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寝取られ復讐に行ったら、最悪の能力者探偵と出会った件  作者: 小説書こう


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7/9

カイゼル・エルディオン

リゼロのラインハルト好きなんすよ

あんな使いやすい設定無いからね

刑務所(パノプティコン)からの大規模脱獄。


 その影響は、数日経った今もヒューゴ達の住むキーリオス全域へ色濃く残っていた。


 特にスラム街は最悪だった。


 入り組んだ路地。


 監視カメラの死角。


 違法改造施設。


 身を隠すには最適すぎる環境だったのだ。


 脱獄囚たちは次々と流れ込み、街の治安は急速に悪化していった。


 強盗に誘拐そして、変死事件、違法薬物取引。


 新聞もニュースも、毎日暗い話題ばかりである。


「はぁ〜……新聞が暗い話しかねぇ……」


 大きくため息を吐いたのは、ヒューゴ・ヴァレンタイン。


 探偵事務所のソファに寝転がりながら、朝刊を雑にめくっている。


「どこも“脱獄囚!脱獄囚!”って……世紀末かよ」


「実際半分お前のせいだろ」


 メロルスが即座にツッコむ。


「いやいや、出口開けたのは不可抗力だから」


「“さっさと帰ろうぜ”とか言ってた奴が何言ってんだ」


「⚪︎⚪︎えもんが悪い」


「責任転嫁にも程がある」


 そんな騒がしい探偵事務所で、最近一つ変わったことがあった。


 カテリナが正式に探偵事務所へ入社したのである。 現在は主に事務仕事担当。

 書類整理や依頼受付をしていた。


「ふぅ……今日の分終わりましたぁ」


 カテリナが小さく伸びをする。


 ヒューゴは新聞を放り投げた。


「メロルス、昼だな。飯買ってこい」


「自分で行けよ」


「社長命令」


「横暴だろ」


「あと甘いのも頼む」


「子供かよ…まあ、いいけどさ」


 結局、メロルスは立ち上がる。


「あっ……じゃ、じゃあ私も行きますぅ!」


 カテリナが嬉しそうに後を追った。


 ヒューゴはニヤニヤしながらそれを見送る。


「青春してんなぁ〜」


 二人は階段を降り、事務所の外へ出た。


 その瞬間だった。


 突然、メロルスの肩が掴まれる。


「やあ!!」


「うおっ!?」


 振り返ると、そこには黒髪スーツ姿の好青年が立っていた。


 妙に爽やかで、妙に距離感が近い。


「キミ、ここの職員さんで合ってるかい?」


「あ、あの……一応そうですけど……どちら様で?」


 すると男は太陽みたいな笑顔を浮かべた。


「ああ! 僕は《SHLD/シールド》所属、カイゼル・エルディオン!!」


「気軽にカイゼルと呼んでくれ!!」


 そしてそのまま、勢いよくメロルスの手を握った。


「よろしく頼むよメロルスくん!!」


「え、あ、はい……」


 すると。


「ダメですぅ!!」


 カテリナが割って入った。


 無理やり二人の手を引き剥がす。


「メロルスさんの手を勝手に握らないでくださぁい!!」


「おおっ!?」


 カイゼルが驚く。


 メロルスも驚く。


 カテリナ本人も、言った後に少し赤くなっていた。


 《SHLD/シールド》。


 正式名称は、


 Shield(防護)

 Hold(維持)

 Law(法)

 Defend(守る)


 ――大量脱獄事件を受け、複数組織の援助で急遽設立された新治安組織である。


 警察、企業軍、賞金稼ぎ、民間戦闘員。様々な精鋭が集められていた。


 カイゼルは元々警官だった男であり、その実力を見込まれてスカウトされたらしい。


「実はね!」


 カイゼルが人差し指を立てる。


「古くからの大親友であるヒューゴが、この街で探偵事務所をやってるって聞いてね!」


「……」


 メロルスはなんとなく嫌な予感がした。


「今日は挨拶と、“勧誘”を兼ねて来たんだ!」


「勧誘……ですかぁ?」


 カテリナが首を傾げた、その時。


 ガチャ。


 階段上のドアが開いた。


「おーいメロルス、外なんかうるさ――」


 ヒューゴが顔を出す。


 そしてカイゼルを見た瞬間。


「ゲッ」


 露骨に嫌そうな顔をした。


「カイゼルじゃねぇか。最悪」


 実際、二人は昔からの知り合いではあった。


 だが“大親友”というほどでもない。


 むしろヒューゴは昔から、カイゼルに振り回され続けていた。


 そして今回もそのパターンだった。


「やあヒューゴ!!」


 カイゼルが爽やかに手を振る。


「ちょうど良かった! 今日は君に良い話を持って来たんだ!」


「帰れ」


「早いな!?」


 カイゼルは全く気にせず続ける。


「SHLDはまだまだ人手不足でね!」


 ビシィッ!


 ヒューゴを指差す。


「君の“ウデ”を見込んで――いや、“足”を見込んで言おう!!」


「誰が上手いこと言えって言った」


「我がSHLDへ来ないか!!」


 カイゼルは胸を張った。


「給料もいいぞ!! 福利厚生も完璧!! 社会的信用もある!!」


 だがヒューゴは即答する。


「やだね」


「えぇ!?」


「規律とか嫌いなんだよ俺」


「頼むよヒューゴぉ!」


「やだ」


「頼む!!」


「やーだ」


「頼むって!!」


「やーーだ」


「お願い!!」


「やーーーーだ」


 数秒沈黙。


 そして。


 カイゼルの笑顔が引きつった。


「……しょうがない」


「ん?」


「今から君を“無理やり”連れて行こう」


「は?」


 カイゼルが拳を構える。


「構えろヒューゴ!!!」


「ざけんな!!」


 瞬間。


 ヒューゴの蹴りと、カイゼルの拳が真正面から衝突した。




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