魔女の誘惑
石造りの隠れ家は、外界の喧騒とは無縁の、濃厚な沈黙に満ちていた。
壁には紫色の魔力が微かに脈打ち、それがまるで部屋そのものが呼吸しているような錯覚を覚えさせる。
国を追放された俺は、なんと敵対していた魔女レイラに拾われ、助けられたのだ。
レイラは俺の胸の上に跨がり、アメジストの瞳を細めて、獲物を弄ぶ獣のような笑みを浮かべていた。
彼女の肌は、触れれば溶けてしまいそうなほど白く綺麗で、そして異常に熱い。
「あら、そんなに震えて……怖いのかしら? それとも、私に支配されるのが、そんなに嬉しい?」
彼女の指が、俺の胸に刻まれた呪印をゆっくりと這い上がる。
その爪先がかすめるたびに、皮膚の下を魔力が走り抜け、思考の霧が深まっていく。
彼女の愛撫は、決して慈しみではない。
俺の理性を、記憶を、尊厳を、指先で一つずつ丁寧に剥ぎ取っていくような、残酷で執拗な蹂躙だった。
「……殺してくれ」
俺は吐き捨てるように言った。
しかし、その声は彼女の支配の前では、あまりに無力で甘美な音に変わっていた。
「ダメよ。貴方は私の玩具なんだから。壊れるまで、いえ、壊れた後も私に使い潰されなきゃ」
レイラは俺の耳元で、甘く、それでいてゾクゾクするような低い声で囁いた。
彼女の吐息は毒を含んだ蜜の香りがした。俺の意識が彼女の魔術と混ざり合い、抗いがたい熱が身体の芯を支配していく。
「もっと私を見なさい。貴方の知略も、冷徹な計算も、今はすべて私の中にあるの。ほら、声を出して……。貴方のプライドが、私の愛撫でドロドロに溶けていく音を、聞かせて?」
彼女は容赦なく俺の唇を塞ぎ、支配の証を刻み込むように深く、強く貪った。
なんとも妖艶な手つきで、俺の陰部を撫で回し、
そして口に咥える。
「くっ、、、、」
味わった事がない快感だった。
レイラの口内は蜜のような粘り気を帯び、俺のそれをつつみこむ。口を動かす度にチャプチャプと音をたてて快楽へと誘う。
過去に味わった事がない程に俺は勃起していた。
誘われるように、レイラは固く勃起したそれを自分の体内に差し入れる。これもまた体験した事がない、言い表しようがない快楽であった。
彼女が動くたび、体内の魔紋が熱を持って反応し、俺の思考は「軍師セリア」としてではなく、「魔女の所有物」としての快楽に塗りつぶされていく。
「ああああ、あああ、イイわ。イイわ〜。貴方人間にしては硬いじゃなあい。ドクドク脈打ってるのがわかるわよおお。」
何度も、何度も。
彼女は俺の誇りを踏みにじり、そのたびに極上の快楽を注ぎ込んだ。
俺は抵抗する力を失い、ただ彼女の支配を受け入れるしかなかった。
レイラの魔力に侵食され、脳髄が焼けるような感覚の中で、俺は確かに悟った。
――俺はもう、あの国に戻るための人間ではない。
そう考えがまとまると、俺はレイラの腟内に大量の精子を射精していた。信じられない量の液体がレイラの腟から溢れ出ている。
「……レイラ」
儀式が終わり、乱れた息を整えながら、俺は彼女の瞳を見つめた。
そこには、俺が求めていた「地獄」が映っていた。
「あんな国、守る価値などなかった。俺を利用し、捨てた……あの王も、聖女も、民衆も」
俺の心の中にあった、冷徹な軍略家としての静寂が、復讐という名の黒い炎に変わる。
「カナンを滅ぼしたいのね」
レイラは満足げに俺の汗ばんだ頬を撫で、歪んだ笑みを浮かべる。
「その願い、叶えてあげるわ。聖女エレナが信じている神の言葉を、貴方の手で泥に塗りつぶしてやりなさい。彼女の聖なる衣を剥ぎ取り、その身を、心さえも、誰よりも醜く穢してあげるのよ」
彼女の言葉に、俺は初めて、本心から笑った。
あの聖女が、あの王が、絶望に顔を歪める姿が、数式のように鮮明に浮かぶ。
「ああ、そうさせてもらう。俺を英雄として祭り上げ、切り捨てたあの国が、最も残酷な方法で崩壊する様を、特等席で見せてやる」
レイラは俺の首に腕を絡め、恍惚と囁く。
「さあ、行きましょう。私の最愛の軍師。復讐という名の、最高に淫らで残酷な遊戯を始めましょう?」
王国カナンへの復讐。
それは、英雄を失った国が、かつての英雄の手によって食い荒らされる、終わりのない地獄の始まりだった。




