その代わりいくつか巫女に質問をしたい、構わないかな?」
「元々僕たちは巫女のことには興味は無かった。だけど、Ⅳとか言う変な人に脅されて成り行きで調査していくうちに巫女の存在について興味が沸いたんだ。とは言っても興味程度だからモルモットとかは考えてないし、そんなのは非人道的だからね」
ベアリーヌはそうメガロヴァニアの説明に付け加えるように言った。だったらなぜ襲ったのだ、と聞きそうになったがここは冷静になろうと思い、怒りの念を押しとどめた。「犯人は分かっているのか」と投げやりに言うとメガロヴァニアは「ある」との言葉を発し一呼吸置いてから再び語り始めた。
「薬を出回らせている犯人の名は、沢渡雪穂、またの名を赤藤雪穂だ。巫女と言うことも分かっている」
そうメガロヴァニアは羽黒の呆然と驚いた顔を見て「知っているのか」と聞いた。羽黒は静かに頷いき、自分と雪穂の関係を一つ一つ順に語っていった。自分と雪穂がお見合い同士であったこと、幼馴染だと言う事を、そして手紙のことを話した。
「そうか、そんなことがあったとはな――ベアリーヌ、この家で巫女を守るのにお前だけでも大丈夫か?」
「?別に僕だけでもクマのぬいぐるみがあるから美琴、巫女を守ることは全然大丈夫だけど」
メガロヴァニアは冷たく、冷酷にただ「そうか」と感慨深そうに何かを思い、眼鏡を外して立ち上がった。それを不思議そうに羽黒は見上げ「どうする気だ」とメガロヴァニアにと問い詰めた。
「何もクソもない、その雪穂と言う彼女に出回っている薬を止めさせる。そしてお前は雪穂の言う神様を一発殴りに行く、雪穂に会いに行く点で私と君では一致していると思うが・・・」
その言葉でメガロヴァニアが何を言いたいのかが分かった。簡単に言うなれば、一時的に協力すると言う事だろう。迷いはあった。しかしここで変に迷っていれば美琴の命も危ない。そう思い羽黒は覚悟を決めて言った。
「分かった。だが、雪穂に害を与えるようなことはしないでください」
そう羽黒の覚悟の声を聞くと「だたらはやく、ついてこい」と鼻で笑い羽黒について来るよう言った。ベアリーヌはメガロヴァニアに手を振り「お土産期待してるよー」と何とも緊張感のないセリフを放った。
羽黒はメガロヴァニアにとついていく前に、自分の部屋にと向かった。眠っている美琴を起こさないようになるべく物音を立てずに襖を開け、自分の部屋にと入った。
荒い吐息をしている美琴を見て、壁に立てかけていた今は亡き父からの餞別の刀を掴み、美琴でもなく誰に向けてではなくただの独り言を呟くように言った。
「これが父さんの言った使い方なら僕は僕の信じるものを守るために使うよ」
それを聞いてなのか、美琴が目をうっすらと、薄目にして羽黒を見つめ「どうかしたのか?」と疲れ果てているようなおぼつかない声で言った。その一言で羽黒はほんの少しの躊躇いができた。
自分は今から雪穂のいる所に美琴を家に置いて行くのだ。もしも自分が家を空けている間に家にいる美琴が襲われたら、それを考えると自分は本当に雪穂のとこに行っていいのか躊躇いが生まれた。ベアリーヌは自分がいない間、美琴を代わりに守ると言った。しかし、羽黒は美琴の言葉を聞いて考え直すと嫌な考えに至った。抑止力団体とメガロヴァニア、ベアリーヌはつるんでいるのではないかと。まだ父、和徳が生きていた時だった。和徳は羽黒にと不意にこんなことを言ったことを羽黒は何の因果か今思い出した。
『いいか、羽黒。人に頼るのは悪いことじゃない、だから借りを作ることは悪くない。だけど、最後の最後に信じられるのは自分だけだ。だから俺も、自分の力を信じてここまでやってこれた。まあ、今は分かんなくてもいずれ分かるさ』
あの時はどう言う意味かは分からなくても今なら分かる気がする。そう羽黒は父の想いを改めて噛みしめて、あえて美琴の顔を見ないで、それでいて美琴に向かって言った。
「美琴、悪いが暫くの間お前を守れない。守護者とか関係なしに俺は今から守りたい奴を守りに行く。どんなに危険だと自分でも分かってる、けど僕は神様を殴りに行ってくる」
美琴は羽黒の言いたい事が分かったのか心配そうに「じゃが、それでは」と声を絞り出すようにして必死に言った。そして羽黒は決意が揺るがぬうちに美琴の顔の方に顔を向けて言った。今言わなければならない、そんな気に衝動を駆られて言葉を走らせた。
