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既読の意味
## 第二話
### 既読の意味
美咲とのやり取りは、
思ったより続いた。
映画。
仕事。
コンビニでつい買うお菓子。
たわいない話。
でも春斗にとっては、
その“たわいなさ”が嬉しかった。
通知が鳴るたび、
少しだけ気持ちが軽くなる。
仕事で怒鳴られた日も。
疲れて帰った夜も。
「お疲れさまです笑」
その一言で救われる気がした。
だから。
返信が遅い日が、
怖くなった。
昼に送ったメッセージ。
夜になっても返ってこない。
スマホを見る。
また見る。
通知が来てないのを確認して、
また閉じる。
それを何回も繰り返していた。
コンビニで買ったカフェオレを飲みながら、
春斗はアプリを開く。
オンライン表示。
でも返信は来ていない。
——何か変なこと送ったかな。
昼のメッセージを見返す。
絵文字が多かったかもしれない。
いや、
逆に硬すぎたか。
そんなことばかり考えてしまう。
深夜。
ようやく通知。
> 「ごめんなさい!寝落ちしてました笑」
春斗は安心してしまう。
それが少し悔しかった。
たった一言で、
気分がこんなに変わる。
春斗は、
恋愛になる前のこの時間が、
一番苦しいことをまだ知らなかった。




