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ダンジョンが出来た世界で幼馴染が勇者(自爆魔法特化型)になったので、遊び人の俺は寄生しようと思う  作者: 秋月静流


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第40話 遭遇インパクト


 身体を揺さぶる激しい揺れ。

 まるでダンジョン自体が咆哮しているかのようだ。

 立つ事さえ困難な状況にコノハとミズキが狼狽する。


「わっわっ。

 いったいなに!?」 

「まさか地震だと?

 そんな……ありえない!」


 ミズキの指摘はもっともだ。

 基本ダンジョン内はオーソドックスな迷宮型や様々な地形を内包するフィールド型などに分かれるも、天候が変動する事はない。

 地形効果による環境の変化はあったが、地殻は安定しており、地震などの天災が起きたことはなかった。

 ――これまでは。

 俺が思い浮かべたのは17年前にあったというダンジョンクエイク。

 世界規模で起きたあの災厄に近い何かが今起きようとしているのではないか?

 そんな予兆が脳裏をよぎった。

 幸い揺れは一過性なものだったらしい。

 徐々に揺れが収まっていく。

 ダンジョン内では逃げ場がないから大惨事になるところだ。

 本来なら安堵すべきなのだろうが……

 俺の中の第六感が最大音量で警鐘を奏で始める。

 先程の比じゃない。

 俺の全存在が拒絶するような何かが起きる――


「警戒しろ、二人とも!

 この後に何か――」


 俺が二人に警告を発した時――そいつが現れた。

 外見としては直立するカバとプテラノドン。

 種の異なるそれらを醜悪に掛け合わせたような肥満体といったところか。

 導師が纏う豪奢なローブに身を包み、悪趣味な宝石で身体を飾り立てている。

 サイのような角が生えた頭部には虚ろな空洞が二つ空いており、鬼火のような紅い双眸がギョロリと動き俺達の姿を捉えた。

 ――補足された!

 奴が視界に入った瞬間――

 そして奴が俺達を視界に捉えた瞬間――

 本能が生存を優先すべく駆り立てる。

 衣服や武具を装備した業魔との遭遇。

 これは一般的に最悪の事態だ。

 アリシア達オーバーロードによる世界結界。

 つまりそれらは強固に張り巡らされたその弱体化干渉を撥ね退けてこの世界に具現化するほどのポテンシャルを持つという事に繋がる。

 まして目前に現れたこいつ、魔導師風の顕現ともなればどれほど危険か。

 隙を与える前にまずは撤退だ。

 気絶している双子を伴っていては満足に戦う事は出来ない。


「双子を連れて逃げろ、ミズキ!

 ここは俺とコノハが――」

「きゃう!」


 言い終えるよりも早く――

 奴がこちらへ手を向けた瞬間、派手に吹き飛ぶコノハ。

 横合いから突風が吹いたように通路の彼方まで飛ばされていく。

 なんだ……

 いったい……今、何をされた!?

 背筋を這う形状し難き戦慄。

 咄嗟に俺は速さに振ったパラメータを賢明値に振り込む。

 未知の攻撃、その正体を掴む為に。

 その結果、恐るべきことが判明する。

 魔力・洞察力を向上する数値を上げた事で、何とか感じる事が出来るもの。

 奴の攻撃の正体は体から溢れ出る不可視の膨大な魔力。

 それがドリルの様になり周囲を漂い、時として刃にもハンマーにもなっている!

 まずい――遠くへ飛ばされたコノハが復帰するまで、しばらく時間が掛かる。

 戦闘から離脱バシルーラされた勇者が復帰しない限り、自爆呪文による打開は出来ない。

 ならばここは俺が時間を稼ぐしかない。

 ……可能か? 

 こいつを相手に。

 無意識に額を流れ出る汗。

 嫌な感触だが俺は拭う事もなく奴を凝視する。

 意識を少しでも外せば即、ジエンド。

 クソゲーというより死に覚えゲーたっぷりの予感をひしひしと肌で感じる。

 間違いない、この圧力――

 心臓を握る様なこの圧倒的なプレッシャーは――

 こいつが最も深き階層の主……ダンジョンマスターだ!

 両手に構える刀が頼りなく思えるが、やるしかない。

 相手の動向をわずかでも逃すまいと神経を張り詰める。

 緊迫の一瞬。

 俺にゆっくりと視線を向けた奴が、嘲笑うように口を開いた。

 ブレスが来るかと警戒する俺。

 しかしそれよりもっとおぞましい事を――奴は行った。

 言葉を……人間の言語を口にしたのだ。


「よくぞ我が元へ参った……祝福されし忌み子よ」





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