表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/34

女魔王、任務を継続

前回のあらすじ:次回はそんなに時間を掛けずに更新できると思います(大嘘)


すぐに更新すると言ったな。あれは嘘だ。

 空腹に耐えきれずつい串焼きを衝動買いしてしまった。まぁお金はまだあるし大丈夫だろう。


 タレがたっぷりと絡みついた串焼きを頬張りながら、街を縫うように移動する私。たまにタレが垂れて服に付いてしまうが問題ない。自動で綺麗になるからね。

 残りの串焼きは四本。筋っぽくて焦げ臭いけど、味はそこそこだ。取り敢えずトムへのお土産として一本だけ残しておいてやるか。


 三本目の串焼きに齧り付き始めた頃、私は倉庫街に入り込んでしまった。

 しまった。ここなら野菜や乳製品はあるだろうが、買い物ができないじゃない。来た道を引き返そうと振り返って……ん?まてよ。良いことを思いついた。

 この倉庫街からスープの材料を直接調達しちゃえば良いじゃん。代わりにお金を多めに置いとけば何も問題は無い。その方が楽ちんだ。うん、そうしよう。


 赤茶色の煉瓦でできている倉庫の大きな両開きの扉に近づいて行き、思いっきり蹴破った。

 大きな音を立ててひしゃげた扉を更に押し込んで倉庫の中を覗くと、中は真っ暗だ。野外は夜とはいえ月明かりや建物から漏れ出す光のおかげで足元が見えるくらいには明るいが、照明器具も野外の光を取り込む窓もない倉庫の中は暗くて当然だ。

 私は両目に魔力を集中させて夜目が効くようにした。


 真っ黒だった視界が徐々に白く鮮明になり、昼間と変わらないまでに見通せる。これでよし。


 どうやらこの倉庫は穀物庫のようだ。大量の麻袋が積みあがっている。

 隣の倉庫の扉も同じように破壊し、覗く。また穀物だ。

 更に隣も破壊。こっちは塩か?

 移動しながら次々と扉を蹴破っては覗くのを繰り返す私。穀物、穀物、穀物、建材、建材、穀物、穀物、武具防具、雑貨、また穀物、香辛料……中々当たりが来ない。

 数えることを放棄し始めたとき、やっと当たりを引いた。


 「あ、野菜だ!」


 泥と青臭い植物の匂いが充満している野菜の倉庫を見つけたのだ。どうやら明日の市場に出る予定の、新鮮な野菜のようだ。ラッキー。


 大小様々な木箱に積みあがった根菜、茎菜、葉菜、果菜、花菜……選り取り見取りね。

 端っこに放置されていた空っぽの一抱え程の木箱を手に取り、白菜やキャベツ、それに人参やじゃが芋等のミルクスープの具になりそうな物を集めていく。


 「こんな感じでいいかしら」


 木箱には様々な野菜が溢れそうな程詰め込まれている。二人分ならこれで十分ね。あとは獣の乳か。お代として小銀貨を一枚置いておいた。多分足りるでしょう。


 野菜入りの木箱を片手で抱え、扉の破壊作業を続ける。

 幾つか目の扉を破壊した瞬間、倉庫内から湿った落ち葉のようななめした革のような匂いと、果実の匂いが混じった芳醇な香りを感じた……これは!


 期待を込めて倉庫内を覗くと……大量の樽や大きな瓶が所狭しと並んでいる。


 やった!ワインだ!

\ウワー/



あけましておめでとうございます!今年も女魔王をよろしくお願いします。

……なんやかんやで年を越してしまいました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