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脱出中編

「あの面倒な睡眠ガスの対策をしません?」


「睡眠ガス?」


なんだそれはとでも言わんばかりにグルースが問い返す。


「あぁ、あの煙ね。」


シュリュッセルは思い出したかのように呟く。


「あの、煙とは何でしょうか?」


ショルツがおずおずといった様子で質問をする。


「どうやら、誘拐方法はそれぞれ違うようだな。知っているということはシュリュッセルとテイラーは知っているのか?」


「まあ、僕はあれさえなければ誘拐されなかったかな。」


「僕は、わからないですね。」


すみませんという雰囲気を出して謝る。


「まあ、そうだよね。あれ、体格が子供じゃないと効かないっていう欠点があるけど子供に対してはかなり効果的な眠り薬だからね。」


「あれとはなん「リエリート草の睡眠ガス」」


グルートの言葉に今まであまりしゃべらなかったフロントがかぶせるように発言する。


「リエリート草から抽出されるエキスを気体にしたものの通称だったはずです。」


「正解。よく勉強しているねテイラー辺境伯令息。」


違うんです、俺の頭の中のGoo○le先生が教えてくれたんです。俺はただ本をペラペラとめくってただけなんだよ。


「あの睡眠ガスはね、普通の大人だったらどんなに吸い込んでも分解される速度の方が早いから大人には効かないんだ。でも、まだ未成熟な子供なら分解をするのにかなりの時間を要するからね、人さらい御用達の商品なんだ。まあ、といっても効果があるのは八歳ぐらいまでなんだけどね。」


最後の方は少し付け足すように言った。


「それで、対策とかはあるのか?」


「あるよ。」


「では、それはなんだ?」


「聖魔法を使うんだ。」


聖魔法、ねぇ。


俺は持ってない。聖魔法は魔力の消費が激しいのであまり練習できないのだ。


他の人は、


「残念ながら俺も使えないな。」


「僕も残念ながら使えませんね。」


「僕も使えない。」


「私も、使えないです。」


ショルツも申し訳なさそうな顔で言う。


となると、残りは・・・・


皆の視線がフロントに向く。


「無理、使えない。」


あっさりという。


「まあ、そうだよな。じゃあ、どうする?」


「手の打ち用は、無いですね。」


「まあでも、この部屋からはまず出ない?僕にはちょっとしたとっておきがあるんだよね。」


「・・・言ってみろ。」


重い重い沈黙の末にグルートが口を開いてシュリュッセルに続きを促した。


「ふふっ。実はね。」

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