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178 白鳥翔の闘い5 ──【 聖橙光帯】



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 時は数刻前に遡る──。


 明日部あすべは白鳥の指示でやってきた騎士に、【注意力低下】を施していた。

 と同時に、【OAC】※を発動。


 結果、ドアを開けた騎士は明日部を見るなり、扉を閉め、きびすを返してどこかへ行ってしまった。無論、ドアの鍵は開けっ放しで……。


 その後、明日部は魔物を呼び寄せ、毒グモを放ち──馬車の外に飛び出した──。

 そして、蜘蛛毒にやられ、七転八倒している騎士たちを尻目に、適当な駱駝を見繕い、【テイム】を掛けると──。

 明日部は最大出力の【Ignoarance】と【隠密】を身に纏い、そそくさとその場を離脱した。




※Open and Close──誰かが部屋に入ろうとして、中に明日部がいることが分かると、ドアを閉めてそっとその場を立ち去るスキル。





 ◇


 ◇


 ◇




 

 白鳥は明日部がいた筈の馬車に向けて、斬撃を放った。

 衝撃波が大地をえぐりながら真っ直ぐ進み、轟音とともに馬車を呑み込む。

 すると手品のように客室部の壁だけが、破裂するように綺麗になくなり、骨組みだけが残された。

 



 ──当然そこに──明日部の姿はない。


 白鳥は【気配関知】を最大化させたが、それでも明日部の気配を捉えることは出来なかった。

 


 

 そこまで確認すると──次に白鳥は、プラチナ色に鈍く輝く魔法杖を何もない空間から取り出した。

 そして、その杖を大地に突き刺し、長い呪文を唱え始める。


 数多のペールグリーンの光が杖の周囲を飛び回り──そのスピードが極大に達したその瞬間。白鳥は叫んだ。



「──SearcH!!」



 無数の光が一瞬、乱舞したかと思うと、次の瞬間、光が四方へ飛び去った。


 程なくして杖を中心に、地図のようなものが大地に描かれ、白鳥らの現在地と、明日部あすべの居場所が光の点で示される。



聖橙光帯セイクリッド・ラディエンス!!」



 エクルージュの光芒が真っ青な大空を切り裂くように、美しい直線を引きながら彼方へと消えてゆく。




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 ──五分後。


 光の帯に拘束された明日部が、青空の中を飛んでいた。

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