33話 襲撃! JCミアの恐怖
ドン……ドン……ドン……。
「っ~~~」
ドンドンドンドンドン!
「んっーーー?」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!
「ふぁっ!?」
なに? 何なの!?
何度もドアを激しく叩く音に、眠い目を擦りながらベッドから立ち上がる。時計を見ると朝の6時前……魔法少女研修の時より早い。
「ふあぁぁぁぁぁ……」
あくびが出る。ねむぃ……。
魔法少女に戻っている時の変身体は睡眠している状態なので、8時間は寝ていたはずなのだが……ねむぃ。凄くねむぃ。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!
「むーーーーーーーー」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!
パジャマのまま入口モニターを見ると、ツインテールをぴょこぴょこ揺らしながらドアをガンガン叩きまくっている赤セーラーのミアが映っている。
何かあったの!? どういう状況!?
「おはよう、澪! 朝ごはんの時間よ? 早く支度しなさい!」
急いでドアを開けると、早朝からテンション↑↑↑↑のミアが満面の笑みを浮かべている。
「ミアお姉ちゃん、まだ6時前だよ……? まだ眠いよ……」
眠い目をこすりながら抗議するわたしの横を、ミアがずかずかと部屋に入ってくる。ちゃんと靴を揃えるのは偉いけど……なんなの!?
「澪は妹なんだから、一緒に朝ごはんを食べるのは当たり前じゃない! いいから、早く顔洗いなさい!」
なにこの我が儘ツインテール……。
眠いし、朝から文句を言う気力もないので、言う通りにする。
「分かった……ちょっと待ってて……」
ドレッシングルームへ向かうと……ミアも付いてきた!?
「な、なに?」
「髪、手伝ったげるわ」
「んーー」
もう好きにしてくれ……。何もかも面倒になったので、ミアを気にせず顔を洗って歯磨きをする。すると、ミアがブラシでわたしの髪を梳かし始めた。
「うわっ、なにこの髪! 寝ぐせも枝毛もないし、ブラッシング超ラク! ウソっ、勝手にツインテールになっていく!?」
まあ、そういう風につくられてるからね……。髪のお手入れとか面倒くさくなくていいんだけどね。
龍鳳学園支給の白いリボンでツインテールをまとめ、鏡に映るミアとわたしを見ると……おおっ、本物の姉妹に見えるな! 背丈や顔つきは違うが、それがまた『姉妹っぽさ』を増している。
実はミアって魔法少女で、同系統の型番使ってんじゃねーの!? 現界では魔法少女同士、認識阻害効果でお互い気づかないっていうし……いや、さすがにそれはないか。同級生だし。
後は着替えだけど……まあミアなら問題ないか。パジャマを脱いで着替えようとすると、待ち構えていたミアがにっこり笑う。
「はい、手を上げて」
いや、さすがにリアルJCに着替えさせられるのは、ちょっと……1人でできるから!
「ひ、1人で着替えられるから!」
「もう、我が儘言わないの! 早くしなさい!」
抗議しようとするとギロリと睨まれた……もう好きにして。諦めて両手を上げると、ミアが楽しそうに真っ赤なセーラーを着せてくれる。さらに、ミアはわたしの前にかがんでパジャマのズボンを下ろそうとするので……逃げた!
寝室で全速力で制服に着替えてからリビングに戻ると、ミアが不機嫌そうな顔で待っている。
「き、着替えたよ?」
「姉妹なんだから恥ずかしがらなくたっていいじゃない! 次に逃げたらお仕置きだからね!」
えーーーーーーーーっ、何それ!? お仕置きって何されるんだよ!?
「じゃあ行くわよ!」
眠気の取れないまま、ミアにガシッと手をつながれ、問答無用で部屋の外へ――。
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美しく雄大な大自然……が映し出された、窓にはめ込まれた大型モニターを眺めながら(モニターの向こうは30センチ砲の直撃に耐えるベトン製の壁が見えてるはず)、ミアと楽しいモーニング中である。
「はぁーーー、コーヒー美味しい……」
ミアが『ミア・モーニングB』という、どうやらミア専用らしいメニューを勝手に2人分注文したので、それを食べている。
中身はベーコンエッグトースト、パンケーキ、イチゴミルク。わたしは追加でコーヒーを注文。
ちなみにベーコンエッグトーストもパンケーキもメチャクチャ美味しかった! 魔法少女研修所の食事もかなり美味しかったけど、その上を行っている。
さすが龍鳳学園。この味に慣れると、後々マズいことになりそうな気がするけど……今はこの味を楽しみたい!
