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氷河期ストレージ ~裏切られて死んだ俺は、30日前に戻り無限収納で世界を生き抜く~  作者: 宵白レン


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第16話 Day 2 崩れ始めた日常

翌朝。


蓮は暖炉の火を見つめながら、ゆっくりとコーヒーを口に運んでいた。


窓の外には一面の銀世界が広がっており、昨日から降り続いた雪は、一晩のうちに街の景色をほとんど覆い隠していた。


蓮がテレビをつけると、画面にはすぐに気象情報が表示された。


『現在の気温は氷点下十三・二度。各地で観測史上最低気温を更新しています。』


キャスターの声にも、昨日まであった落ち着きはもう感じられなかった。


画面が高速道路へ切り替わる。


大型トラックが何台も立ち往生し、その後ろには何キロにもわたる渋滞が続いていた。


『路面凍結のため、高速道路は各地で通行止めとなっています。』


続いて映し出されたのは鉄道だった。


『架線の凍結により、多くの路線で運転を見合わせています。』


さらに空港へ画面が切り替わり、除雪車が何台も滑走路を往復している映像が流れる。


『滑走路の除雪が追いつかず、多数の便が欠航しています。』


テレビには次々と各地の混乱が映し出されていたが、それでも街はまだ完全には止まっていなかった。


会社へ向かおうと雪の中を歩く人々がいて、学校へ向かう学生の姿もある。コンビニの前には長い列ができ、ガソリンスタンドでは給油を待つ車が道路まではみ出していた。


スーパーでは、さらに混乱が広がっていた。


「水がない!」


「カップ麺も売り切れだ!」


「パンも全部なくなってる!」


怒鳴り声が飛び交う店内で、店員たちは何度も頭を下げていた。


「申し訳ございません! 次の入荷は未定です!」


「こんなの聞いてないぞ!」


「もっと仕入れろ!」


しかし、怒鳴ったところで商品が増えるわけではない。


ホームセンターも似たような状況だった。


ストーブ、発電機、灯油缶、防寒用品など、寒さを凌ぐために使えそうな商品は次々と売れていき、開店から数時間も経たないうちに、店頭からほとんど姿を消していた。


やがてニュース速報の表示とともに、政府の発表が流れる。


『政府は先ほど緊急対策本部を設置しました。国民の皆様には、不要不急の外出を控え、十分な防寒対策を取るよう呼びかけています。』


その後に登場した専門家も、表情を曇らせながら首を横に振った。


「ここまで急激な寒冷化は説明できません。現在も原因は不明です。」


SNSにも、不安と混乱の声が溢れていた。


『暖房つけても部屋が寒い!』


『水道が凍った!』


『会社休みにならないの!?』


『これ、本当に異常気象なの?』


『終末映画みたい……』


夕方になると、ついに停電のニュースまで流れ始めた。


『送電設備の着氷により、一部地域で停電が発生しています。復旧作業を進めていますが、天候の影響で難航しています。』


そして夜になっても気温は下がり続け、窓ガラスには厚い氷が張り付き始めていた。


蓮はコーヒーカップを置くと静かに立ち上がり、監視モニターへ視線を向けた。


昨日までそれなりに人通りのあった道路も、今日はすでに人影がまばらになっている。


「もうすぐだな。」


蓮は画面を見つめたまま、小さく呟いた。


「今に、誰も出てこなくなる。」


返事をする者はいない。


暖炉の炎だけが、静かな部屋を赤く照らしていた。


────────────────


Day 2


外気温 -13.2℃


積雪 86cm


電力 ▲

ガス ○

水道 ○

通信 ○


【今日のメモ】


「日常は、音を立てて崩れ始めた。」


────────────────

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下水が止まってからが本番、トイレが大変に
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