エピローグーー彼氏とキスする日
土曜日。
パパもママも、今日は朝から二人で出かけている。
「……お邪魔します」
「いらっしゃい、翔太」
ジーンズにパーカー。ラフな格好で出迎える。
パーカーは思い切って前を全部開けてみた。
中はタンクトップなので、特に色気はないかもしれないけど。
翔太と一緒に二階の部屋まで向かう。
何となく無言だ。今日は誰もいない、と言ってあるので、少し変な空気になっている気がする。
「ちょっとお茶とってくるね」
「持ってきた、2人分」
翔太が袋からペットボトルを取り出した。私の好きなミルクティーだ。
「ありがと」
何気ない振りしてドアを閉める。
これなら、落ち着いてキス出来るかも。
___
「……今日、ゲームでもする?」
翔太があまりこちらを見ずに言う。パーカー作戦は失敗したようだ。虚しいので閉めてみる。
あ、こっち見た。目が合う。
すぐ隣に座って、肩にもたれ掛かる。あったかい。
翔太がミルクティーを渡してくれた。
ミルクティーは飲まずに床に置く。
せっかく歯を磨いたのに、飲みたくはない。
……キスって、自分からするのは変かな?
翔太の膝に座ってみようかな。
そういう雰囲気になるかも。
考えていたら、翔太が手を握ってきた。
あったかくて、柔らかい。
ゆっくり手を伸ばして、翔太の顔に触る。
翔太ってヒゲ生えないのかな。どこを触ってもスベスベして柔らかい。
翔太が私の手を掴む。無言のまま、少しだけ強く。視線で、「触りすぎ」と言われた気がした。
そのまま、反対の手で抱き寄せられる。ハグだ。
膝に座るチャンスだろうか。
体を寄せたまま、肩に手を掛けて、隣から正面に少しズレる。
ちょっと考えたけど、膝に乗ったら重そうなので、足の間に座った。
うん、恋人っぽい。なかなかいいポジションだ。
密着したまま、髪を撫でられる。顔に吐息がかかって、チークキスされた。
くすぐったくて、ゾクゾクする。
自分からする時とは全然違う感触だ。
たぶん、触られる方が苦手なのかも。
……やっぱり、自分から。
もう一度、翔太の顔に触れる。
まつ毛が長くて、キレイな目をしている。
指でそっと唇に触れる。
指をおいたまま、唇の端に軽くキスしてみる。
……したかしてないか、微妙だ。
今のはファーストキスに入るのだろうか。
「今の無し」
翔太が言った。無しなのか。
「目、閉じて」
言われるままに目を閉じる。
ーー翔太の顔が、近づいてくる気配がした。
無事、完結まで書けました……毎日、読んで下さってる方がいて、嬉しかったです。
もしよければ、感想や評価などいただけると、とても励みになります。
中高編も書きたいなと思っているので、書き終わったらまた掲示板で告知したいと思います。
ここまで読んで下さって本当にありがとうございました。