「それと、今後はミャルクヨの奇跡を僕に行使しないでくれ。僕は美琴の守護者としていたい、巫女の守護者ではなく。だから僕は自分の力を信じる。だから、美琴も僕のことを信じてくれ」
その場には沈黙が続いた。美琴は羽黒の言葉にただただ黙って羽黒を見つめていた。「じゃあ、行ってくる」そう羽黒は呟いて自分の部屋を後にした。
■■■
羽黒はメガロヴァニアが運転する車の後部座席に乗り、雪穂がいると思われる所にと向かうことにした。
距離的にはそんなに距離はないはずなのだが、緊張と焦りが時間を長く感じさせる。そのためか、羽黒はリズムを取るように規則的にと足を震わせていた。その様子をメガロヴァニアはミラーで見て言った。
「結局お前は何がしたいんだ羽黒君」
「・・・分からない。美琴を守るとは言ったが今僕がやろうとしている行動は美琴を危険にさらす行為だ。それに、美琴が熱を出した原因は雪穂かもしれない、それに、その原因である雪穂を守ることは美琴を見捨てることにもなりかねない。だけど、雪穂自身が神喰いの儀式をしているのかはまだ確定したわけじゃない」
するとメガロヴァニアは羽黒の発言のどこに惹かれたのは分からないが、興味深そうに「ほう」と呟いた。メガロヴァニアはハンドルを片手で握り、もう片方の手でメモとペンを出して何かを書きながら言った。
「その神喰いは何か雪穂と関係があるのか?」
「美琴が凄い熱を出したのは神喰いが原因なんだと思う。それに、手紙に書いてあったことからして雪穂は美琴に何らかの害が出るかもしれないって手紙に書いてたから・・・」
しばらくの間互いは黙り込み、何とも言えぬ空気が充満した。それを打ち壊すようにメガロヴァニアは車内全体に声を響かせるように、大きな声で言った。
「因果性ってことだな、物事には必ず原因があるってことだ。だがなぁ、そういう原因にもそうなった原因がある。つまり原因の裏にも原因がある、裏の裏ってことだ」
「それだったら、もし雪穂原因だったとしても、こんな行動に至った原因があるってことですか!?」
羽黒はシートベルトを付けていることを忘れて、前のめりにして言った。メガロヴァニアはそれを横目で見て「さあな」とだけ言ってブレーキを掛けて車を停めた。車の目の前には四階建ての建物があり、どうやらここが目的の場所らしい。
「メモに書かれた通りの所だが、この建物は――」
「なんなんだよ、もったいぶらずに教えろよ」
そう言い羽黒はメガロヴァニアよりも先に車から降りた。それを追いかけるようにメガロヴァニアも車から降りて羽黒を見つめて言った。
「・・・気を悪くするなよ、この建物は暴力団の潜伏基だ」
「!!そんな、雪穂が暴力団の一味だなんて、馬鹿げてる。こんな時にふざけるなよ」
羽黒は声を荒くしてメガロヴァニアの襟元を掴んで言った。メガロヴァニアを羽黒の手を振り払い、落ち着きを装った声で羽黒にと言った。
「そんなことは言ってない。だが、最悪の可能性は考えたほうがいいぞ。それに、暴力団って言うのは表面だけで裏はただの狂信者だなんてことはあり得なくもない」
羽黒はただただ舌打ちをして悩んだ。もしもメガロヴァニアの言う通りなのであればあの時の祭りで襲い掛かって来た者のことも、考えたくはないがある程度は理解できる。だが、雪穂はそのことを本当に知っていたうえで隠したりするのだろうか。そんな一つの悩みの渦が羽黒の行く手を阻んでいた。
「そんなに悩んでいるなら私は先に行くぞ。君が最後の最後までこなかった場合の時は二度と君は雪穂君と会話できないと思うといい」
「お前、約束が違うぞ。雪穂には手を出さないって言っただろう」
するとメガロヴァニアは鼻で笑い、眼鏡をクイっと上げて言った。
「私はな。だが、他の研究者は黙っていないぞ。他の研究者の手に渡った後のことを考えれば話はおのずと、分かるだろう」
メガロヴァニアは羽黒の事などお構いなしにずかずかと前にと進み建物中にと入って行ってしまった。羽黒も置いてかれぬよう、先を越されぬよう小走りでメガロヴァニアの後を追った。
建物にと入ると、メガロヴァニアは何か険しい顔でそこに立っていた。羽黒はメガロヴァニアの目線の先を見ると、何人もの男性が、長ドス、鉄パイプ、メリケンサックなどを持った者たちが立っていた。
