月の都 前編
あの事件から数日後…。
-それではまずこちらのトピックスから
先日、メルカカ東区でビルや橋が突如倒壊、この事故での死傷者は0人で、住民は「神の御加護」と安堵の表情を浮かべました。
警察はこれらの建設に携わった企業に事情聴取し原因究明にあたるとのことです。
「げッ…これあの時の…!!」
そこにはあの日見た光景がそっくりそのまま写っていた。
「あー最近話題のやつですねー普通壊れるはずないですよねー建設業というより何者かが意図的に壊したーとかそれこそテロの可能性だってあり得ますよねーて先輩?」
「あ…うんそうだなーあはは、でもよかったなー死傷者0人だってよ」
あの日巻き込まれたのは俺1人だったってわけか…というと奴らの狙いは俺?それとも、たまたま俺だけが居合わせちまっただけかのか…
「って先輩!最近頭抱えてばっかじゃないですかー少しは元気出してくださいよーリンネさんが帰ってこなくったって私がいるじゃないですかー!」
そう…あの日以来リンネは一度も研究室に顔を出してない、連絡するも応答なし。
警察に捜索願を出したいとこだが例の事件に関連して変な噂が立ってもらっても困る。
とは言え、落ち込んでちゃ何も始まらない…
近頃はあの時の謎の物質「パナギア」が何かリンネに繋がる手かがりにならないかと思い、カンラと共にプライベートで研究している。
「まぁ寂しいし心配もするけどリンネがいなくたって俺たちはやれるんだぞってアピールする機会でもあるだろ?」
「ていうことで今日の実験プランは今までと趣向を変えてみたんだ!とりあえず目を通してくれ。」
「ん?先輩これってこの前全く成果も得られず失敗した実験ですよねー?」
「さすがカンラ先生ご名答!」
俺は数々の実験結果に謎の法則性が存在することを何となくだが感じ取っていた。
そして最も不可解な点が多かったあの日の実験…あれに近い現象をもう一度再現し別視点から観測する手法で実験を進める。
「アルターネット、デバッグプログラム、ソースコードよし!俺の方の準備はOKだ」
「こちらもアルターネット、リジェクトプログラム、インターセプトコード準備できました。」
俺たちアルターが独自に開発した[アルターネット]このシステムにできることはこの世にただひとつの閲覧不可能なネットワーク「次元生命ネット」のコピーネットを作成し閲覧可能とするものだ。
次元生命ネットてのはまぁ俺たちアルターが勝手にそう呼んでるに過ぎないが、基本的な作り自体は通常のプログラム言語と大差ない
だが最近の研究でどうもコイツはこの世の次元とは別の次元の知識が作用して構成されていることが判明した、それら媒体の総称が次元生命てわけだ。
俺の方はデバッグとソースコードの書き換えを行い、カンラの方は緊急時の脱出や実験記録の整理その他補助を任せてある。
「んじゃ始めようか」
-アルターネット起動…システム異常なし。
--対象ネットワークのコピーを作成。
「さてと…まずはあらかじめ書き起こしたソースコードで書き換えを開始っと」
あまり不用意に書き換えを行うと危険なので慎重に進めていく。
「ひとつ目はハズレか…まぁハズレ引く方が高確率だろうしこの調子でめげずに頑張ろう」
「ですねー」
幾度も挑戦してきた実験だが今日はなんだかいい結果が出そうな気がする!そう信じて追記していくこと12時間
-『エラーコード CE-345443-0-0α』
「お!?このエラーコードって今まで見たことない形式じゃないか!?」
「下二桁が増えてますね!えーと[0α]?」
まさかエラーコードから進展があるとは想定外だった。っん?
「このコード…なんでリンク付いてんだ?」
「ほんとですねー拡張子を調べたところリンクというよりセキュリティファイルか何かの可能性もありますね。」
「あっちょっと待って、さっき書き換えたソースコードの記録っあれ見せてくれ!」
このソースコードと[0α]に関係があることは確かなはずだ。
「やっぱり!」
書き換えたコードはこのネットワークのシステム管理に関するものだったらしい。
莫大なシステムの記憶領域に対して[Genius]というアドレスからの接続が確認できる。
この[Genius]というアドレスを俺たちの使うアドレス[Alter]に置き換えたところ[0α]が出現した。
「カンラ!万が一に備えてインターセプトコードを待機させておけ。」
「了解!新たに算出したデータを使って自動書き換えに設定してあるので問題ありませんよ、最悪、私が全力で対処します」
「さんきゅー心強い」
セキュリティファイルには詳しい方だがこの拡張子は見たことない…どんな種別か正直見当がつかない。
そんなとき、ある文字列がふと頭に浮かんだ。
『Make up R.C blanks and activate Sarria』
「もしやアドレスが認識されれば通り抜けられる仕組みか?」
「先輩何か言いました?」
「いや、なんでもないちょっと色々引っかかっててな」
あの機械人形も言ってた[R.C]…蒼い光が包み込んだ瞬間俺の頭にも浮かんでた。
「えーと[R.C Sarria]っと」
「なんですかーその厨二チックなアドレスっまぁ先輩らしいですけど」
「うるせぇな!ちょっと試してみたくなっただけだ!」
ENTERっと…
…
…
…
---Decide?
「え!?先輩!認識されました!ですがこのメッセージは一体…」
…
…
…
[YES] or [NO]
「よくわかんねぇが[決心]がついてるかどうか聞きたいってことか!」
「何か危険なニオイがしますがどうしますか?わっ私はリーダーの決心に従いますよ!」
…
…
…
正直ここまで踏み込まなくてもいいことなのかもしれねぇ…だけど全てが俺を必要としてる、そんな気がする。
「怖がってちゃ前に進めねぇ!もう決心はついてんだYESに決まってんだろ!!」
…
…
…
----ヨウコソワガシンゾウヘ----
----マッテイマシタヨ----
----ノゾミ・ナナキリ----
モチベの振れ幅がデカい!




