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#29 眠り

一生は短い

もう終わりが見え始めた

後戻りはできない

同じように やり直しもできない


そっと終わりのヴェールが肌をなぞる

目を閉じても脳はもう知っている

魂に植えられた運命は

分かっていながら笑っている


終末を歩く

時の流れから逃れることは出来ない

はじまりの場所に向かって

歩みを進める

いつかは眠りにつくために


雲がゆっくりと命を運んでいる

窓から入る風が時おり終わりを運んでくる

忘れたとしても体は覚えている

甘やかな微睡みの様な停滞を


そろそろバトンを渡す時が来る

誰かから誰かへつないでいかなければいけない

それを受け取ったからには、手放すのもまた役目

魂に植えられた運命を見ながら

仕方がないねと笑っている


終末を歩く

終わりの香りから逃れることは出来ない

始まりの場所へまた

還るために歩みを進める

いつか、眠りにつくために


個人に内包された孤独を

孤独に内包された諦めを

見つめながらまどろみを甘受する

日々に埋め込まれた終わりの香りは

一抹の寂しさを形作ってとけていった

夕暮れ時の空に満ちた

空虚な寂しさの上に

雲がゆっくりと命を運んで行った。

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