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復讐に行ったら、超能力探偵に出会ってしまった話  作者: 小説書こう


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ヴィクトール

戦闘が始まった。

ヴィクトールが右腕を下へ振った。

袖の内側から、金属音とともにピストルが滑り落ちてくる。手に馴染む感触。彼は微笑むこともなく、そのまま引き金を引いた。

最初の男の額に穴が開く。

二発目で隣の男の喉を撃ち抜き、三発目で後ろに下がろうとした男の膝を砕いた。倒れた男に近づき、無造作に後頭部を撃ち抜く。

まさに「惨殺」と呼ぶに相応しい、淡々とした手際だった。

生き残りが車の影に飛び込む。銃声を避け、息を潜める。だがヴィクトールは歩みを止めなかった。


「隠れてるつもりか〜?」


彼はピストルを下に向け、アスファルトを撃った。弾は低い角度で跳ね、車の下をくぐり、影に隠れていた男の足首を貫く。男が悲鳴を上げて転倒したところへ、二発目の跳弾が後頭部を撃ち抜いた。


「跳弾はな、壁や地面をうまく使えば裏側まで届くんだよ〜」


別の男が慌てて別の物陰へ移動する。ヴィクトールは今度はガードレールを撃った。弾が金属に当たって鋭く軌道を変え、男の側頭部を貫通する。血が噴き出し、男はその場に崩れ落ちた。

数人を瞬く間に屠り、ヴィクトールは肩を回した。


「……ん?」


違和感があった。

最後に撃った跳弾の感触が、おかしい。命中したはずなのに、弾かれたような手応えしか残っていない。ヴィクトールは目を細め、物陰を見つめた。

ゆっくりと、一人の男が姿を現す。

黒服。巌巌会の構成員らしいが、他の連中とは空気が違った。弾痕の残るコートの胸を、男は無造作に叩いてみせる。


「……効かねえぞ」


ヴィクトールが即座に有無を言わせず三発叩き込む。胸、腹、肩。すべて命中しているはずだった。だが男は一歩も動かない。弾は音を立てて弾かれ、地面に落ちた。


「能力(デッドリー)か〜?」


「鉄壁」


男が短く答える。


「物理攻撃はほとんど通らねぇぞ!!お前みたいな銃の上手い連中が一番嫌いだ!!」


ヴィクトールは黙ってピストルを撃ち続けた。連続で六発。すべて弾かれる。男は余裕の表情で近づいてくる。


「弾切れだろ。もう終わりだ」


「終わりなのはお前の方だ」


ヴィクトールが左手を下へ振った。

袖から、重い金属音とともに大型のリボルバーが滑り出る。三発装填の異様に長い銃身の銃。スナイパーライフル弾を使うために改造された、特注品だ。

男の表情が、初めて強張った。


「……な、何だそれ……!!」


「切・り・札〜」


ヴィクトールはリボルバーを構え、静かに息を吐いた。


「お前みたいな低級能力は貫いてやんよ」


引き金が引かれる。

重低音の銃声が交差点に響き渡った。男の「鉄壁」が、中央から亀裂を走らせ、背後の壁まで貫通する。男は自分の胸に開いた大きな穴を見下ろし、そのまま膝から崩れた。

ヴィクトールはリボルバーを下ろし、煙を消すように銃口を振った。

車の方を振り返る。宗継は相変わらず後部座席で、真面目な顔のままハンバーガーの袋を抱えていた。


「終わったぞ、宗滅」


「ああ。ご苦労だった」


「20人以上死んでんのにその反応?」


「私は気にしない」


「で、次は回転寿司か?」


「学びだ」


ヴィクトールは深く息を吐き、リボルバーを袖に戻した。


「お前のその『学び』、いつか本当に死ぬぞ〜」


「死なない。お前がいるからな」


真顔で言われ、ヴィクトールはもう何も返さなかった。

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