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「春になる頃には」  作者: ともり。


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見覚えのある名前

## 第九話


### 見覚えのある名前


「結衣」


その名前を見た瞬間、

春斗の指が止まった。


プロフィールを開く。


笑った時、

少し目が細くなる顔。


趣味はカフェ巡りと読書。


そして、

どこか懐かしい雰囲気。


——見覚えがある。


春斗は記憶を辿る。


高校時代。


窓際の席。


文化祭の準備。


放課後の教室。


そして、

ある名前が浮かんだ。


「……藤崎、結衣?」


思わず声が漏れる。


同じクラスだった。


特別仲が良かったわけじゃない。


でも、

ちゃんと覚えている。


文化祭の日。


結衣が重い段ボールを運んでいた時、

周りの男子たちはふざけていて、

誰も手伝わなかった。


その時。


春斗だけが、

無言で一緒に持ってくれた。


結衣は、

そのことをずっと覚えていた。


でも春斗は知らない。


自分では、

ただ当たり前のことをしただけだったから。


スマホが震える。


> 「もしかして春斗くん?」


続けて届く。


> 「高校一緒だったよね?笑」


春斗は思わず吹き出した。


急に、

マッチングアプリっぽさが消える。


春斗は返信を打つ。


> 「やっぱり結衣だったんだ笑

> びっくりした」


数秒後。


> 「うちも笑

> でも、なんかすぐわかった」


> 「春斗くん、

> 昔から文章変わらないね笑」


春斗は少し照れた。


その頃。


結衣もスマホを見ながら、

小さく笑っていた。


高校時代の春斗は、

静かな人だった。


でも、

誰かが困っている時だけ、

自然に動ける人だった。


派手じゃない。


でも、

優しい人。


だから実は、

当時から少し気になっていた。


アプリで名前を見つけた瞬間、

結衣は少し嬉しかった。


久しぶりなのに、

不思議と安心した。


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