㉗
侍女に教えてもらい、ちょっと形が悪いような気がするが、ハンカチに剣をモチーフに刺繍をした。
軽くラッピングをして完成したのが街歩きの前日だった。
夜にアラン様から連絡がきた。
【明日どうしても行けなくなってしまった。明後日に変えてもらえないたろうか?】
緊急の用事ができたらしい。
【明後日お待ちしております】とだけ返事をした。
明日の予定がなくなってしまったのでどうしようかと思っていたが、たまたま戻ってきていたお姉さまが図書館に行きたいと話していたので便乗することにした。
翌日朝から少し天気が悪かったので街歩きは今日ではなくて良かったと思っていた。
お姉さまと一緒に馬車で図書館に向かっていた。
窓から見えるのは小雨の景色。
雨が止まないかなと思い眺めていた。
通りを過ぎた時に傘をさした男女が歩いている姿が見えた。
思わず「え………?」と声をあげてしまった。
お姉さまに「どうしたの?」と聞かれたが返事を声に出すことが出来なかった。
歩いていたのは間違いなくカリーナ様とアラン様だった。私との約束を反故にした用事はカリーナ様だったんだ………。
どうしてこういう時はいつも気付いてしまうのだろう。
何故一緒に……?
そこからはお姉さまと何を話したかも覚えていない。図書館に着いても本を広げているだけで何も入ってこなかった。
拙い文章を読んでいただきありがとうございます。