「すまないが、雪穂と言う少女を探しているのだがどこにいるか教えてくれるかな?」
メガロヴァニアは険しい顔のまま複数の男性を前にして言った。すると男たちは笑い声を出した。そして複数の内の一人の男が声を出した。
「わざわざボスの居場所を言う馬鹿がいると思うか?あんたらが来ること自体ボスから聞かされてんだよ。野郎ども、さっさと片付けちまうぞ」
「羽黒君、どうやらことを穏便に動かすことはできなさそうだ。私にいい案があるのだがどうだ?」
「なんだよそれ。上手くいく保証は?」
メガロヴァニアはポケットからインカムのようなものを出し、それを羽黒にと投げ渡した。そしてエレベーターのある方向を顎で指して言った。
「お前は期を見てあそこにあるエレベーターを使って最上階まで行って下に降りてくれ。しらみつぶしで調べれば居場所も分かるだろう。私はここから階段を使って上がって行く。連絡はそのインカムだ」
メガロヴァニアの案はシンプルなものであった。だが、充分に効率の良いものだろう。「分かった。とりあえずは数を減らさないとな」と羽黒は刀を鞘から抜いて言った。
人を切ることになるかもしれなかった。それでも不思議と羽黒にはその覚悟ができていた。羽黒はいつの間にか、何かを、大切なものを守るために何かを犠牲にできる覚悟を持っていたのだ。
「それは良かった。しっかりと何かを犠牲にする覚悟を持っていて良かったよ」
そう言うとメガロヴァニアは何枚の紙を取り出し、そこに何らかの液体をかけて複数の男たちの方にと投げた。すると、投げた紙は突如と固くなり、ひらひらと宙を舞っていた紙がその場で形を膠着させ紙の角が針となり何人もの男たちに牙を剥いた。
男たちは一歩後ずさりをして何が起こったのかが理解できず唖然とその光景を見ていた。メガロヴァニアは更に何枚の紙を指で摘み不敵な笑みを作り言った。
「紙と言う物はね薄く、それでいて容易く破れる。だけどね、紙は人の肌を傷つけるのには充分すぎるほどなんだよ。もしもそんな物が突如膠着したらどうなるんだろうね。答えは今やってみた通りだ」
「ふざけんじゃねぇぞ、何ビビってやがる。相手は二人だけだ、行くぞぉぉー」
一人の男の声により周りの男たちも「おぉぉー」との雄叫びをあげ羽黒とメガロヴァニアの所にと襲い掛かってきた。それを見て羽黒は竹刀を握るときよりも力強く刀を握り強張った表情を見せた。一方メガロヴァニアは変わらず冷静な顔で襲い掛かってくる者たちを見渡して余裕ぶった声で言った。
「これくらいなら私だけでも大丈夫だ。羽黒君は早くエレベーターのボタンを押して行け。流石に長くここに居られると私も本気を出せなくて困る。この紙と液体の本質を理解できなければ巻添えをくらうだけだ。構わず先に行きたまえ」
「いいのか、流石にあんただけじゃこの数は無理なんじゃないか」
するとメガロヴァニアはどこからともなく狩猟用の散弾銃と思わしき物を取り出し、見せるようにして言った。
「安心しろ、私は君よりは年を取ってるつもりだ。熟年者の言うことは聞いておくべきだよ」
「分かった、だけどエレベーターが来るのにも時間が掛かるだろう。それまでは手伝う」
そう言い、羽黒はエレベーターの所まで走り、上にと行くボタンを押した。
ボタンを押したその時だった。背後から何者かが襲い掛かって来るのが分かり、羽黒はすぐさま刀を盾として身を守った。相手は長ドスを持っており、そのドスが羽黒の刀の刃と交わり金属が激しく当たる金属音を発した。羽黒は次の一手を出すためにも刀でドスを振り払い相手を後ろにと下がらせた。後ろにと下がらせた相手に羽黒はすかさず、祭りの時に使った短刀の木刀を相手の腹部にと突きつけた。しかし、相手はそのような攻撃を微塵ともせず、あるいは痛みなど気にしていないのか羽黒の持っている木刀を掴み、羽黒を突き飛ばした。
突き飛ばされ、羽黒は手に持っていた木刀は遠くにと飛ばされ、刀をその場で落としてしまった。
「流石はボスの作って下さった薬だ。この仙痛命酔があれば痛みなんて感じない」
羽黒は「なんのことだ」と睨み付けて言い、地に落ちた刀を再び握りしめた。一方のメガロヴァニアは驚いた顔でその男に向かって言った。