「イチゴミルクにコーヒーまで飲んだら、お腹タプタプになるわよ?」
「んー、朝はコーヒーないと目が覚めないんだよ。それに……ミアお姉ちゃんだって、わたしのパンケーキ1つ食べちゃったじゃん。お腹タプタプになるよ?」
3つのふわふわパンケーキの内の1つをミアに強奪されたのだ。自分で追加注文すればいいのに!
「だって、できるまで待ってるの面倒じゃない。小さいことで我が儘言わない! ほら、デザートがきたわ! あたしが特別に作らせたスペシャルメニューよ。澪はツインテールだから、特別に食べてもいいわ。凄く美味しいんだから!」
給仕さんが持ってきたのは、『ツインテール・プリンアラモード』という謎メニュー。
中央に王冠プリンがドンと置かれ、左右にはストロベリーとバニラのホイップがツインテール状にふわりと流れるように絞られている。
ホイップの先端にはリボン型チョコが飾られ、周囲には色とりどりのフルーツが髪飾りのように彩られている。
さらに皿の縁にはラズベリーとカスタードの2色ソースで、ツインテールが揺れた軌跡のようなカール模様が描かれており……まさに芸術品!
「ほら、見て澪! このツインテールの再現度! これを食べる者だけがツインテールを名乗れるのよ! 澪も食べてみなさい!」
ミアの謎の煽り文句は置いておいて……ゴクリ。早朝とはいえ、こんなモノを見せられたら、食べざるをえない……。
んっ、んん!? んんん~~~♪ お・い・しーーーーーい♪♪
「はわぁぁぁぁぁぁ……こ、これは……幸せになる!」
なんかヘンな声が出ちゃう。
「うふふっ! そうでしょう! ね? 早起きしてよかったでしょ、澪!」
いや、24時間体制なんだから早起き関係ないよね?
「凄っごく美味しいけど、早起きってなんか関係あるの?」
アレを毎日やられるのはしんどいので、一応ツッコミを入れておく。
「当たり前じゃない。今の『人がいない時間』じゃないと、特別クラスのどうしようもない連中に『ツインテール・プリンアラモード』を見られちゃうでしょ! もしあんな奴等に見られて、あたしの『ツインテール・プリンアラモード』を盗食されたら……そんなの絶対に許せないわ!」
盗食ってなぁ……つまりミアは『ツインテール・プリンアラモード』を独占したかったわけね。それで昨日は頼まなかったのか……。
でも、ミアがそこまで拘ってる『ツインテール・プリンアラモード』を、わたしにだけご馳走してくれたのは、正直ちょっと嬉しい!
「そうだね、うん! この『ツインテール・プリンアラモード』は、ミアお姉ちゃんと2人だけの秘密だね!」
「ふ、2人だけの秘密……そ、そうね! 『ツインテール・プリンアラモード』は澪とあたしだけの秘密よ! うふふっ、澪も1人の時は頼んでいいわよ?」
「ありがとう、ミアお姉ちゃん!」
ツインテールがふりふり揺れている。 ツインテールは上機嫌だ!
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「ひぇぇーーーーーーーーー、み、ミアお姉ちゃん、もうちょっとゆっくりにしてぇぇ!!」
『ツインテール・プリンアラモード』を食べ終えると、すぐにミアに連れられてやってきたのはトレーニングルーム。
渡されたトレーニングウェアに着替えた(ミアも自分の着替えがあるので、邪魔はされなかった)後、ミアに無理やり乗せられたランニングマシンで強制的に走らされているのである。
「大丈夫よ! 昨日、保険医に澪の医療データからトレーニングメニューを作ってもらったの!
澪の体力に合わせた無理のないメニューだから心配いらないわ」
わたしの横では、わたしより速い速度でランニングマシンを回しながら、ミアが元気にツインテールを揺らして走っている。
「うううっ……」
近くではトレーナーの逞しい女性が見守っているので、大丈夫なのは分かるけど……この変身体って、完全に『普通の人』なんだよ……つまり、運動なんかしていない普通の人なの!
