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ノワールナイト  作者: Dai
第一章 伝説の誕生編

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第8夜 追跡

昼。

営業先へ向かう途中。

蓮は駅前のベンチに腰掛け、スマホを見ていた。

画面には失踪した少女たちの記事。

四人。

年齢も学校も違う。

だが、ある共通点があった。

全員が失踪前、一週間以内に同じ商業施設を利用している。

「偶然にしては多いな……。」

蓮は小さく呟いた。

その時。

近くの自販機で飲み物を補充していた店員同士の会話が耳に入る。

「また女子高生がいなくなったんだって。」

「怖いよな。」

「そういや、うちの店にも変な男が来てたな。」

蓮の視線が動く。

「変な男?」

思わず声をかけていた。

店員は少し驚く。

「あ、いや。」

「白い帽子かぶった男なんだけど。」

「何日も店の前に立っててさ。」

「誰か待ってるみたいだった。」

「どこでですか?」

「ショッピングモールの裏。」

蓮の目が細くなる。

失踪した少女たちの共通点。

そして白い帽子の男。

何かが引っかかった。

夜。

相馬モータース地下工房。

蓮は昼間集めた情報を話していた。

「ショッピングモール?」

相馬が腕を組む。

「ああ。」

「失踪した四人とも利用してる。」

相馬は少し考える。

「監視カメラの死角は多いな。」

「人も多い。」

「狙うには都合がいい。」

蓮はナイトスーツを手に取った。

「行ってみる。」

相馬が睨む。

「一人で突っ込むなよ。」

「分かってる。」

「絶対分かってない顔だな。」

蓮は少しだけ笑った。

数十分後。

夜のショッピングモール。

営業は終了している。

人影はほとんどない。

ノワールナイトは屋上から周囲を見渡していた。

静かだ。

だが。

違和感がある。

裏手の搬入口。

一台の白いバンが止まっていた。

こんな時間に荷下ろしは不自然だ。

ノワールナイトは屋上から降りる。

物陰に身を隠しながら近付く。

男が二人。

大きな箱を運んでいる。

その時。

箱の中から小さな音がした。

「……!」

ノワールナイトの表情が変わる。

人だ。

次の瞬間。

地面を蹴った。

黒い影が飛び出す。

「誰だ!?」

男たちが振り向く。

だが遅い。

フェザーブレードが飛ぶ。

キィン!

男の手から拳銃が弾き飛ばされた。

続いてワイヤー。

シュッ!

もう一人の足を絡め取り転倒させる。

男たちは明らかに一般人ではなかった。

訓練されている。

だがノワールナイトほどではない。

ノワールナイトは容赦なく距離を詰める。

柄で腹を打つ。

肘打ち。

回し蹴り。

数秒で決着だった。

最後の一人の胸ぐらを掴む。

「誰の命令だ。」

男は笑った。

不気味な笑みだった。

「もう遅い。」

「何?」

「白い鳥は飛び立った。」

その瞬間。

男は何かを飲み込んだ。

意識を失う。

「くそ……。」

ノワールナイトは箱へ向かう。

急いで蓋を開けた。

中には少女がいた。

失踪者の一人だった。

眠らされているだけらしい。

命に別状はない。

ノワールナイトは安堵する。

だが。

箱の底に一枚の紙が落ちていた。

白い紙。

中央には白い鳥の紋章。

そして文字。

【BLANC】

ノワールナイトは静かに紙を握る。

「ブラン……。」

やはり繋がっている。

失踪事件。

白い鳥。

そしてブラン。

その時だった。

屋上から視線を感じる。

ノワールナイトは顔を上げた。

誰かがいる。

黒い影。

距離が遠く顔は見えない。

だが相手はこちらを見ていた。

じっと。

獲物を観察するように。

次の瞬間。

影は消えた。

「……。」

嫌な予感がした。

今の男たちとは違う。

もっと危険な何か。

ノワールナイトは少女を抱き上げる。

まずは助けることが先だ。

だが彼はまだ知らない。

屋上から見ていたその男が、

後にノワールナイトの前に立ちはだかる存在だということを。


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