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177 白鳥翔の闘い4 ──【メテオ】


 白鳥は迫りつつある魔物たちの影を、苦々しげに睨んだ。



「──メテオ!!」


 遥か彼方の魔物たちに向けて手をかざし、白鳥がそう叫ぶと──。

 魔物たちが起こす砂煙の上空に、無数の光点が浮かび上がり、それらが線を結び……徐々に細緻な幾何学模様を形成してゆく。

 やがて完成したその魔法陣は外延部の輪郭をきらめかせ、大量の隕石をのべつ幕無しに墜としていった。


 隕石は魔物たちに直撃し、彼らの断末魔と新たな土埃を発生させた。


 だが、それら隕石の災厄を逃れた一部の魔物たちは、白鳥たちを目指して一直線に迫り来る。

 白鳥はそんな魔物の群に対し、焦りを見せることなく冷静に、徒手としゅで弓を引く動作を作った。

 

 名状しがたい厳かな和音が鳴り響き、その音色の中から生まれ出てきたかのように、光で出来た巨大な長弓が姿を現す。

 と、ほぼ同時。白鳥が素早くスペルを唱えると、いつの間にか彼の手につがえられていた数多あまたの光の矢が放たれた。



七聖覇矢セブンス・アロー!!」



 白く輝く無数の光矢が、虹色の光芒を引きながら狙い違わず、魔物達を射抜いてゆく。あっという間に全ての魔物が弾けるように青い粒子へと変えられた……。文字通りの瞬殺だ……。



 魔物を一掃した白鳥は、ほっとひと息吐こうと肺を満たした空気を、だがしかし吐き出すことは叶わなかった。

 背後に特大の違和感を感じたからだ。



「──ッ!!」

 

 嫌な予感に肩を引かれるように、ぐるりと後を振りかぶる。






 次の異変は、騎士達の間で起きていた……




 

 


 そこに広がる光景は、七転八倒する騎士たちの地獄絵図だった。


 白鳥は急いで悶絶している騎士たちに、【鑑定】スキルを施した。


 騎士達のステータス・ウインドウには──。




 ──“* 状態異常:蜘蛛毒”────。



 白鳥は【飛行魔法】で宙に舞い、大地に両のてのひらを向けた。

 先程まで生い繁っていた青草は、これまでの戦闘で根こそぎえぐられ、赤土せきどあらわにされた荒涼とした大地へと変わり果てている。


 その剥き出しの赤土の上に、巨大な魔法陣が描かれると──白く煌めきながら徐々に拡大。

 ──やがてその魔法陣が全ての騎士を飲み込んだ。




「エクストラ・ディトフィケイション──!!」



 騎士達の身体が淡く輝き、程なくして彼らは落ち着きを取り戻した。






 


 だが、ホッとひと息吐いた白鳥の安堵は次の異変によって、いとも容易く掻き消された。













 ────馬車に明日部さんの気配がない…………。

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