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プロローグ2 狭間にて

ここら辺はちゃっちゃか進ませます、ごめんなさいm(_ _)m



──ああ、やっとこれで楽になれる...




   『あの~.....もしもーし...聞こえてますかぁ?』


 時間の経過する感覚が無い真っ暗な意識の中でコロコロと可愛らしい音がした。


  (何だろうか.......?今何か聞こえたような....)


 脳に直接響くような声が聞こえた気がした。


  (まぁ、もう...どうでもいいや.......)

 ユイトはまた、自分の意識が遠のいて行くことを感じた。


  『..............................』


  (..............................)


   『聞こえてますよねぇ?』


  (...........................)


  『...........................えいっ!』


   (!!)


 温かな光に包まれ、視界が真っ白になる。しばらくすると眩しさが消え、自分の身に起こったことを確認しようとし...

   (体が...ある...)

  自分の大きな変化に気が付いた。


  『もぉ~、無視は良くないですよぉ~』


 声がした方を振り向くと、ピンク色の髪をした、女性だと思われる人が立っていた。というのは、視界がぼやけていて、はっきりとはわからないのだ。


『では、改めまして……ぱんぱかぱぁーん♪ 君はどういう訳か異世界に飛ばされることに決まりましたぁ〜!』

 

  (…………………………)

可愛らしい声の主は柔らかいトーンで宣言した。


『時間があまり無いから、色々なところは省かせてもらうけど、とりあえず、これだけは言わせてね!今までも異世界に飛ばされてる人はよく居たんだけどね、この空間を通って、私とお話できた人は初めてなんだよぉ〜!だから今とっても嬉しくってねぇ!!』


(…………………………)


『だからね!君にプレゼントをねぇ!贈ろうって思ったの!

何が良いかなぁ……?』


(…………………………)


一方的に喋り続ける女性を前に、ユイトは、

(どうでもいい…………)

と、心底思っていた。


『むぅ〜、その目!まずその目をどうにかしましょう!

そんな、世界の終わりぃ〜みたいな顔しなくても良いじゃないですかぁ!寧ろ、今から始まるんですよ? もっと!…こう!!好奇心に満ち溢れましょうよ!!前に見かけた人達はみんな、それはもうギラギラって感じでしたよ?』


(今から、始まる……? そんな………………)


やっと終わる事が出来たと思っていたユイトは、それ以上何も考える事は出来なかった。


『だぁ〜いじょうぶ!!そんなに不安にならなくても、最初のうちは私の力で守りますから!だから、心配することなんて何も無いのです!これでも私、女神なんですから!!』


と胸を張ってみても、ユイトからは何の反応も無く、仕方なく話を続けた。


『本当に時間が無くなっちゃうので、問答無用でお話を続けますね!まず……そう!その目!その目を変えちゃいます!そうですねぇ……私の大好きなブルーゾイサイトにしちゃいましょう!あの宝石は本当に神秘的で青いようで、紫なようで…まるで夕暮れ時の空みたいでとっても綺麗なんです!折角なので、その目にちょっとだけ魔法をかけよう!そうしよう!!うーーん…どんなのが良いかなぁ……』


ユイトはただ、女神と名乗った女性を眺めているだけ。話の内容なんて全く頭に入っていない。


『そうだなぁ、ここは女神らしく、邪悪な魔素を見分ける、とかが良いかなぁ〜?見分けられるだけでも、きっと助かる事って多いと思うんだよねぇ……、人々を邪悪から護る女神!響きだけでもかっこいい…………!それから…君には愛の女神である私の加護を授けようかなぁ……!うん!ピッタリ〜!だって、君はもっと誰かに愛される事を知るべきだと思うの〜!』


(…………どうでもいいや、なんでも…)


『良し!決まり〜!!あとは、時間も無いし、適当に見繕っておくね〜! はぁ〜、この空間を出ちゃうと、もう記憶は残ってないから本当に残念だなぁ……、でも!私はちゃ〜んと見守ってるからね!君の未来に光あれ〜!!』





目を開けるとそこは、どうやら水の中のようだった、水面がゆらゆらと揺らいでいる。冷たいとは感じない、ただ、少し不気味な感じもする。


(僕は確か、車に撥ねられて…………死んだのか?)


ああ、やっと……と思った。身体が徐々に沈んでいる事がわかる。だが何故だか苦しくない。僕はそっと目を閉じた。もうこのまま、何も考えたくない……。


「ねぇ、君!君は新しい転生者かな?」

再び目を開けるとそこには、人魚のような格好の女がいた。

はっきり言って、あまりにも不気味で気持ち悪い……。顔がまるで能面のようだ。


「あれ?聞こえてるよね?」

声のトーンはまるで少女だが、どう見たって表情は動いていない。ああ、嫌だ。どうして死ぬ間際でこんな、気味の悪いものを見ないといけないんだ……。


「ちょっと!気味の悪いものってなんだ!ここに来る人は大体僕を可愛いって思うんだぞ!この世界の神に対して失礼じゃないかい!?」


「どうして……」

僕の思ってる事が……と言おうとして、水の中で喋れることに気が付いた。小さな気泡を出して、コポコポと音を立てた。


「ふんっ!僕は神様だからね!」


かみさま……神様……、この不気味な何かを纏っているのが神様?


「不気味?神々しいの間違いじゃないかい?」

神はユイトの目の前にまで詰め寄って来た。


「まぁ、いいや!僕は君の新生活の応援をしに来たのさ!君はどんな能力が欲しい?僕なら君に色んな能力を授けられちゃうよ?……ああ!君の心の中はとっても真っ暗だ!そのままだとすぐに闇に呑まれちゃうよ!」


なんだろうか……どこかわざとらしいような強引なような……。


「あー、今僕を疑ったな?ほら、見て!この白く輝く魔石!これは僕にしか作れないんだ!これを心の中に閉まっておくと、どれだけ闇が深くっても希望を忘れないんだよ!だから闇に飲まれることは絶対に有り得ない!」

と言って、何処からか、純白に輝く宝石のようなものを取り出し、僕にその石を押し込めようとしてきた。


「待って、そんなもの、要らないよ」

僕は神の手を押し返した。

「え、なんで?どうして?」

神は僕の顔を覗き込んできた。


僕にも理由ははっきりとは分からないが、この目の前にいる神と名乗る女を信じることがなかなか出来ない……。それに…


「もう、僕に希望なんて必要無い……このまま僕に構わないでくれ……」

僕はもう一度目を閉じて、沈んでいく体に身を任せた。


「待ちなよ!その先は精神世界の領域だ!光なんて届かない!ただの闇の溜まり場だよ!」

精神世界?闇の溜まり場?何を言っているんだ……

まぁ、いいや……どうでも…… ああ、でも、最後に……


「君の目によく似た目を僕は見た事があるよ、欲にまみれた汚い目だ、僕の嫌いな目だよ。光なんて宿ってない、その石、自分自身に植え込んでみたらどうかな……」

薄らと開けた視界の先でさっきの女の髪が逆立っているのが見えた。不気味なオーラも増している……あれは何だったんだろうか……。…………なんでも良いや……


ユイトはまた意識を手放し、深い闇の中へと沈んでいった……





早く本編に入らねば……

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