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ダンジョンが出来た世界で幼馴染が勇者(自爆魔法特化型)になったので、遊び人の俺は寄生しようと思う  作者: 秋月静流


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第41話 念話ネゴシエイト


 馬鹿な……喋った、だと?

 しかも俺達が理解できる日本語を……?

 いや、違う。

 厳密に言えば奴は日本語を話した訳じゃない。

 奴の話す意味不明な呟きを――頭が勝手に翻訳したのだ。

 ――念話。

 ファンタジー系でお馴染みの技能が頭に思い浮かぶ。

 思念を直接伝達し、相互を理解し合う力。

 それならば確かに異種族間でも意思が通じる。

 だが業魔と会話が成立するなんて……

 金縛りにあったように硬直する俺。

 業魔の侵攻から17年。

 奴等とコミュニケーションを図れる事はなかった。

 無論、和平や停戦に向けて交渉をしなかった訳じゃない。

 様々な手法、それこそ原始的なネゴシエイトすら行い奴等と対話しようとした。

 しかしオーバーロードの警句通り――そのこと如くが失敗した。

 人類に対する激烈な敵意と殺意。

 業魔の根本原理ともいえるロジックに和解という二文字はない。

 以後、人類サイドは泥沼の攻防戦を繰り広げてきたのだ。

 だからこその驚愕――

 果たして業魔に交渉に応じる余地はあるのか?

 身を竦ませる俺を見て紅の瞳を細ませる階層主……ダンジョンマスター。

 直感的に分かる。

 奴は何か重要なことを喋ろうとしている――


「どうした……

 我が語り掛けたことがそんなに珍しいか?」

「あ、ああ……

 ――業魔とは対話が成り立たない。

 今の今まで、そう思っていた」

「愚劣極まりない人族相手ならばそうだろう。

 高尚なる我らが交渉に赴くまでもない。

 差し向けた雑兵共に蹂躙させるに留まる」

「ならば何故――?」

「お前は汚れたとはいえ、望まれし祝福者。

 我らの思念を受信できる存在であり、鍵だからだ」

「祝福者――?

 なんだ、それは!?」

「す、少しいいか……ショウ」


 問いただそうとした俺を恐る恐るといった感じでミズキが制してくる。

 何だ、今核心に迫ろうとする時に――

 咎めようとした俺だったが、ミズキの顔色を見て取り止める。

 その顔はまるで幽鬼の様に蒼白で――俺を心配そうに見つめていた。


「さっきから何を喋っているのだ、貴様は。

 あいつの呟きが言語に聴こえるのか?

 それとも怪しげな術で魅了されてしまったのか?」


 ――ミズキには奴の言葉が伝わっていない?

 視線を再度奴へと向き直す。

 ダンジョンマスターは面白そうに含み笑いをする。


「そうだ、我の……

 我等の思念は祝福者にしか伝わらぬ。

 その娘の様にな。

 汚れた存在である人族は意思の伝達を遮ってしまうのだ」

「じゃあどうして――

 俺は大丈夫なんだ……?」

「笑止。

 我に聞かずとも聡明なるお前のことだ。

 薄々気づいておるのだろう?

 汚れたとはいえ――

 お前には我等の血が混じっておる。

 お前は我等業魔と人族の間に生まれしものの末裔。

 高尚なる業魔の血族に連なるものだからだ」


 奴の言葉に驚くよりも――

 どこかピースが嵌ったようにしっくりする自分がいた。




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