メルカカ 前編
ここは【大都市メドラニア】から西方に位置する【先進都市メルカカ】
日々を研究に費やす研究者達が集う人口10万人程度の都市、研究者が占める割合は全体の30%程度だ。
メルカカでは研究者達が複数人で1つのグループを形成し独自の研究分野を追求するという方針がとられている、そして俺たちはメルカカの中でも少し変わった分野を追求する研究グループ。
【次元生命力学研究室 アルター】
ここでは次元生命力学と呼ばれる意識の裏に存在する現象を研究している。
研究員は総員5名
さっき話してた甘楽と霖音の他にあと2人いるんだけどまぁその話は後でいいや。
「あっそうそう振り込みもだけど毎年のグループ情報定期更新もあるんだった!」
これはさすがに霖音に任せたこともなかったし俺しか気づかねぇよなぁ。
去年のまとめデータはたしか…あれ?もしや。
「ない…Myタブレット!いったい何処に消えたんだい、君がいないと俺は生きていけないよ!」
研究室に置いて来ちゃったかー?もう結構歩いて来たしワンチャン霖音に聞いてみるかー。
プルル…プルル…もしもし?頼むかかってくれ。
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-『あーーもしもしどうした?』
ヨシキタッ
「霖音!お願いがあるんだけど机に俺のタブレット転がってない?」
『急に大声出すなよ…んでタブレット?あーーあるけど、この変なステッカー貼ってあるやつ』
「そうそれそれ!グループ情報の定期更新に関してって感じのデータが入ってるんだけど俺のスマホに送ってくれない?てか変なって言うな!」
『いや誰がどう見ても変だろ…なんだこのウニョウニョした生き物…てかこれじゃ自己アピールしかしてねぇ直しとくか、送信っとOK送ったぞ』
ステッカーのキャラクターはメルカカで放送してる子供向け科学教育番組のマスコット「ゲルニルくん」だ、子供向けにしては研究論文を用いた紹介だったりと結構本格的で毎週観ている。
「サンキュー!恩に着るよーあとゲルニルくんをウニョウニョなんて失礼だぞ!」
『わかったから早めに帰って来るんだぞ』
-プツ…
『ったく…あんな文章でよく今までやってこれたな』
助かったぁ…こればかりは普通のデータとは訳が違ってメルカカ管理局上層部へ送らなきゃいけない代物、提出が遅れればそりゃもう減点、罰金、研究室代の増額にやなこと尽くしだ。
とはいえ内容は普通に名簿って感じだ、何故こんなモノを徹底して集めてるのかは知らないけど管理局の人曰く人員整備とかなんか言ってたな。
グループ名【次元生命力学研究室 アルター】
研究リーダー
【七切 望】ナナキリ ノゾミ 18歳
研究には目がない努力家だが少し頼り甲斐がない一面がある。
副リーダー
【九突 霖音】クツキ リンネ 20歳
冷静沈着、リーダー気質は七切よりも優れているが、あえて副リーダーを務めている。
研究員(学生組)
【二殴 甘楽】ニオウ カンラ 16歳
先輩思いの優しく時に厳しい一面を持つ。
研究に熱心な七切を尊敬している。
【黒川 軌鑿】クロカワ キノミ16歳
甘楽の幼馴染でおっとりとした性格。
発想が豊かで研究者としての才能あり。
教授
【オーレン・ホームズ】46歳
あらゆる公式をマスターしているベテラン研究者。
七切の師匠で研究の基礎知識はこの方から教わっているらしい。
あれ?俺ってこんな書き方してたっけ?もっとこうTheリーダー望様って感じだった気が。
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「えーと、このルートならまず振込してから管理局だな、これなら夕方までには帰れるだろう」
ここ数ヶ月研究に熱が入りすぎてたなぁ…でもまぁこうして外を歩くのは嫌いじゃない、なんといってもこの澄んだ空気!研究室に篭ってると新鮮な空気が恋しくなるってもんだ。
「あっそうだ最近できたばかりのこの道!ここ通ってけば近道なんだっけー試しに通ってみるか」
相変わらずこの街の技術は先進都市の名に恥じぬハイクオリティなものばかりだ、例としてはこの道、青白く光るこのガラスの様な足場は都市に割り振られた座標に指定することでどこにだって具現し道が作れるという優れ物、元はガラス状じゃなくて細かい粒子状で空気中に溶け込んでいるとか…って!?。
「えぇっ!!?」
青白く光る足場が突如ガラスの割れるような音とともに望の歩いてきた後方から壊れ始めた。
--なんで崩れて!?