「でも……もう、疲れたよ……」
「この世の中、最後にモノを言うのは体力なの! どんなに頭が良くたって、体力がなければ良い頭も満足に使えないわ! 澪は元々身体が弱いんだから、ちゃんと鍛えておかないと、これからやってくる過酷な競争社会を生き抜けないわよ! ちょっとハード目だけど、頑張りなさい!」
ミアの言葉に、トレーナーの人がうんうん頷いているけど……いや、ちょっとずつレベルアップしていこうよ! マジで疲れるんだよ!
「ちなみに、さっきの朝食。『ベーコンエッグトースト』が480カロリー、『パンケーキ』が1つ200カロリー、『いちごミルク』が320カロリー、『ツインテール・プリンアラモード』は720カロリー。澪がさっき食べた分だけで1920カロリーよ。澪、中学生女子の必要カロリー知ってる?」
「し、知らない」
「約2400カロリーよ。朝食だけで1日の必要カロリーの80%を摂取しちゃってるの。つまり……ちゃんと運動しないと、太るわよ?」
「わ、分かった……頑張る……」
ミアって意外に細かく計算してるんだな。性格はアレだけど、頭は悪くないんだよな……。
変身体の管理維持は研修でも厳しく言われたし……タルいけど頑張るか。
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と、そんなこんなで、教室にたどり着いた時にはすでにヘロヘロである……だがぁ! どんなにヘロヘロでも、挨拶だけはちゃんとするのだ! それが社会人としての最低限の礼儀!
とはいっても、教室にいるのは昨日の5人なので、大した手間でもないけどね。
メカクレ系文学少女の羽音ユナちゃん、デ……恰幅の良いメガネの水無瀬カイくん、真面目系イケメンの東雲レイくん、不良の真壁リクトくん、爽やかイケメンの久遠ソラくん……よし! ちゃんと覚えてる!
「おはよう、ユナちゃん!」
文庫本を読み耽っている羽音ユナちゃんに挨拶。ミアが怪訝な顔をしているが無視。
「お……よう……ます……」
ユナちゃんは、わずかに顔を上げて答えてくれる。相変わらず目は髪で完全に隠れたままだが……。わたしの経験からすると、反応があるだけマシなほうなので、ニッコリ笑って軽く片手を上げる。
「水無瀬くん、おはよう!」
ユナちゃんの後ろでタブレットを弄っている水無瀬くんに声をかける……が、顔を上げようともしない。
まあ集中してる時はしょうがないよね、と次へ行こうとすると――。
「ちょっと、アンタ! なんで澪を無視してんのよ!」
まさかのミア乱入である!? ツカツカと水無瀬くんの前まで行き、ビシッと指を差してツッコミを入れている!
いやいや、ちょっと!? 別に大丈夫だから! 朝からやめようよ!
「えっ、あっ、な、なに!? 俺、何かやっちゃいました!? おっ、おおー! 闇のツインテールっ娘のツンデレポーズ! と、尊い!」
状況が分かっているのか分かっていないのか、訳の分からないことを言いながらミアを拝み始める水無瀬くん!?
どういう状況だよ!?
「ミアお姉ちゃん! 大丈夫だから! ゴメンね、水無瀬くん! 気にしなくていいからね?」
「おふぅ、光のツインテールっ娘の困り顔……と、尊い!」
大丈夫か、コイツ!?
「ほら、澪が泣きそうじゃない! 土下座して謝りなさい!」
「はっ、ははーーーあ! 申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁ! わたくしめが悪うございましたぁ!!」
問答無用で見事なジャンピング土下座を決めやがった! いやいやいやいや、キミ、自分が何で土下座してるのか分かってないよね? 謝る必要なんてまったくないからね?
「しょうがないわね、今回だけは許してあげるわ! 早く、澪に挨拶なさい!」
いやいや、水無瀬くん、状況まったく分かってないでしょ!
