葉子と翔太39ー冬合宿③
最終日。
早朝からやった最終テストの結果がホワイトボードに貼られ、人だかりが出来ている。
1位 神島唯
ユイちゃん、1位だ、凄い……。
あ、加藤くん5位だ……。
「おい、加藤どうしたんだよ」
「マジでどーしたんだよキング、鷹宮塾に負けちゃったじゃん」
「神島に振られたショックで調子崩したん?」
加藤くんが男の子たちにからかわれている。加藤くんは最初は平気な振りをしていたが、だんだん顔が赤くなって、泣きそうな顔をして出ていってしまった。
「加藤くんかわいそう、男子たち最低」
「でも泣きそうな顔可愛かったかも」
「私も思った。加藤くん可愛いよね」
「えー、でも加藤くん、神島さんが好きなんでしょ」
三人組の女の子たちの会話も聞こえてしまった。
つい、ユイちゃんの方を見てしまう。ユイちゃんは少し困った顔をしていたが、目が合うと、パッと顔を輝かせた。
「葉子ちゃん、8位おめでとう」
ーーえ?
言われて、順位を確認する。本当だ、8位。
胸の奥がじんわり熱くなる。
翔太が6位で、イズミくんも7位だ。松本くんは、16位。
「おおー、神島すげー。鷹宮塾、全員やったな!トップテン4人入ったし、まっちゃんも上がったじゃん」
イズミくんは相変わらず声が大きい。他の塾の子たちがこっちをチラチラ見てるので、少し申し訳なくなる。
翔太とも目が合った。お互い少し笑って、小さく頷く。
もう一度だけ、ホワイトボードの順位を眺める。
来週には、大手の予備校で桜葉女子のプレ模試がある。この調子で頑張ろう。




