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第十五章:幼い来訪者

読んでいただきありがとうございます!

読んでいただけることで続きを作成するモチベーションになります。本当にありがとうございます。


カフェ中心に見たい方は一気に

第五十三章:交差する道、カフェにて

までスキップしてくださいませ。

魔王とか勇者のことが気になる方はそのまま読んでも大丈夫ですが、バトル展開が続きます。

のんびり見るならスキップ推奨です!

(後で気になってからこの辺り見てもらうのでも大丈夫です!)

黒い霧が村の外れを覆い尽くし、アルセインの冷笑が耳に響く中、俺たちは緊迫した空気の中にいた。魔王と勇者が武器を構え、俺もルナグレープの力を自覚し始めた体に馴染もうとしていたが、どこか違和感が拭えない。


その時だった。霧の中に不意に現れた小さな足音。薄闇の中からかすかな歌声が聞こえてくる。高く、幼い声。それが場の緊張を一瞬で変えた。


「ふふ……遊んでるの?」


その声に俺たちは全員振り向いた。霧の中から現れたのは、白銀の髪を持つ幼い少女だった。年の頃は10歳ほどだろうか。その透き通るような肌と澄んだ瞳は、この戦場に不釣り合いなほど無垢な輝きを放っている。


彼女は、薄紫のドレスを着ており、その手には小さなルナグレープの果実を抱えていた。


「……子供?」

勇者が戸惑いながらつぶやく。


しかし、魔王は鋭い眼差しを向け、静かに言った。

「違う……この子から感じる魔力は、ただの子供のものではない。」


俺も同じ違和感を感じていた。その小さな体の奥底に、ルナグレープにも似た魔力の脈動が見える。少女は微笑みながら俺たちに近づいてきた。


「あなたが、新しい“管理者”なのね。」

少女は俺をじっと見つめながら言った。


「……ああ、そうだ。」

俺が答えると、彼女はにっこり笑った。


「なら、私のこと知ってるよね? 私はこの世界の“扉”を見守る存在。名前は……エリスよ。」


「扉を見守る存在……?」

その言葉に驚きが隠せなかった。


「そう。私の役目は、この世界と他の世界を繋ぐ扉を守ること。そして――」

エリスの表情が一瞬だけ陰りを見せた。

「それを開く者が現れた時、彼らの選択を見届けることなの。」


アルセインが低く笑った。

「ほう、見届けるだけか。なら、見届けるがいい。扉は開かれるべきだ――そして、この世界を新たに作り変えるために!」


エリスは首をかしげるようにして、アルセインを見た。

「あなたは力が欲しいだけなのね。でも、扉が開いた時に何が起きるか本当にわかっているの?」


アルセインの笑みが少し歪んだ。

「どういう意味だ?」


エリスは、小さな果実――ルナグレープを掲げながら話し始めた。


「扉はただの道じゃないわ。それはこの世界そのものを支える“基盤”の一部でもあるの。だから扉を無理に開けばこの世界は壊れてしまうのよ。」


「世界が……壊れる?」

俺は息を飲んだ。


「ええ。でもね、それだけじゃない。扉が壊れれば扉と繋がる他の世界――あなたたちの“現代”も、消えてしまうかもしれない。」


その言葉に場が凍りついた。俺が異世界に来るきっかけとなった扉。その扉が、現代とこの世界の運命を同時に握っている――。


「なら、ますます扉を開けるべきだ!」

アルセインが声を荒げる。


「もしこの世界が壊れたとしても、それは新しい世界を作り直すための礎になる。過去の遺物を捨て、進むべきだ!」


しかし、エリスは静かに首を振った。


「それは間違っているわ。どんな世界でもそれを守りたい人がいるのに――。」


彼女の瞳が俺に向けられる。

「管理者さん、あなたはどうするの? あなたならこの世界も、あの世界も守る方法を選べるはず。」


その言葉に、俺の心は大きく揺さぶられた。俺はカフェを守るためにこの世界に生きることを選んだ。だが……


「俺は……。」

答えようとする俺の声を遮るようにアルセインが動いた。


彼の体がさらに黒い霧に包まれ、巨大な魔物のような形を作り出す。


「選択など無意味だ! 私が力ずくで扉を開け、この世界を新たに創り変える!」


アルセインが叫ぶと同時に大地が揺れ始めた。遠くの空にひび割れが走り、その先に青白い光が漏れ出す。


エリスが小さな声で呟く。

「扉が……反応してる……。」


俺は必死に前に進もうとするが足元がぐらつく。カフェを守るため、村を守るため、そしてこの世界を救うために何ができるのか――その答えがまだ見えない。


「管理者として、俺に何ができる?」

その問いが胸の中で反響する。


エリスが静かに俺の手を握り、囁いた。

「大丈夫。私が手伝うから、一緒に“選択”をしよう。」


彼女の言葉に力を得た俺だったが、その直後、遠くから聞こえる雷鳴のような音が場を支配した。


――そして、空間が大きく裂けた。

そこに現れたのは、この異世界と現代社会を繋ぐ「扉」そのものだった。

カフェ中心に見たい方は一気に

第五十三章:交差する道、カフェにて

までスキップしてくださいませ。

魔王とか勇者のことが気になる方はそのまま読んでも大丈夫ですが、バトル展開が続きます。

のんびり見るならスキップ推奨です!

(後で気になってからこの辺り見てもらうのでも大丈夫です!)

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