「お、おはよう、水無瀬くん?」
「ははーー、澪さま、おはようございますぅぅぅ!」
『さま』付けになっている……。
さすがに気の毒になってきたので、土下座でひれ伏す水無瀬くんの腕を取って起こしてやる。
「ゴメンね、ミアお姉ちゃんって、ちょっと……かなり過保護だから。後でちゃんと言って……多分、言ってもきかないと思うから、次からは水無瀬くんに迷惑かけないようにするからね?」
「おっ?」
水無瀬くんが驚いたように目を見開く。
「?」
「『お姉ちゃん』とは、いったい!?」
そこかよ!
「あのね、ミアちゃんと、姉妹っていうの? になったの。劉備三兄弟みたいなやつ? 桃園の誓い的な……って分かるかな?」
水無瀬くんの耳元でコソっと恥ずかしい設定を教える。まあ普通、何で『お姉ちゃん』呼びしてるのか分からないよね。これで義兄弟的な設定だと分かってもらえるだろうか……最近の中学生って三国志とか分かるかな?
「おおっ、姉妹っ! こ、この共学の龍鳳学園で姉妹の実物を目にすることができるとは……まさに望外の喜びでゴザル! ユリ姉妹神降臨でゴザルな!」
何だよユリ姉妹神って! 何で語尾がゴザルになってんだよ!
「よ、よく分からないけど、これからはなるべく迷惑かけないようにするから、今日は許してね……」
「なに言ってんの! 迷惑をかけたのはコイツよ! 澪は悪くないわ!」
ああ、悪いのはお前だからな!
「じゃ、じゃあね、水無瀬くん」
「朝から尊き光景を見せていただき、心より御礼申し上げるでゴザル!」
立ち上がって最敬礼する。
もう訳わかんねーなヘンタイは……。
「東雲くん、おはよう……騒がしくしちゃってゴメンね?」
お詫びとともに東雲レイくんに挨拶する。
「おはようございます。白銀さんが騒がしくしたわけではないと分かっていますので、謝罪は不要ですよ」
「そうね、水無瀬ってホント迷惑だわ!」
いや、迷惑はお前だろ……。
「白銀さんも、色々大変だとは思いますが、頑張ってくださいね」
東雲くんが、ミアのまったく弁えていない態度に顔をしかめながらも気遣ってくれる……わたしの好感度が爆上げである!
「またあたしのこと無視して! マジメぶったキモ男、ムカつく!」
「白銀さん、何か私にお手伝いできることがあれば、ご連絡ください」
ミアがチンピラみたいに絡んでいくが、東雲くんは完全無視。
うん、いいね。色々まともな対応をしてくれる東雲くんとは、すでに友達登録してあるし、良い関係を築けそうだ……と思ったら、ミアがあっかんべーをしてる!? 小学生かよ!
「真壁くん、おはよう! 真壁くんもゴメンね、騒がしくしちゃって」
「べ、別にいい……」
東雲くんの後方に座っている真壁くん。ぶっきらぼうだが、わたしが話しかけると顔がちょっと赤くなる。
女の子に対して免疫なさすぎだろ! こういう純情な子を見ると、ホント申し訳なくなってくる。中身アレでゴメンな……。
「じゃあね、真壁くん!」
「ああ……」
「ふんっ!」
ちなみに最後の『ふんっ!』はミアだ……。
「おはよう、久遠くん!」
「ああ、澪ちゃん、おはよう! 朝から大変だね?」
窓際で外を見ている久遠ソラくんにも挨拶。
うん、女を食いまくるって噂を聞いた後でも、やっぱりキラキラした爽やかイケメンだわ。なんかオーラがある。
「いくわよ、澪!」
答える前に、ミアに袖を引っ張られて昨日の席へと連れていかれる。
久遠くんは苦笑しながら手をヒラヒラさせているので、わたしも少しだけ手をふりふりして返した。
「澪、あんなクズに挨拶する必要ないわよ!」
「でも、気に入らない相手でも挨拶はしろって言われてるから……」
これからも挨拶だけは続けようと決めているので、適当に言い訳すると、ミアがちょっと困ったような表情になる。
「それは……あたしも言われたけど……。分かったわよ! あのクズにも挨拶するのだけは認めたげる! でも挨拶以外は一言も喋っちゃダメよ! 澪が汚れちゃうんだから!」
いや、それはどうなんだろう……?