「痛みを感じなくする、それが仙痛命酔か。やはりその薬を出回らせているのはお前らの言うボス、雪穂か」
「まあな。ボスは言ってくれた、俺らみたいな惨めな団から信者になってくれれば痛みなんぞ味わう必要がなくなる薬を与えてくれるってな。それに、信者になった後も前と同じように動いていいとな。だから俺たちの今のボスは雪穂様ってわけだ」
他の者たちも「そうだ、そうだ」「あぁ」と口を揃えて同じようなことを言った。羽黒は心の底から自分がどれだけ無能なのかを味わった。あの時、雪穂に我慢をしないでくれと言った。しかしどうであろう、彼女はきっと未だに我慢しているのであろう。それなのに自分は結局何もしてあげられなかった。
あたりは大勢の者たちの声でうるさい。だが、羽黒にはそれすらも静寂のものとして聞こえてしまう。そんな事を突き付けられたって自分の想いは変わらないことは分かっている。だけど怖いのだ。雪穂に会って拒まれてしまうのではないかと。自分はあんな大きなことを言ったのにも関わらず雪穂を我慢させてしまっていたのだと考えると自分がどれだけ弱くいきっていただと。
苦悶葛藤する羽黒などお構いなしに、敵は羽黒にと襲い掛かってきた。しかし羽黒は何もせず立ち尽くしていた。そのところに銃弾が発砲され、図太い音がした。羽黒は、はっと我に返りその方に向いてみた。そこにはメガロヴァニアの持つ散弾銃から煙が出ており、メガロヴァニアが引き金を引いていた。
「いいか羽黒君、君が何を思っていて悩んでいるのかは分からない。だがね、ここで君が死んだらどうなる?君の守る巫女や雪穂君は。覚悟を持っているのならばエレベーターに乗れ。持っていなのであればここで死んでくれて構わない」
どうやら羽黒はそれほどまでに悩んでいたのか、エレベーターが来たことにすらも気付かなかったようだ。羽黒は意識を切り替えるように少しの間目を瞑って力んだ手を和らがせ、再び目を開けて言った。自分の覚悟をより強く、より鮮明にするような声で。
「分かった。僕は雪穂に聞いてくる、その上で何をすべきなのかを決めてくる」
「ほう、それは良かった。さっきので、上辺だけの覚悟かと思っていたが少しは様になったじゃないか羽黒君。そうとなったら先に行け」
羽黒は直ぐにエレベーターの中にと駆け込み、最上階のボタンを押した。
エレベーターの扉が閉まり始めた時だった。エレベーターを使い上に行こうとする羽黒に気付いたのか、羽黒の方にと長ドスを持って男が襲い掛かってきた。早く扉が閉まって欲しい羽黒の想いなど気にせず、扉はゆっくりと閉まっていき男が中にと入って来てしまうその時だった。羽黒の乗るエレベーターとその男の間に白紙の壁ができた。すると紙の壁の奥からメガロヴァニアの声が聞こえてきた。
「手間を掛けさせるな。さっきは先に行けと言っただけで急かしたわけじゃない、それに期を見てからと言っただろう、まったく」
「すまない、だけど助かった。・・・あんたも気をつけろよ」
そう羽黒がメガロヴァニアにと言うと、エレベーターの扉は完全に閉まり、上にと羽黒を乗せて行ってしまった。一階に残されたメガロヴァニアは鼻で笑い、独り言を呟くみたいに言った。
「言われなくても、そもそもここで死ぬ気など毛頭ないのでね」
メガロヴァニアは大勢の相手を見て余裕の表情で笑みを浮かばせた。しかし、それと同時に焦りもあった。メガロヴァニアの持っている武器は固まる紙と散弾銃だ。固くなる紙はあくまで痛めることに特化しており、切断したり等の致命的なことを目的としてない。そのため痛みを感じない者にはそこまで効果的ではない。一方散弾銃は近距離で撃てば致命的で、いくら痛みを感じない者でも立ち上がらせないようにはできるが一回撃った後リロードするまでの時間が掛かる。
そこでメガロヴァニアはその場で液体を掛けた紙をばら撒き、不規則的に紙の壁を作り上げた。こうすることによって障害物を作り相手との距離を置いた。更に、相手は大勢のため、壁ができたことにより分散させることができるのだ。
紙の壁を避けるようにこちらに近づいて来る者に、メガロヴァニアは散弾銃の引き金を引いて、紙の壁を貫通させて狙い撃った。
「さて、大口を叩いたのだからな。私も出し惜しみはやめよう」




