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ノワールナイト  作者: Dai
第一章 伝説の誕生編

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第9夜 白い鳥の目的

翌朝。

都内の病院。

蓮は一人の少女を見つめていた。

昨日、ノワールナイトが救出した少女。

幸い命に別状はなかった。

しかし。

目を覚ましてからも、ずっと怯えていた。

「……。」

蓮は少し距離を置いて立っていた。

今の自分は黒崎蓮だ。

ノワールナイトではない。

だからこそ、普通の人間として向き合う。

しばらくして。

少女がゆっくり口を開いた。

「……あの人たちは……。」

蓮は静かに聞く。

「何か見たことはある?」

少女は震えながら頷いた。

「白い鳥……。」

蓮の表情が変わる。

「白い鳥?」

「男の人たちが言ってました……。」

「私たちは選ばれたんだって……。」

少女は布団を握り締める。

「新しい人生を与えてあげるって……。」

蓮は黙って聞いていた。

誘拐。

目的は金ではない。

ただの犯罪組織ではない。

何か別の目的がある。

「他には?」

少女は少し考える。

「……大きな建物。」

「地下に連れて行かれました。」

「そこに……たくさん人がいました。」

蓮の目が細くなる。

一人ではない。

もっと多くの被害者がいる。

病室を出た蓮は、すぐに相馬モータースへ向かった。

地下工房。

相馬は資料を見ながら話を聞いていた。

「地下施設か。」

「ああ。」

蓮は答える。

「ブランは人を集めている。」

相馬の表情が険しくなる。

「目的が分からんな。」

「ただの誘拐じゃない。」

「何かを準備している。」

相馬は黙り込む。

しばらくして。

小さく呟いた。

「……嫌な感じだ。」

蓮が見る。

「何か知ってるのか?」

相馬は首を振る。

「いや。」

「ただな。」

工具を置く。

「昔、ブランを追っていた時もそうだった。」

「最初は小さな事件だった。」

「だが調べれば調べるほど、奥に大きなものがあった。」

蓮は白いカードを見る。

【BLANC】

相馬はその文字を見つめた。

「また動き始めたか……。」

夜。

ビルの屋上。

ノワールナイトは街を見下ろしていた。

昨日救出した少女。

まだ助けを待っている人がいるかもしれない。

なら止まれない。

その時。

通信機に相馬さんの声が入る。

「蓮。」

「無茶はするなよ。」

ノワールナイトは少し笑う。

「分かってる。」

「絶対分かってないな。」

いつものやり取り。

だが。

相馬の声は少し重かった。

「気をつけろ。」

「ブランは、お前が思っているより危険だ。」

ノワールナイトは街を見る。

「分かってる。」

「でも……。」

拳を握る。

「見過ごすことはできない。」

その頃。

暗い部屋。

一人の男が映像を見ていた。

画面には、昨日のノワールナイト。

戦闘の様子。

フェザーブレード。

ワイヤー。

近接戦闘。

男は静かに分析していた。

「なるほど。」

「力で押すタイプではない。」

「相手を傷つけるより、制圧を優先する。」

画面を止める。

そこには黒い騎士の姿。

男は小さく笑う。

「甘いな。」

「だが……。」

少し間を置く。

「嫌いではない。」

部屋の奥から声がする。

「隊長。」

男は振り返らない。

「何だ。」

「次はどうしますか。」

男は画面を見る。

黒い羽のようなシルエット。

「まだいい。」

「もう少し見せてもらう。」

「ノワールナイトが何者なのか。」

その胸元には、黒い鳥の紋章が刻まれていた。

RAVEN。

夜の街。

黒い羽が一枚。

風に舞う。

白い鳥を追う黒い騎士。

その先に待つものを、まだ知らずに。

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