「え、それは……うん、分かった」
視線を泳がせていると、目が合った久遠くんが苦笑しながらうなずいてくれたので、とりあえずミアに同意しておく。
はぁ、ようやく目的の席にたどり着いた……。
朝のHRが始まる前からすでに体力も気力も尽きかけ、ヘロヘロである。
起床から数時間でコレ……さすがに朝から色々詰め込み過ぎだろ! 何とかしてくれぇ!
「澪、早く机をくっつけなさい」
「はーい」
いくら心の中でボヤいてみても、ミアには逆らえないのである……。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「っ……」
ふんわりと意識が戻ってくる……温かくて、なんか気持ちいい……っ……ん? んんっ!?
「んぁっ……」
確か、昼食後、ミアの話を聞きながら凄っごく眠くなってきて……。
目をパッチリ開けると、目の前には白い太もも?
な、何がっ!!? えっ、あっ、えええっ!?
コレ、ミアの太もも?
ってことはミアの膝枕で寝ながら…………か、髪を撫でられてるっ!?
ウソぉ!? ヤバっ!?
「ふぁっ!?」
急いで飛び起きようとするが、ミアが頭を押さえる。
「まだ授業中だから、寝てなさい?」
いやいや、授業中に寝てるのマズいでしょ!
いやいやいやいや、それよりリアルJCの膝枕の方がマズいわ!
ど、ど、ど、どうすんのコレ!?
「でも澪の髪って本当にツルツルのサラサラで触り心地いいわね! 温かいし、ネコちゃん撫でてるみたいで気持ちいいわ」
いや、起こしてください。お願いします!
「お、起きるから! ちゃんと授業受けなくちゃ!」
何とか起き上がろうとするが、ミアが頭を押さえているので上手く起き上がれない……。
「ちょっと澪、動かない!」
いや、そんなこと言われても、この体勢は絶対マズいって! 何とか起き上がろうとするが……。
「澪、そこでモゾモゾするの、止めなさいって……」
あっ! と思った瞬間、ミアに両手で頭をギュッと押さえつけられる……いや、マジでマズいから!
「ミ、ミアお姉ちゃん! 身体が痛いから……お願い! 何でもするから、起こして!」
「えっ、本当!?」
上から覗き込んできたミアの顔が輝いている……ヤバいこと言っちゃったか!? でも、一刻も早くこの状況を抜け出さねば……。
「え、えっと、わたしにできることなら……」
「しょうがないわね、澪は本当に我が儘なんだから」
どこ? 今のやり取りのどこに我が儘要素あったの? まったくないよね? と内心ぼやきつつも、ミアに手伝ってもらって身体を起こす。
「あふぅ……えっ!?」
み、みんながコッチ見てる!?
社会のシュッとした顔に黒ぶちメガネの峰屋敷先生はジト目で、
久遠くんは苦笑し、
真壁くんはちょっと頬を赤らめ、
東雲くんは憮然とし、
水無瀬くんは手を合わせて拝み、
ユナちゃんは……表情は分からないけど、確実に見てる!
「も、申し訳ありません……お、お騒がせしました……」
頭が真っ白になりながらも、とりあえず謝罪をと、起立して峰屋敷先生へ向かって頭を下げる。
「べ、別にかまいませんが……その、授業中のスキンシップは程々に……ね?」
ヤバい。峰屋敷先生、ちょっと引いて……いやドン引きしてる?
すいません! 授業中にリアルJCの膝枕で寝てしまってすいません! もうしませんから許してください!
「はい……申し訳ございません……」
何とか椅子に座ると、峰屋敷先生が授業を再開する。他のみんなも、とりあえずコッチを見るのを止めて前を見て……あ、水無瀬くんだけは拝み続けてる。
「澪は照れ屋さんね。他の連中のことなんか気にしなくてもいいのよ? でも……フフッ、真っ赤になってる澪も可愛いわね……フム」
ミアが顎に指を当て、何か企むような表情をしているのを見て震えあがる。
「や、やめてね。頼むからヘンなことしないでね?」
フリじゃないからな! 絶対やめろよ! マジで恥ずかしくて死ぬから!
あの……で、できればでいいんですけど、ブックマークとか、評価ポイントとか、感想とか、頂けると、凄っごく嬉しいかなって……あ、いえ、面倒くさいなら全然いいですから! でも……できればでいいんで、お願いします!




