⑯
この日は移動教室も多く、カリーナ様から聞かれることなく放課後になった。
カリーナ様は今日も王太子妃候補の教育で王城に向かうということで門で別れ、アラン様を待っていた。
玄関から歩いているアラン様を見かけたところで侯爵令嬢たちとすれ違った。
「相変わらず図々しいこと。立場をそろそろ弁えたほうがよろしいのではなくて?」
クスクス笑いながら言われ、何も言えずに俯いていた。
そこへアラン様が現れた。
「レオナ嬢、待たせてしまったな……何かあったのか?」
私の様子を見て違和感を感じたのだろう。
下を向いている私の顔を覗き込んで話かけてきた。
「何もございません…」
「本当か?ではなんでそんな泣きそうな顔をしているんだ?」
「大丈夫です。帰りましょう」
そのまま馬車に向かった。
馬車に乗って屋敷に着くまでずっとアラン様に心配されていた。
「本当に何もないのかい?話せないことかい?」
「何もないですよ。目にゴミが入って少し痛かっただけです。ご心配をおかけしました」
「そうか…何かあれば言うんだぞ」
小さく頷いた。
ただ俯くことしか出来ず、言い返すことも出来ない自分が悲しかった。
翌日
カリーナ様と放課後お茶会を楽しみにしていた。
朝、門でカリーナ様とアラン様が話している姿さえ見なければ…
カリーナ様が私の姿に気付き、駆け寄ってきた。
「レオナ様、おはようございます。今日の放課後のことは覚えているかしら?レオナ様の誕生日のお祝いですわ。楽しみですわ!」
アラン様も近付いてきた。
「レオナ嬢おはよう。今日はカリーナ嬢に祝ってもらうんだってな。楽しんでな」
「お2人ともおはようございます。門でアラン様にお会いするのは珍しいですね。お2人のお話の邪魔をしてしまいましたか?」
「大した話をしていないから大丈夫ですわ。それよりもレオナ様、一緒に教室に参りましょう!」
「おいおい、俺は無視か!レオナ嬢、またな!」
カリーナ様に引っ張られるように教室に向かった。
今日のお茶会は楽しめるかな…
拙い文章を読んでいただきありがとうございます。




