危機一髪
「セーーーーーーーーーフ!」
ぎりぎりのところで家の自分の部屋に戻った。非常に危なかった。途中でなにやら見覚えのある人物に囲まれたミネルヴァと目が合った気がするが気のせいだろう。
「いやー、危なかったねぇ。ぎりぎりだよね、ぎりぎり。」
たははと笑いながらクッキーを口に詰め込むザルフ。
しかし、その時玄関のほうが騒がしくなる。
「へー、ここがミネルヴァの家かぁ。」
「そうよ!特別に招いてあげたんだから感謝しなさい!」
リビングのほうから聞こえてくるのはむかつく上から目線のミネルヴァの声と、ん?まてまて。なんかリアンの声しない?
そんなテイラーの危機感もむなしく扉をあけられて入ってきたのは案の定クソルヴァと兄のリアンだった。
「あ!お兄様起きてらっしゃったんですね!」
そう言ってミネルヴァは半身を起こしたベッドの俺に近づきその手を取る。
「ああ、ミネルヴァ。今日は君の大切な客人が来るからね。いつものように横になってはいられないや。」
そうさわやかに笑うテイラー。
しかし、
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いってぇ!?)
ミネルヴァに握られた手が痛かった。理由は勿論あいつが骨を折る気で握ってきているからだ。後ろから見ると兄の手を掴んで嬉しそうに笑う健気な少女だろう。しかし、前から見ると額に血管を浮かべ人の手を握りつぶそうとしてくる犯罪者である。
「ミネルヴァ、嬉しいんだけど客人に失礼だからそろそろ話してくれるかな?」
「あっ、すみませんお兄様。こちら、私の親友であるリアン・シュヴェーアト様とリアネート・リムズ・ライヒ様です!」
「ハ、ハジメマシテ。」
そんなリアンの様子に思わずテイラーは苦笑してしまう。
「フフフ、いつも通りで大丈夫ですよ。楽に話してください。」
「そうか、ありがとう。改めて俺はリアンだ。こっちの奴がリアネートだ。これからよろしく頼む。」
「はい、ミネルヴァのことをお願いします。」
「えっ、ちょぅ!お兄様ぁ!」
そうやってミネルヴァがとびかかってくる。
だが、生意気な餓鬼はこうでもしなければならないのだ。特に!いつも上から目線のどっかの糞妹(偽)とかな!
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