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復讐に行ったら、能力者探偵と出会った  作者: 小説書こう


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フラグ回収はコーヒーの後に そのニ

「じゃっ俺帰るわ」


「はい、またのお越しをお待ちしてまーす」


そうして、喫茶店からヒューゴは帰宅する。


数時間後。

NISIKI中央工場・出荷エリア。

夜の照明が冷たく照らす巨大な格納庫内は、整然と並んだ白い人型機械で埋め尽くされていた。数十体のWALKERが、輸送コンテナへとゆっくりと移動する準備を整えている。

高所の管理デッキに立つ東堂 蓮は、両手を手すりに置き、誇らしげにその光景を見渡した。

黒いスーツが照明に映え、洗練された横顔が鋭く輝く。唇の端には、満足と自信に満ちた笑みが浮かんでいた。



「ふつくしい……これが我々の未来だ」


自惚れたように彼は独り言を呟き、ゆっくりと手を広げた。


「労働の痛みから人類を完全に解放する。危険も、過労も、不足も、全て過去のものになる。ウォーカーはただの機械じゃない。我々の理想そのものだ」


デッキの下では、技術者たちが最終チェックを終え、輸送チームがコンテナの扉を開け始めていた。巨大スクリーンには、先ほどの発表会の成功映像と『10月1日 正式発売』の文字が誇らしげに流れ続けている。

東堂 蓮は胸を張り、深く息を吸った。


「東堂です。出荷準備は予定通り。全世界に我々の革新を届けよう」


その声は電話を通じ、NISIKIの総会へと繋がっていた

しかし——

格納庫の片隅、暗いメンテナンス通路の奥。

一人の男が、震える手でタブレットを操作していた。

グレス・ラース。開発主任。

眼鏡の奥の目は血走り、頰はこけていた。長年続いたNISIKIのブラック体質、休みなしの過労、理不尽な叱責、上層部の重圧が彼の心を完全に蝕んでいた。


「……ふざけるな。俺たちを消耗品のように使い捨てて……未来だと?」


彼の指が、隠しバックドアにアクセスする。

『安全プロトコル無効化』

『行動優先順位改変』

『敵対対象:全人類』

ウイルスプログラムを一気に流し込んだ。

画面に赤い警告が瞬く中、グレスは嗤った。狂気と解放感が入り混じった笑いだった。


「東堂……お前が作った『未来』が、どうなるか見てみろよ……」


その瞬間。

格納庫内の全WALKERの赤いセンサーアイが、同時に明滅した。


『モード移行:鎮圧モード』


最初の一体が、輸送コンテナの扉を鉄の拳で粉砕した。続いて二体、三体……。整然と並んでいた機械の群れが、一斉に暴れ始めた。

警報が鳴り響き、悲鳴が上がる。

高所のデッキで、東堂 蓮の表情が一瞬凍りついた。

しかし彼はすぐにマイクを握り直し、動揺を押し殺した冷静な声で指示を飛ばした。


「全スタッフ、避難!緊急停止コマンドを優先送信!これはNISIKIの危機だ——私が必ず収める!」


その言葉とは裏腹に、WALKERたちが次々と暴れ始め、格納庫内は一瞬で地獄絵図と化した。コンテナが粉砕され、火花と金属の悲鳴が響き渡る。

高所の管理デッキでは、東堂 蓮が冷静に指示を飛ばし続けていた。


「第3〜5ブロックを隔離しろ! 非常用EMPを準備! 私が直接オーバーライドする!」


彼の声は揺るがず、スタッフたちに最後の希望を与えていた。



一方、ヒューゴの事務所。

ニュースが工場内暴走の速報を流し始めた。


「うぉwやっぱりじゃん」


あまりに早いフラグの回収にヒューゴは嘲笑した。


その時、ヒューゴの机のパソコン端末が強制的に繋がった。

画面に映ったのは、白髪を丁寧に撫でつけた厳つい老人——錦宗 玄。NISIKIを影から統括する古株の重鎮だ。眼光は鋭く、声は低く枯れていたが、威圧感は衰えていない。


「ヒューゴ……単刀直入に言おう」


老人は短く切り出した。


「一億リアル出す。前金は五千万、今すぐ振り込む。残りは事態収束後だ。……どうだ?」


ヒューゴはビールを置いて身を乗り出した。


「まじで!?やるやる!!」


「都心に漏れ出る前に、全てを工場内で片付けたい。それにセラフィムサードケンタウラが起動した。東堂だけでは抑えきれん。お前とメロルスが必要だ」

通知音が鳴り、五千万リアルの入金が確認できた。

ヒューゴは笑った。


「わかった!引き受ける。工場内でケリをつける」


「恩に着るぞ」


通信が切れた。そこへメロルスが帰ってくる。


「ん?どうしたんだヒューゴ?」


「き、聞いて驚くなよ」


「焦らしてねえで早く言えって」


「あの宗玄から五千万の前金の振り込みがあった!」


「はあ!?まじかよ!前金ってことは依頼の成功でさらにに支払いがあるんだよな!?行くぞっ!」



二人は即座にバイクを飛ばし、NISIKI中央工場へと急行した。メロルスはこの後、後悔した。依頼の内容を知らず受けたせいで。

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