「やばい!やばい!こんなところで落ちたらひとたまりもねぇっての!?」
そうこの道は道と言えども軽く高さ10mはあるであろういわば橋なのようなものなのである。
「神さまなんとかしてくれーーー!!研究者たる俺が神に頼っちゃうのもなんだが今は非常事態だ許せ!」
ただただ無我夢中に走る。
バリバリバリバリッ!何か嫌な予感が…
「嘘だろ…おい!この先も壊れてんじゃねぇか!」
よく見ると前方からも激しく音を立てながら道が崩れてきている。
冗談はよしてくれよ、にしてもどうして急にこんな目にあわなきゃいけねぇんだよっ!
--あっあれは!
「T字路発見ナイスタイミング!」
T字路を右折しひとまず難を逃れ安心できるも束の間、勢いよく全ての道が崩れ逃げ場を失い望は落下。
「イ…イテェ…ケツが割れちまうぜこりゃ…」
落下場所が偶然にも柔らかい地面だったおかげか奇跡的に軽い怪我程度で助かったようだ。
土埃を払い頭を上げ歩き出そうとしたその瞬間、望は何やら異質な眼差しを感じ取る。
「…?」
そこにはロボット?の様な見た目をした何かがこちらを向いて立っている。
『警告コード CE-345443-0、該当テロリストを発見、尋問の後処罰します。』
警告?尋問?処罰?それにテロリストってえええええ?!
ロボットなのに殺気が凄いこれは本気で命奪われる奴なのでは?
後は壁、もう逃げ場がないどうする!
奴の股下を潜り抜けるにしても…
ギョロ…とロボットの目がこちらを見つめる。
「怖すぎぃ!」
思わず声が漏れてしまう、何かないか、何かないか!、てッヒェ!?
ドドドッ!
ロボットが突如、俺の足元へ銃を発砲。
「アッ危ねぇですよ!」
あまりの怖さに敬語が飛び出してしまう。
それほどにあのロボットから感じる圧は物凄い、まるで生きているかのようだ。
『弾道跳弾全てが計算されておりますテロリスト、アナタ動かなければ別条問題ありません。そしてアナタはこの警告の意味を正しく理解していますか?』
ロボットはそう言い先程のCE-345443-0と呼ばれる警告コード?とやらをこちらに提示してきた。
「全然これっぽっちも知らねぇよ!寧ろ教えてほしいくらいだ!」
『機密事項です。』
「んだとぉ?!」
『回答を頂けないのであればこれより第二シークエンスへと移行しアナタを処罰…いえこの世界より抹消させて頂きます』
ロボットの血相が変わり、胸部には正体不明の何かが蠢き蒼く光り輝き始める。
「いやまて…あの光…どこかで?」
確かに感じる既視感一体何なんだあれは。
--ザザッ…!急に頭にノイズが走る。
--ザザザッ!ノイズは次第に大きくなっていく。
「…ンッなんだこりゃ…目見えねぇし耳も聞こえねぇ…さっきまであった痛みも恐怖も感じねぇ…」
全ての感覚が薄れていく…身体が宙に浮くかのようなそんな感覚だ、でもそこに唯一感じるものがある。
これは「熱」?胸の奥底で沸き立つ何かが…熱い!焼けちまうほどにアツイッ!!
アツイアツイアツイアツイアツイッ!!
「んあああああああああああああああ!!」
--俺は燃え尽きちまった。
--CE-345443-0
あの意味は一体何だったんだ、それと蒼い光「そんな」ことも知り得ないまま終わるのか。
ん?まて…「そんな」こと?
やはり本当は何か知っている、あの既視感もそう!だけどそれが何か、あと少しなのに!
手を伸ばせば届く距離なのに!
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「さがせ…さがせさがせさがせさがせさがせさがせさがせさがせさがせさがせーー!!」
-『そう…あらゆる知識の海を探すんだ!』
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『Connecting to the network』
『Make up R.C blanks and activate Sarria』
---- 『待たせたな』
第二話




