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「春になる頃には」  作者: ともり。


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はじめまして、の重さ

## 第一話


### はじめまして、の重さ


「〇〇さんとマッチしました。」


仕事帰りのバスの中。


春斗は通知を見て、

少しだけ息を吐いた。


二十七歳。


学生の頃は、

普通に恋愛して、

普通に結婚すると思っていた。


でも現実は違った。


仕事に追われ、

帰宅して、

コンビニ飯を食べて寝る。


休日は疲れて終わる。


SNSを開けば、

友達の結婚報告。


「家族で旅行〜」


「記念日!」


そんな投稿ばかり流れてくる。


焦ってない。


……そう思いたかった。


家に帰る。


静かな部屋。


脱ぎっぱなしのスーツ。


まだ干しっぱなしの洗濯物。


春斗はソファに座り、

マッチした相手のプロフィールを開いた。


「美咲 25歳」


趣味は映画と散歩。


笑顔が自然な人だった。


春斗はメッセージを打つ。


> 「マッチありがとうございます。」


消す。


硬い。


もう一度打つ。


> 「映画好きなんですね。僕もよく観ます。」


また消す。


気持ち悪くないか。


重くないか。


五分くらい悩んだ末、

結局送った。


送信。


その瞬間、

急に恥ずかしくなる。


スマホを伏せる。


でも、

数分後。


——ピコン。


通知。


> 「こちらこそよろしくお願いします!

> 何系の映画観るんですか?」


たったそれだけ。


なのに、

部屋が少しだけ明るくなった気がした。


春斗は小さく笑う。


今日は少しだけ、

スマホを見るのが楽しみだった。


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