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それからはカリーナ様とのことは出来る限り気にしないように、自分が出来ることからやっていった。


刺繍もお母さまから習い前より上手になったと思う。


勉強も学年5位以内をキープし、周りの人たちからもあまり釣り合わない等言われることも減った。


今年は2年に1回の花祭りの年。

国中の花が集められ、広場では花が売られる。

相手がいる人は女性から男性に赤い花の花束を、

相手のいない人は男性から意中の女性に白い花の花束を贈るという日だ。


この日はアラン様と一緒に祭に行くことを約束していた。

私はアラン様に渡す花束を用意していた。

アラン様は用事があるということで広場で待ち合わせをしていた。


赤い花束を持って広場に到着するとアラン様を見つけたので駆け寄ると話し声が聞こえた。


「アラン様、今日は花祭りですわ。婚約者がいらっしゃるのに白い花束を持っているのはどうしてですの?」


「このあと、花束を渡そうと思って。意中の相手に渡すのさ」


「婚約者がいらっしゃるのに」


「婚約者がそろそろ来るからまたな!」


友人らしい女性と話をしている内容が私の心を抉った。


意中の相手に渡す?

婚約者がいるのに??

私の花束はいらないのかしら……


思わず踵を返して元来た道へと戻った。

私からの花束なんて要らないのかもしれない。

今日渡す勇気はもうなかった。


馬車で屋敷に戻った。

侍女に具合が悪くなったことを伝え、待ち合わせ場所に今日行けないことをアラン様に伝えてもらった。その時に花束も一緒に渡してもらった。

渡した時の顔を見たくなかった。


部屋で涙が止まらなくなっていた。

屋敷に戻って来たお兄さまに心配された。


「花祭りの日にレオナはどうして泣いているんだ?」


「私から花束をもらうことはアラン様にとって嬉しいことでもなんでもないんです。婚約者という立場だから受け取るだけなんです」


「何があったんだい?」


聞いた内容をお兄さまに説明した。


「アラン様に限ってそんな不誠実なことはしないだろ」


「白い花束を持っていましたから」


「何か理由があるんじゃないか?」


そう話している時に執事が部屋にやって来た。


「レオナお嬢様、アラン様がお見舞いにいらしてますが……」


「今日は具合が悪いのですみません…」


「かしこまりました。そう伝えます」


お兄さまに

「ちゃんと話さなくていいのか?いつも逃げてばかりでいいのか?」と言われたが私には勇気がなかった。


執事がやって来て

「アラン様が今お帰りになられました。白い花束をお見舞いにと置いていかれました」


「白い花束……」


私が来なかったから?

お見舞いに行かなくてはいけないから渡せなかったのかしら…?

そう思うと寂しくなった。





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